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右翼と左翼と鬱の話

もう30年以上も前の話ですけど、朝のワイドショーで「その週起こったニュースを替え歌にする」っていうコーナーやってました。TBSの番組で。

その頃は結構政治ネタもテレビで自由にやれてて、海部さんが総理大臣になった時は、キャンディーズの「年下の男の子」を替え歌にして歌った記憶があります。

あいつはあいつは可愛い 年下の男の子

の部分を

海部は海部は傀儡(かいらい) 竹下の思うツボ

って変えて歌ってたような記憶がおぼろげながらあります。

当時は政治ネタをやってたので政治についてもちょっとは勉強してたんだけど、ネタでやらなくなると政治の話もちんぷんかんぷん。よく分からない。

右とか左とか保守とか革新とかもよく分からなーい。

そんな私がこんな本を読んでみました。

「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた」

長ーーーーーーーーいタイトル!

50代の貧困フリーライターが、政治の事がまったく分からない素人が、分からないまま政治家に疑問をぶつけ、その疑問に対して現役の国会議員が真剣に考える対談本。

自分と同じように政治が分からない人が聞いてるので、読んでるこっちも同じように分からない。でも分からないって事がまず分かる。ここが分からないって事が分かる。

疑問をぶつけられる議員の方も「どこが分からないか一緒に考えましょう」って言ってくれてるので安心して「分からない」って言える。

政治の話って言うとすぐ、右だ左だ、右翼だ左翼だ、自民だ維新だ立憲だって対立するのがもうウンザリ。

昔から思ってたんだけど、ウンザリついでに言っちゃうね。

「自分が上手くいってない現状を、国のせいにしたがる人は左翼になり、他国のせいにしたがる人は右翼になる。どちらのせいにもせず、上手くいかないのは自分のせいだと思う人は鬱になる」

そう思ってます。結局どこにも出口がない。

だから右にも左にも行かず鬱にもならずに出口をさがすのは難しいなーって、まあ、これは僕個人の考えなんで、「そんな単純なもんじゃねーよ!」って思う人がいてもいいと思う。

大事なのは右に行く人も、左に行く人も、鬱になる人も、同じように苦しんでるって事。対立する必要なんかない。

そんなことを考えながら読んでたらこんな文章に出くわしました。自分とは意見の違う安倍前首相に対する小川淳也議員のコメント。

「岸信介の孫に生まれ、その膝に抱っこされて三代目の世襲政治家として育ったなら仕方ない。私だって同じ環境で育ったなら、同じ考え方にならない自信はないですね」

こんな事言える政治家、他にいる?この言葉だけでどんぶり飯三杯いけるよ。「自信がない」っていう言葉が一番「信用できる」よ。

前にも「すべての人が、もしかしたらありえたかも知れない自分の姿」だと思えば、ちょっとだけ世界がやさしくなる。って書いたけど、まさしくその通り。

右も左も右翼も左翼も「ありえたかも知れない自分の姿」だと思って、この本何度も読み返してみようと思ってます。


金谷ヒデユキ

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