要(かなめ)

要(かなめ)と申します。ほぼ毎日「今日は何の日」をテーマに短いおはなしを書いています。…

要(かなめ)

要(かなめ)と申します。ほぼ毎日「今日は何の日」をテーマに短いおはなしを書いています。また、たまーに〇〇のはなしとして、思ったことを書いていました。今は好きなことをたまに書いています。

最近の記事

11月9日は「読書週間最終日」

本日は11月9日です。私がnoteにて小説を書き始めて1年となりました。偶然にも読書週間の最終日です。 昨年の11月10日「今日は何の日」というテーマで小説を書こうと決めてスタートしました。 今日までなんとか「今日は何の日」をテーマに無事ほぼ365日一応小説らしきものを書き続けることができました。読んでくださった皆様、スキをつけてくれた皆様本当にありがとうございました。 今後は毎日投稿ではなくなるかもしれませんし、また新しいテーマで毎日投稿をスタートするかもしれません。

    • 11月8日は「いい歯の日」

      枕元にはスマホ。それから白い異様な白さの何かがあった。それは石ではないなと寝ぼけていてもなぜか分かった。そこからは生命的な何かを感じたからかもしれない。でも生き物ではなさそうだ。だってさっきから見つめているのに、まったく動かないからだ。どちらかというと貝のようにも見えた。なぜ枕元に貝が。寝ている間に流されたか。まさかな。夜寝る時にはたぶんなかったと思う。というか枕元に何が置かれているかそんなに気にしたことはない。 朝日を浴びて異常に輝きを増したその白は、日常的な白さの数倍だ

      • 11月7日は「鍋の日」

        うん、うん、あここで脱ぐんだ。うんなるほどね。 えー! すごい大きいね。どれくらいなんだろう? めちゃくちゃ広いプールくらいかな。 なんだか色が変わっているね。なんの色? それに変わった匂いがするね。色々なものが浮いているけどあれは何? うん、うん、野菜なんだ。地元の? ネギとか白菜とか、いやー珍しいね。初めて見たよ。なんか林檎とか浮いてるのは見たことあるけど、ネギは珍しいよね。そうか、体にはよさそうだもんね。 そうだね、寒くなってきたし入ろうか。お、いや驚いた。随分

        • 11月6日は「アパート記念日」

          ぼくの住むアパートの2階に住むムラカミさんの飼っているペットのモモちゃんはメスだ。 急に何のはなしをするんだとお思いの方がほとんどだとは思うが、とにかくモモちゃんは我がアパートのアイドルでみんなに愛されている。 モモちゃんは大変に大きい。メスなのにあの大きさは珍しいのではないかと思う。恐らくぼくが見たことがある中で一番大きいのではと密かに思っている。以前飼い主のムラカミさんに聞いてみたことがある。 「モモちゃんって大きいほうですよね?」 ムラカミさんはモモちゃんをなでなでし

        11月9日は「読書週間最終日」

          11月5日は「いいたまごの日」

          ポケットから出てきたのはスマホではなく、卵だった。その卵は見た目では生卵なのかそれともゆで卵なのか、判別できない。これが卵の困った点で、例えば生卵は卵の色の白そのままで、茹でると色が変わったり草間彌生の作品みたいにドットがたくさんついたり判別できるようになってくれるとありがたい。 その手にある卵を見ながら考えるもやはり判別は難しい。普通に考えたら生卵をポケットに入れておくのはリスクが高い。なんせポケットなどという中東情勢くらい安定しないスポットに、薄い皮一枚の生の卵を入れる

          11月5日は「いいたまごの日」

          11月4日は「読書週間『材料は数学と国語の教科書です』」

          朝の登校時にまとめて各教科の教科書を回収します。と担任の先生は言った。数学それから国語、忘れないようにしないと。 家に帰り宿題を終わらせると、夕食はうどんだった。「え、またうどん」と私は文句を言ったが、お母さんは「あんたが苦手な数学の教科書のページを練りこんでおいたから」と言った。お母さんそれはまずいよ、明日給食に使うのに私の出す教科書がなくなっちゃう。 悩んだ私は、仕方ないのでとある方法で明日を切る抜けることにした。 「おはようございます。校舎に入る前に数学の教科書と国

          11月4日は「読書週間『材料は数学と国語の教科書です』」

          11月3日は「レコードの日」

          「まずはかき混ぜるの」そう言った人はスプーンをコーヒーに入れた。スプーンはプールに入る前の準備体操を入念に行った小3児童のように完璧な状態で、きちんと水泳帽をかぶり、手首足首をきちんとほぐしていた。 完璧な状態で入水したのち、流れるプールを作るためスプーンは時計方向へとただひたすらに動いた。一瞬時計方向が分からなくなったが、プールサイドの大きな時計をそっと盗み見た。そのうち自然にプールの中に時計方向の渦が出来、体を任せて流された。 無言でひたすらにコーヒーを混ぜていたここ。

          11月3日は「レコードの日」

          11月2日は「読書週間『、と。の世界』」

          『、』が家出した日は『。』は自分の仕事をしていた。つまりはしっかりと『。』の役割を果たしていた。 しかし『、』がいなくなったことに気が付いたとき『。』は何のために文章に『。』があるのかが分からなくなった。はじめて自分という存在が分からなくなった。 『、』はこんな文章を残した。 これ以上ぼくは文章をとめたくありません。それが良かれ悪かれぼくはもうこれ以上はむりです。より責任感のある仕事をしている『。』には尊敬しかありません。ただただぼくにはむりでした。 『、』がない分そ

