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20181208 冬帽子

オレンジを帯びるブルーの冬帽子

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学童で働いていて、虐待されているかもしれないこどもをオレンジ、活動の支援が必要なこどもをブルー、と呼ぶことがある。それぞれのカラーのファイルにその子たちの状況が書かれた書類を閉じておいて、わたしたちは情報を共有する。

ファイル確認しておいてね、ってその色を口にするとき、そこにはどうしても重さが付きまとう。だけど、この間、ふっと思った。オレンジはとても優しく、ブルーはどこか静かな色で、そこにはちゃんと希望がある。わたしたちはあなたたちの手助けができる。

学童に支援が必要な男の子が来ている。その子は冬になるとおしゃれな冬帽子をかぶってくる。お母さんがお迎えに来るのだけど、そのお母さんもまた雰囲気のよく似た、おしゃれな冬帽子をかぶっている。

去年の冬のお迎えの時に、わたしがいつも帽子素敵ですね、って言ったら「この子、頭が大きいから、わたしの帽子がちょうどいいんですよ」って、お母さんが話してくれた。

彼に出会って、2回目の冬が来た。この間今年初めて、黒いニットの帽子をかぶってきて、お母さんと一緒に帰っていった。ちょうど夕焼けがとても綺麗な時で、黒い帽子の輪郭が濃いオレンジ色に照らされていたのを、わたしはしばらく見ていた。

お母さんは彼と似た雰囲気の、ブルーのニット帽をかぶっていた。

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