マガジン

  • 言葉の蛇口〜夫婦、子供、家族、そして自分

    子育てや教育について、家庭や人間関係について、 これまでに考えてきたこと、学んできたことを書いています。

  • 言葉の蛇口〜生きるヒント〜寓話

    生きるということを考えるための寓話をまとめています。

  • 言葉の蛇口〜地獄の話

    おじいさんから聞かされた、地獄の話。 幸福に生きるヒントになればと思っています。

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言葉の蛇口〜ありがとうを10万回

人には、一生の間に言わなければならない 「ありがとう」の回数が決められておる。 10万回だって。 あの世では、生きている間に何回「ありがとう」を言うてきたかが正確に記録されておって、「あなたは4257回でした。あと95743回足りません。10万回になるまで地獄で過ごしてもらいます。」「あなたは68212回でした。あと32788回足りません。10万回になるまでの間、地獄で過ごしてください。」という風に、10万回に足りなかった者は地獄へ行かされる。10万回を超えていた者は、天国

    • 言葉の蛇口〜おじいさんから聞いた話〜選ぶということ

      昔、おじいさんから教えられた話をするわね。 相談事に来た青年に、夕飯の食卓で話していたことよ。 こんな話しだった。 生きるということは、選択の連続だ。どちらが正解ということは、後にならないと分からないから迷うことも多い。得な方、楽な方を選んだはずなのに、後になって大変なことになるのもよくある話だ。だからといって、損な方、苦しい方を選べば良いっていうわけでもない。だから、大変なのだ。 若者が勘違いしていることがある。君もそうかもしれないから、よく聞いておきなさい。 人生の選択は

      • 言葉の蛇口〜子どものための少しの贅沢〜子どもの願い

        私の家には、子育てをしているお母さんたちがよく来てくれるの。 いつも、ちょっとしたお菓子を振る舞うと、とても喜んでくれる。 子育てをしているお母さんたちを見ているとね、こう思うの。 「いつも、『子供のために、子供の幸せのために』ってがんばっているんだから、私の家では「あなたのために」というものを用意しておいてあげよう」って。 子供たちだって、おいしいものを食べて笑っているお母さんだとか、 お友達と笑い合っているお母さんの顔をみたいだろうしね。 お母さんが笑っている姿を見ると、

        • 言葉の蛇口〜スマホと子供〜子供たちが求めている言葉

          最近、わたしのところに遊びに来る中学生たちはみんなスマホを持ってくるの。友達と一緒にいるのに、それも、わたしの家までわざわざやってきているのに、みんなイヤホンをつけて、スマホの画面を見ているんだから、変な光景なの。 この間も、急にやって来て、「お腹が空いた」なんて言うから、サンドイッチを出してあげたのよ。そしたらね、「ありがとう。いただきます。」ってスマホを見ながら食べ始めたの。サンドイッチの中身を確かめることもしないし、私の顔も見ないのよ。 「せっかく、うちに来てくれたんだ

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        言葉の蛇口〜ありがとうを10万回

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        • 言葉の蛇口〜夫婦、子供、家族、そして自分
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        • 言葉の蛇口〜生きるヒント〜寓話
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        • 言葉の蛇口〜地獄の話
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        記事

          言葉の蛇口〜親しき中にも秘密あり〜すべてを打ち明けることはない

          この間、3人のお母さんたちが子供を連れて遊びにきてくれたの。 少し離れた公園まで散歩をして、親子で走り回ってきたんだって。 子供たちは、家に着いたらすぐに寝てしまったの。 「作戦成功!」って。 買ってきてくれたケーキを楽しくお喋りをしながらいただいたの。 いつも同じように公園では思い切り遊ばせて、昼寝をしている間に、お茶の時間を楽しんでいるんだって。 「良い仲間ね。一緒に遊んで、子供たちも楽しいだろうし、お昼寝中にお茶の時間も楽しめるなんて、最高ね。」って言ったの。3人共、笑