          11月2日は「読書週間『、と。の世界』」

          11月1日は「犬の日」

          「一」 「音」 「林」 「空」 「月」 「金」 「糸」 「王」 「玉」 「大」 「犬」 とかいていく。 らくしょうだ、らくしょうだ。かんじなんてかんたんだ。 かんじドリルのかんじをひとつひとつかく。 「一」のとなりに「一」ちょーかんたん。 だけどふしぎ。かんじがおはなしになっていた。 *** 「一」つの「音」もしない静かな真夜中に 「空」にはきれいな「月」があった 「月」からはたまに「金」色の「糸」がたれていた 「王」さまは眠れない夜は

          11月1日は「犬の日」

          10月31日は「ハロウィン」

          ピンポーン! 「はーい」 「おかしくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!」 そこには魔女や狼男に仮装した子供たちがいた。 「はいはーい、キャンディーとチョコね」 「やったー!」 + ピンポーン! 「はーい」 「糖尿病なので甘いお菓子以外でお願いします」 そこには糖尿病のおじさんがいた。 「はいはーい、歌舞伎揚げと酢昆布ね」 「やったー!」 ++ ピンポーン! 「はーい」 「うちわあります? なんでもいいんですけど」 そこには高尾山から来た天狗がいた

          10月31日は「ハロウィン」

          10月30日は「香りの記念日」

          むせかえるこの匂いは、そうだまさしく夏の匂いだ。では具体的に何の匂いかと聞かれると構成要素は答えられない。草の匂いとセミの抜け殻の匂いと太陽に照らされた地面の匂いとだいたいの生命が生きようとする匂いで恐らくは構成されていると思う。 今度はつーんとくるこれは……ワサビ? いいや違う。これは……そうこれはプールの匂いだ。プールの水が鼻に入った時のあの感じ。 結構深刻に鼻が痛いのに、友達にそれを悟られまいと必要以上にはしゃいで、急にバタフライをする。その時の匂いだ。 今度もなか

          10月30日は「香りの記念日」

          10月29日は「おしぼりの日」

          幻覚かと思い、一時的に別の方向を見てまた見てみたが、確かにウサギは存在していた。突然現れたそのウサギは、いったいどこから現れたのか分からない。近くには隠れられる少し背の高い草もないし、もちろん隠れられる穴もない。 その白いウサギは、ある種その場では異様な存在だった。ウサギ一匹に異様というのも申し訳ないが、小学1年生のクラスに体格のいい覆面レスラーが座っているような、婦人会の中で一人だけ若い男性がいるような、だいたいはそんな異様さだ。さて、そのウサギはさっきから一点を見つめ動

          10月29日は「おしぼりの日」

          10月28日は「読書週間『カバーおかけしますか?』」

          「カバーおかけしますか?」 「はい、お願いします」 日本中の本屋で本を買うとき毎日のように行われるこのやり取り。その日も僕は何も考えることなく「はい、お願いします」と言った。 この書店のブックカバーは本屋の名前が入ったシンプルなもので、特につけても、つけなくてもいいのだが、僕はいつもついカバーをかけてもらっている。それにしても書店員さんのカバーをかける手さばきは本当に見事。いつもまったく時間をかけずに綺麗に本を包んでくれる。 「今キャンペーン中でして、特別なカバーをお

          10月28日は「読書週間『カバーおかけしますか?』」

          10月27日は「読書の日」

          本を読んでいる人を見るのが好きだ。難しい顔をして読んでいる人や、楽しそうに読んでいる人。本を読んでいる姿は様になっていると思う(あくまで個人的な意見)以前、電車で立ちながら入口のすぐ横に少しもたれて、本を読んでいた女性がとても格好良かった。たまに髪をかきあげる姿も。 本の値段が高いと言う人がいる。確かに子どものお小遣いだと高いかもしれない。しかし大人の諸君。本は本当に高いだろうか。(本と本当でダジャレみたいになりました) 以前に構想5年、執筆に3年とかいう本を読んだことがあ

          10月27日は「読書の日」

          10月26日は「きしめんの日」

          台所の目の前は、モザイクみたいに見える窓だ。この窓の正式な名前をなんていうのか知らないけど、とにかく外のアパートの廊下を通る人が皆モザイクみたいに見える。隣に住むシーサーさんもモザイクの窓越しに見ると、シーサーさんか、そうではないか判断が難しい。 そんな窓を珍しく開けて料理をしていた。決して小生の料理の腕前を見よ! これが小生のおしゃべりクッキングなり! と言うわけではなく、換気扇が故障してしまったからだ。青い羽の換気扇は芥川龍之介の蜘蛛の糸より細い紐を引っ張るとスイッチが

          10月26日は「きしめんの日」

          10月25日は「世界パスタデー」

          秘密地下クラブ「密食会」での今回の密食はズバリ「パスタ」だった。それを聞いたとき仲間の一人は嬉しさのあまり泣いていた。カレーと聞いた時もその仲間の彼は泣いていた気がした。やはり、パスタの衝撃はすごかった。かなり今回は攻めたな。と素直に思った。いつもより危険が大きい分今回の参加者は少ないかと思いきや、なかなかどうして、いつもと同じくらいの人数が集まっていた。 この暗い地下室で、今は20人ほどが肩を寄せながら各テーブルに座っている。これだけの人数がいるのだから、雑談がはじまっても

          10月25日は「世界パスタデー」