あとがきのようなもの #2 “Vergissmeinnicht”

こんにちは。星奏ほしかなでこと(????)奏星かなせです。どっちもハンドルネームなのに「こと」って使うのは笑けてきますね。

さて、今回は第21回競作「箱」の“Vergissmeinnicht”について。こちらからお読みいただけますので、ぜひ。

ここからは、またまた私の言葉たちが暴れて制御つかなくなるのでご了承ください。では。

1.ドイツ語の病

ドイツ語の専門家の皆さんにはごめんなさい、なんですが、これは病レベルにすごいシステムですよね。そう、複合名詞。長過ぎる。で、この "Vergissmeinnicht"は、"Vergiss mein nicht."という文から出来上がったものです。"vergessen"(忘れる)の命令形"vergiss"、"mein"(私を、現代文法なら"mich"?) "nicht"(英語のnot)。つまり、「私を忘れないで」という文になります。ということで、 “Vergissmeinnicht”は「勿忘草」です。

Awesome City Clubが「勿忘」という曲を出していて、あーそうかそういえば、と思い出したりもしました笑
それはともかく。

文章をくっつけて一つの名詞にしようぜ!っていうドイツ語の考え方が、私は嫌いではありません、というか好きです笑
最近過去分詞とかzu不定詞とかやってるんですけど、それもとにかくくっつけまくりなのでドイツ語やば…….(誉め言葉)となっています。笑笑

2.ミュンヘンの寒空

めっちゃくちゃ寒いらしいですよ。ベルリンよりも。煙草吸ってる暇があれば家に帰れば……と思うのですが、ほら、何もないけどまっすぐ帰るのは嫌で、ちょっとだけ寄り道したくなるときとかあるじゃないですか。物思いに耽ているときとか。それですよね。

それにしても、Marlboroを持ち歩いているのに灰皿もライターもないってどういうことなんですかね。しかもドイツに長くいるのに “Gotta light.”って。英語かぶれだったのでしょうか……(ここまで悪く言わなくていいですね、反省)。隣の男の顔もなんとなく浮かんできます。幸せ、とは言えなくても、どこかに暖かみのある、まさに諦念(独:resignation)の体現者とでも言えば良いのでしょうか(少し違う気もしてきたけど)、そんな人。意気揚々と西洋に出たけれど、結局はうまくいかない。そんな彼の目を、道端の勿忘草に向けさせて、彼の真の想いを湧かせてくる。やっぱり諦念とは違う気がしてきましたけどね……さあどうなんでしょうか、どう思いますか(丸投げ)。

3.過去。

恋人か(しかも同棲している!)、もう少しで掴めそうな自分の夢か。選べない気持ちも分からなくはないのですよ、でも、さぁ?(というのは私の価値観ですね)

あと考えなければならないのは彼女さんの気持ちですよ、どうしたらよいですかね……もう何も言えないですよ。もし自分だったらと考えるとやるせない気持ちでいっぱいです。突然ドイツ行くと言われるわ、突然いなくなるわ、まだ好きで、でも仕事があるし、こんなやつ、、と思ってしまう自分が嫌で。こんな感じかな?わからない。いつか書きたい気もするけど書けないです。たぶん。

メビウスの買い置きを忘れていたという。本当に忘れてしまっていたのだろうか。もしかすると、日本への名残惜しさが、ドイツではメビウスではなくマルボロを吸わねばならないことが、このメビウスの存在を作り出したのではないか。あるいは、もともと日本にいたときから、何か「ほだし」を残しておきたくて、これが残ってしまったのではないか。答えは、わからない。ただ、そんな風に私は思ってしまった。

ちなみに絆というのは前回のテーマの一つでもありましたね。このときの自分はなにか未練でもあったのでしょうか……(無意識?)

4.勿忘草は多年草?

はい、とも言えるし、いいえ、とも言える。冬の間耐えたヨーロッパの勿忘草。日本に行くとどうなるでしょう。春が終われば夏が来る。それが、答えとは言えないですが、そういうものなんです。悲しい現実かな。

この恋を勿忘草に託したのは、彼の意志のためだったように思えてきました。ドイツに居れば、恋は続いているかもしれないと期待できる。勿忘草は枯れない。日本では枯れていても。でも、それでよかったのでしょうか?終わった恋、あるいは愛が、片方ではまだ信じられてしまっている。そんなの、と思ってしまうかもしれない。だから、彼は帰ったのかな。確かめたかったのかもしれない。

さあ、彼が日本で見たものは何だったんでしょう。

余談ですが、川端康成は「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」という名言を残したそうですね。勿忘草なんて教えられた暁にはひどいことになっていそうですね。世の皆様、やめましょう(これはフリではありません)。

5.終わりに ──彼は煙草をやめられるのか

煙草の別名(俗称の一つ)は「忘れ草」。勿忘草と相容れない。忘れ草を吸っても忘れられない。それでやめられるとは……思えないんですよね。ただ、それだけ。

ただ、彼の良かったところはドイツの煙草を吸いきるところ。日本を発った時とは違う、彼が見えます。ドイツと決別できるといいね。

恋も煙草も、中毒のようになるのかもしれません。一度その快楽を知ってしまえば。それに溺れることなく、ほどほどに付き合うことが良いのかもしれませんね。まあ私、まだ煙草吸えませんしこれからも吸うつもりないですけど……(恋のほうは知らない)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?