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日々徒然:未来のためにできること~ちょっとだけお節介~

50歳も越してくると、頭の中でうっすらと少女時代を憶えていても、さすがに十分「大人」。が、相変わらずあちこち出かけるのが好きで、夏の初めに北海道の釧路に行った。車の運転も大好きで、阿寒湖・摩周湖・屈斜路湖ドライブ制覇が目標だった。

2023年夏は北海道も猛暑で、ついでに、東京もんの想像をはるかに超える虫さん達のお出迎えにかなりびびって、車から少し出ては写真を撮り、ダッシュで車に戻るというよく分からない北海道大自然満喫珍道中を楽しんだ。

そんなこんなで、50代おひとり様は宿に到着し、夕食の時間にレストランへ行った。おひとり様も安心できるようにか、窓際の席に用意がされていた。しばらくすると、今日の担当ですという女性が手作り名刺を持って挨拶に来た。「東京から来ました。話し好きなので気軽に声かけてください。」◯◯◯◯(名前)が書いてあった。マスクはしていたけど、モデルさん?と思う程綺麗な人だった。

いくつかお料理を食べ終わった後に「東京から来たんですか?」と声をかけてみた。「はい。私、社員とかじゃなくってぇ、バイトなんですけどね。リゾートバイトって時給いいし。あと、東京にいると苦しいんです。とにかく早く離れたくって。」「なるほど。そうだね、東京ってなんか忙しいからね。」「どちらからですか?」「東京ですよ。北海道を楽しんで。」

そんな名刺を出されたらさもありげな会話だけど、正直、ドキッとした。とっさに出た言葉が「苦しい」「東京なんて離れたい」。ホテルのサービスだから、笑顔でポジティブにとか関係なく、「とにかく北海道まで来て、一生懸命バイトしてバランスとってるんです!じゃ!」と言わんばかりの数秒だった。「ごめんね」と思った。彼氏とキャッキャッ言ってても良い年なのに、友達とバカ騒ぎして良い年なのに。もしかして彼氏と別れて東京なんて嫌だ!とか裏話もあるのかもしれないけど、ただ「ごめんね」と思った。

もう少し彼女と話せたらよかったなと後から思った。ちょっとお節介でも、なんか変なお客さんだなぁと思われても「まあ、まあ、手が空いたらちょっと座んなよ」って昭和風なお節介。彼女はいい夏を北海道で過ごしただろうか。すっきりして東京に戻っただろうか。

東京生まれ、東京育ち、東京のテンションは慣れっこ。でも、「東京も悪くないよ」って若い世代にお節介にも言える、面倒な昭和生まれに取り組みたいと思った夏でした。

#未来のためにできること