          言葉の蛇口〜親しき中にも秘密あり〜すべてを打ち明けることはない

          言葉の蛇口〜たとえ話〜隠された宝〜宝を見出す生き方

          ある村に1人の旅人がやって来た。 疲れた様子で、井戸の側に座り込んでいる旅人に目を留めた村人が自分の家に招いた。 食事を共にした後で、旅人はこんな話しを始めた。 「林の手前にある土地を買いなさい。あなたの子供たちにために。あの土地には宝が埋まっている。」 村人は、3人の息子たちにこのことを相談した。 長男が言った。 「よそ者の口車にのるのはやめてください。  でまかせに決まっています。そんな話しを今まできいたことがありますか?」 次男は言った。 「あんな土地を買ってはいけませ

          言葉の蛇口〜たとえ話〜隠された宝〜宝を見出す生き方

          言葉の蛇口〜たとえ話・指導者の資質

          昔、ある国の王が行政を司る大臣を新しく選ぼうとした時のこと。 2人の有力な家臣が候補として挙げられていた。 能力、人格、忠誠心、実績、何をとっても優れた2人であったので、王はどちらを選ぶべきか決めかねていた。王は長老を呼んで、彼の知恵を借りることにした。 長老は、2人の候補者を別々に呼んで、同じ質問をした。 「大臣に選ばれると、大変な権力と名誉を手にすることになる。それらが、大臣の職責の大きさ、重さによるものであることは理解しておいてほしい。もしも、あなたが選ばれたとしたら、

          言葉の蛇口〜たとえ話・指導者の資質

          言葉の蛇口〜たとえ話・王の言葉〜語るべき言葉と語るべきでない言葉、それを分ける知恵

          昔、ある国の王が、王子にこんな話しをした。 王子よ、これは私が父から教えられたことだ。 王家に生まれた者として、これを覚えておきなさい。 お前はよく本を読み、友人や賢者との語らいを大切にしなさい。 一人で考える時間、考えたことを書く時間を大切にしなさい。 国を治めるためには、人を動かす言葉、人の心に響く言葉を持たなければならない。 たくさんの言葉を心の倉に収めておきなさい。 そして、人との交わりの中で、言葉の選び方や使い方を身に着けなさい。 良い言葉を入れた倉から良い言葉が出

          言葉の蛇口〜たとえ話・王の言葉〜語るべき言葉と語るべきでない言葉、それを分ける知恵

          言葉の蛇口〜他者を見捨ててはいけない理由〜愛する理由

          昔、ある国の長老が弟子たちにこう尋ねた。 「お前たちが王様からの書簡を届けるために隣国に向かう途中、強盗に襲われたのか、身ぐるみを剥がされて、行き倒れになっている男がいたとしよう。 さて、お前たちはどうするか。」  弟子の一人が答えた。 「王様からの書簡を届けることを最優先にします。事件に巻き込まれたら大変ですから。  私ではなくても、後から来る者が助けてくれるかもしれません。」  他の弟子も続いた。 「私も同じ考えです。王様からの書簡を届けることが私の役割なのですから。先を

          言葉の蛇口〜他者を見捨ててはいけない理由〜愛する理由

          言葉の蛇口〜子供の世界で遊ぶということ〜自分を小さく、何もしていないかのように。

          小さい子供と遊ぶのが上手だったM君のことを話すわね。 小学4年生くらいからこの家に遊びに来るようになった子でね、高校生になると小さい子供たちと遊んでくれるようになったの。他にも遊んでくれる子たちはいるんだけれども、M君だけは遊び方が違っていたの。他の子たちは、賑やかにやって、盛り上げてくれるんだけれども、危なっかしいのと、気分次第のところがあったの。お母さんたちも心配するから、手伝ってくれるその子達を見守らなくちゃいけなかった。M君はね、一見、何もしなていないみたいなの。ブロ

          言葉の蛇口〜子供の世界で遊ぶということ〜自分を小さく、何もしていないかのように。

          言葉の蛇口〜子供から学ぶのも親の役割〜団欒の意味

           おじいさんとおばあさんは、子供から学校の話や友達の話を聞くことを大切にする人だった。毎日、夕食の時間だとか、お風呂の後の団欒の時間に「今日は学校はどうだった?」って聞かれるの。「特に話すようなことはなかったな」と思う日や、「今日は嫌な一日だったな」という日もあったけれど、二人が嬉しそうに聞いてくれるので、楽しかったことや嬉しかったこと、面白かったことを探して話すようになったわ。話題がない時は、別の日の話しをしたり、友達から聞いた話しをしたりしていたの。二人はいつも嬉しそうに

