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6月14日は「手羽先記念日」

すごい勢いで、手羽先を食べていた。口の周りをテカテカにしながら。人の目とかそういったことはまったく関係なく、ただただ手羽先を食べていた。

右手でつかみ、そのまま口に運び、左手で骨を皿に乗せた。その一連の流れが、この前テレビでみた、ロボット工場の一連の流れのようにそっくり。

それにしても、ここまで一生懸命という言葉が適切かどうかは分からないが、手羽先を食べることに真剣に向き合う人を初めて見た。つまり、人類は食べ物に困らなくなると、そのありがたみを4秒くらいで忘れ、いただきますからはじまる食事は何処へやら、スマホ片手にもぐもぐ状態。


骨が堆積する皿は、だんだんと肉がみっしりと付いた手羽先の皿よりも高くなってきた。その白い皿に置かれた手羽先の白い骨は、軟骨部分もきれいに食べられており、骨の白さが際立ち、見ているこちらの気持ちも、大変気持ちの良いものになった。


手羽先が間もなくなくなる。あぁこの一連の流れが見れなくなるのかと少し残念だったが、そんな心配は不要だった。店員さんが追加の手羽先を運んできたのだ。手羽先を口に運びながら軽く会釈し、その姿は頬までタレが付いていて、これから戦場に向かうランボーのように顔にカモフラージュのペイントがされているようだった。

6月14日は「手羽先記念日」


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