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言葉の蛇口〜たとえ話・指導者の資質

昔、ある国の王が行政を司る大臣を新しく選ぼうとした時のこと。
2人の有力な家臣が候補として挙げられていた。
能力、人格、忠誠心、実績、何をとっても優れた2人であったので、王はどちらを選ぶべきか決めかねていた。王は長老を呼んで、彼の知恵を借りることにした。
長老は、2人の候補者を別々に呼んで、同じ質問をした。
「大臣に選ばれると、大変な権力と名誉を手にすることになる。それらが、大臣の職責の大きさ、重さによるものであることは理解しておいてほしい。もしも、あなたが選ばれたとしたら、その責務を果たすために何を求めるか?」
1人目の候補者は熟考した後でこう答えてた。
「優れた家臣を2名。軍事、経済に長けた者を家臣としてお与えください。
 私はこの国に強大な力をもたらすことができると確信しています。」
2人目の候補者も熟考した後でこう答えた。
「優れた家臣を1名。私が謙遜を失わないように、宗教的な指導者をお与えください。彼の下で神の掟を学び、『正しく聞き分ける知恵をください』と祈る日々を送りたいと考えています。」
 長老は王に言った。
「どちらを選ぶべきかは、王ご自身がよくお分かりかと思います。
 王の望んでおられる国の様子をもとにご判断ください。」

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