          言葉の蛇口〜子供から学ぶのも親の役割〜団欒の意味

          言葉の蛇口〜「隣の芝生は青い」〜それを喜び合えるように

          「隣の芝生は青い」という言葉は、「それに比べて私は…」という嘆きが含まれているものだけれど、「隣の芝生が青い」ということを喜べるように、喜び合えるようになりたいわね。  考えてごらんよ。お隣の庭が荒れ放題であったら嫌な気持ちで毎日を過ごさなければならないだろうね。反対に手入れが行き届いていたら気分も良いだろうし、自分の庭も綺麗にしようと思うだろう。そうして、隣の芝生が青いことを喜び合えるようになれると良いよね。 「隣の芝生が青い」のではなく、「手入れをしている庭の芝生が青いの

          言葉の蛇口〜「隣の芝生は青い」〜それを喜び合えるように

          言葉の蛇口〜私のものではない力〜働くことの意味、喜び

           ある村に信心深い二人の兄弟がいた。毎朝、神に手を合わせてから仕事に出かけ、畑で汗を流して働いていた。  年老いた父から受け継いだ畑を「神様が与えてくださったもの」と言って、よく手入れをしていた。彼らの畑では野菜がよく採れた。味も良いと評判で、王宮にお納めするほどであった。兄弟は一日の終わりには共に手を合わせて、神に感謝の祈りをささげていた。この恵まれた日々がいつまでも続くものと二人は考えていた。  ある年の秋のこと。大雨のために土石流が発生し、収穫を目前にした畑は、大量の土

          言葉の蛇口〜私のものではない力〜働くことの意味、喜び

          言葉の蛇口〜たとえ話〜自由と自分勝手の違い〜闇を照らす光

          昔、ある国の長老のもとに一人の若者が訪ねてきた。彼は、その国の王子であった。王子は、不正や悪が蔓延っている国の惨状を嘆いて、こう言った。 「せっかく戦争に勝って独立し、自由を取り戻したというのに、悪人が栄えるようでは、国の将来を担う若者が希望を抱くことができません。この国に秩序と正義をもたらすために何をするべきか、私なりに考えてまいりましたが。良い考えが浮かびません。厳しい罰則を設けましょうと王に進言したのですが、父上はそれを許さないのです。」 長老は王子に尋ねた。 「王は何

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          言葉の蛇口〜当たり前であるはずのこと〜当たり前を期待すること

          困っている人がいたら、助けることが当たり前。 悲しんでいる人がいたら、慰めることが当たり前。 喜んでいる人がいたら、祝福することが当たり前。 いつか、自分もそうなるのだと考えてみる。 自分も、そうやって誰かに支えられてきたのだと考えてみる。 そうして、理想を当たり前にしてゆくんだ。 当たり前のことにするために必要なのは、練習と積み重ね。 そして何より、他の人も同じようにしてくれるという信頼感。 大きな課題は、誰が1人目になるのかということ。

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          言葉の蛇口〜たとえ話〜どの軍隊にも負けない武器

           ある国の王が、家臣にこう命じた。 「どの軍隊にも負けない武器を調達せよ。どんな矢よりも速く飛ぶもの。どんな盾でも射抜くもの。どんな野火よりも広く焼き尽くすもの。どんな毒よりも苦しめるものを!」  家臣たちは、国中を周り、王の要求に応える力をもつ職人を探し求めた。  しかし、優れた職人たちでさえ、それがどんな武器なのか、何を作ればよいのか、検討もつかなかった。  家臣たちは、王のもとにひれ伏して尋ねた。 「王様が求めておられる武器がどのようなものか私たちには分かりません。職人

          言葉の蛇口〜たとえ話〜どの軍隊にも負けない武器