見出し画像

11月4日は「読書週間『材料は数学と国語の教科書です』」

朝の登校時にまとめて各教科の教科書を回収します。と担任の先生は言った。数学それから国語、忘れないようにしないと。

家に帰り宿題を終わらせると、夕食はうどんだった。「え、またうどん」と私は文句を言ったが、お母さんは「あんたが苦手な数学の教科書のページを練りこんでおいたから」と言った。お母さんそれはまずいよ、明日給食に使うのに私の出す教科書がなくなっちゃう。
悩んだ私は、仕方ないのでとある方法で明日を切る抜けることにした。

「おはようございます。校舎に入る前に数学の教科書と国語の教科書を提出してください。今日は『二次関数』と『漢字』を使った給食がでます」

私は昨日考えた作戦を実行する。何食わぬ顔をしてまずは国語の教科書を提出、これは今使っているやつだ。そして問題の数学の教科書……昨日お母さんが今使っている数学の教科書でうどんを作ってしまったから、今日持ってきたのは1年生の時の数学の教科書だ。朝の昇降口は混雑していて、1冊1冊先生も確認していないだろうし、調理師さんもきっと細かく見ないで教科書を切るだろうから、多分ばれない。

私はドキドキしながら1年生の数学の教科書を渡した。先生は手元を全く見ないで教科書を受け取った。
「はぁ良かった。これで一安心」

そうして給食の時間。数学と国語の教科書が入った栄養満点の餃子がでてきた。なぜかその日の2年生は給食を食べ終わった後に、1年生の頃の思い出話で盛り上がった。

11月4日は「読書週間」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?