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羽藤ゼミ6期生の卒業論文 (2022年度:マーケティング、消費者行動)

流通科学大学羽藤ゼミ6期生の卒業論文をnoteにて公開します。論文は4本、それぞれ(1) 日本卓球 (卓球用品ブランド) はなぜ女子選手に人気なのか、(2)若者とポッドキャストについて、(3)なぜ抹茶は流行しているのに茶道人口は減少しているのか、(4)兎田ぺこらというVtuberが人気な理由についてです。不十分な点もありますが、学生らしい視点や考察等、面白い点も多々あります。社会人の方や大学生・高校生の参考・気づきになればと思い公開します。今年はコロナの影響もあり、対面での講義が前期の間できず、さらに初めての論文執筆ということもあり、モチベーションの維持や必要な文献収集も大変でした。そんななか書いた論文、皆さんの参考になれば嬉しく思います。(最終版完成順)

穐原由真「日本卓球はなぜ女子選手に人気なのか」

第1章 卓球の歴史
第2章 卓球に必要な能力と男女の卓球の違い
第3章 ラバーを選ぶ基準と選手が求めていること
第4章 卓球専門店の特徴と戦略
第5章 卓球経験者が用具を選ぶ時の基準
第6章 スポーツマーケティング
第7章 卓球メーカーの戦略と特徴
参考文献

 近年、女子選手にニッタクを愛用している選手が多いと感じる。自分自身、高校生の頃からニッタク用品を愛用している。試合に出てラケット交換をすると、ほとんどの女子選手が自分と同じニッタクを使っている。このことからなぜ女子選手のほとんどがニッタクを愛用しているのか知りたいと考えるようになった。そこで日本卓球(ニッタク)というメーカーはなぜ女子選手に人気があるのかという問題意識に基づき研究を行うことにした。
 トップ選手の戦型が変化しているのと同じように卓球用具の使用者の割合も変化している。卓球に必要な能力と男女の卓球の違いは身体能力とプレイスタイルの違いにあり、男子は攻撃・女子は守備という結果が出た。男女における使用用具にメーカーの違いが出ることについて、ラバーを選ぶ基準と選手が求めていることにトップ選手が影響していることを仮説に卓球メーカーの契約選手と世界ランキングをまとめ、卓球専門店の戦略と特徴について「用具を買う人は何を基準にしているのか」「プロの選手が使っている用具とその他の商品の売れ行きの違い」「プロの選手を意識して購買しているか否か」「キャンペーンを行った際の顧客の反応」「男子選手に契約選手の多いバタフライと女子選手に契約選手の多いニッタクの商品を買う人に違いがあるのか」「購買の際にどのような質問が多いか」「商品陳列についてどのように売り出しているのか」という質問項目でインタビューを行った。その結果から用具を買うときに意識していることは性能であるということが分かった。性能が良い商品はプロの選手が使っているためプロの選手が使っている商品が売れるということに比例していると考えられる。そこで卓球経験者の男女28名ずつにアンケートを行い「使用ラバー」「プロ選手が使っている用具を知っているか」「プロ選手が使っている用具を使いたいと思ったことがあるか」「好きな選手」についての調査を行った。この結果からプロ選手が使っている用具を知っている人、使いたいと思ったことがある人が過半数いることが分かった。そして女子選手において、好みや使用メーカー、好きな選手が契約を結んでいるところがニッタクに偏っているという結果になった。この結果から用具選択においてはプロ選手の影響を受けているということがわかった。そこで、スポーツマーケティングのスポンサーシップの考えを参考に考察を行った。以上の議論に基づき、日本卓球(ニッタク)はなぜ女子選手に人気なのかという問題意識に対して、用具選びにプロ選手が大きく関与しており、世界ランキング上位の女子選手と多く契約を結んでいるため人気があるという結果が得られた。

田處凪彩「若者はなぜポッドキャストを知らないのか」

はじめに
第1章 ラジオ、インターネットラジオ、ポッドキャストの歴史
第2章 ポッドキャスト
第3章 インタビュー
第4章 考察
おわりに
参考文献 

 近年、ラジオやインターネットラジオを聴いている若者が減少していると感じた。さらに調べていくと、ポッドキャストにたどり着いた。このことから、ラジオやインターネットラジオは聴かなくても、若者はポッドキャストを聴いているのではないかと思い、知りたくなった。
 株式会社オトナル、株式会社朝日新聞社によるポッドキャスト国内利用実態調査(2020)、メディア環境研究会「ポッドキャストユーザー価値観調査2021」を使い、ポッドキャストの現状についてまとめ、共通している点、異なる点について考えた。
 また、ポッドキャストを聴いている1人、ポッドキャストを聴いていない2人の合計3人の友人に半構造化インタビューを行った。インタビューを通じてわかったことを、3つにまとめあげた。さらに、株式会社オトナル、株式会社朝日新聞社によるポッドキャスト国内利用実態調査(2020)、メディア環境研究会「ポッドキャストユーザー価値観調査2021」の調査とインタビューをもとに、AISAS(アイサス)を使いまとめた。
実際、周りの友人でポッドキャストを聴いている人はほとんどいなかった。さらに、ポッドキャスト自体を知っていなかった。このことから、まずポッドキャストについて知ってもらう必要があると考えられる。また、株式会社オトナル、株式会社朝日新聞社によるポッドキャスト国内利用実態調査(2020)、メディア環境研究会「ポッドキャストユーザー価値観調査2021」の調査で、ポッドキャストユーザーの一番高い割合となっていたのが、若者であった。この先、若者が興味を持つようなポッドキャストが増えることで、ユーザーが増え、さらにポッドキャストが良い情報の発信、身近に感じられるような時が来るのではないかと考えられる。

廣石茉咲「茶道と抹茶の関係性:なぜ抹茶は流行しているのに茶道人口は減少しているのか」

はじめに
第1章 茶道について
第2章 抹茶ブーム
第3章 ペットボトル飲料
第4章 茶道と抹茶ブーム
おわりに
参考文献

 近年では抹茶ブームが起こっているが茶道の人口は減少している。抹茶といえば茶道という考えがあったが、その考えが変わってきていることが分かった。そこで、日本の茶道の歴史を振り返る。最初抹茶は、貴族に薬として使われていたが、武士がお茶は楽しんで飲むものとした。これが茶道の流行の始まりとされている。しかし、現代では茶道が根付いていない。そのため、茶道人口の増加が見込めないのである。そんな中、抹茶ブームは変わらず続いている。日本でのブームの始まりは、アイスクリームやチョコレートの抹茶味が出てきたことで、人気フレーバーとして定着していったことである。海外では、糖尿病予防などに効くことから、スーパーフードとして認知されるようになったことが始まりである。国内外で抹茶ブームは起きて、一時的なものではなく定着している。また、抹茶ブームの一つであるペットボトル飲料の抹茶飲料についても調査した。緑茶飲料で売上19年連続1位を取っている伊藤園の抹茶飲料について、4C分析を用いて分析した。その結果、伊藤園は顧客目線に立って商品を製作・プロモーションしていることが分かった。最後に4人に抹茶と茶道に関するインタビューを行った。抹茶を好きになったきっかけや、茶道に対するイメージなどを質問した。その結果、抹茶が好きで茶道を始める人もいた。茶道をしていない人も、お抹茶を飲みたいから体験してみたい人もいた。これから、抹茶ブームが茶道人口増加に影響を与えていることが分かった。他にも茶道は究極のおもてなしともいわれているため、茶道を体験してみたいという意見もあった。しかし、茶道を体験できる場所が身近になく、手軽にできない。そのため、より手軽に茶道を楽しめるように、茶道を体験できるカフェなどがあれば、興味を持ってくれる人が増加すると考えた。茶道人口はこのままだと減少していくが、抹茶ブームを上手く利用して増加させていくことが大事だと感じた。

須藤直紀「なぜ兎田ぺこらというVtuberが人気なのか」

はじめに 
1章 Vtuber
2章 ホロライブについて
2-1カバー株式会社の事業内容
3章 ブランド戦略論について
4章 兎田ぺこらと人気である要因についてのブランド戦略論を使った分析
おわりに
参考文献

 Vtuberとは、アバターを使いながらYouTube上でゲーム実況や雑談などをする配信者である。Vtuberは、キズナアイがデビューした2016年から約6年の歴史がある。近年では、2022年11月時点で世界のVtuberチャンネル登録者ランキングで1位が「Gawr Gura Ch.hololive-EN」で424万人というように100万人を超えるようになっていること。市場規模としても世界のスーパーチャット収益ランキングでは1位の潤羽るしあが2億4千万円のように個人で億単位の規模があること。これらのことによって人気があることが分かる。また、今回私が注目するのは、兎田ぺこらというVtuberが、チャンネル登録者210万人であることや2021年のスーパーチャット収益ランキングが4位で約1億2400万円であるという点である。本稿では、兎田ぺこらがなぜ人気なのかを明らかにすることである。
 本稿では、兎田ぺこらというキャラクターに焦点を当て、兎田ぺこらがなぜ人気なのかという点についてその特徴をマーケティング的な視点から検討した。また、田中洋のブランド戦略論という書籍を参考にしながら兎田ぺこら本人の配信頻度や配信スタイルを調べた。結果、人気の要因を3点見つけることができた。(1)日本のみならず海外での人気もあること。(2)話題のゲームを配信したり積極的にコメントを拾い視聴者とのやり取りをしたりするなど配信を盛り上げるための工夫をしていること。(3)ホロライブ公式SNSやYouTubeでのプロモーションを行っていることが分かった。これら3つの点が、チャンネル登録者210万人であることや2021年のスーパーチャット収益ランキングが4位で約1億2400万円になった要因である。




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