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【7月9日】雨天中止の選抜戦で得られるもの

突然の雨に打たれて

朝9時前、球場付近に続々と選手が各地から集まってきた。
ここ1週間は雨天も続き、試合が中止になることも多かった。そのため、久しぶりにくもり予報になっていた今日の試合に並々ならぬ意欲を持って臨んだ選手もいた。

橋本大祐監督が「ミスをしても下を向かないように」桜井広大監督も「グラウンドに一歩出たらしっかり見られているという意識を忘れないように」と選手に説いた。

機運は高まった。しかし、結果を先に書くと、試合開始1時間前に大雨が降り、30分前に中止となった。

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(11時40分ごろ、大雨が降るオセアンバファローズスタジアム舞洲。雨粒で土が跳ねている)

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(すごい雨量に慌ててベンチに引き上げてきた堺シュライクスの選手たち)

「やりたかったですよ!やっぱり試合もちょっと空いてたんで……」とは神戸三田ブレイバーズの柏木寿志。雨が降っていても、バッティング、ノックと練習に取り組んでいた。

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代表初選出 佐藤大介

堺シュライクス・藤野恭平の負傷により選出された和歌山ファイティングバーズの佐藤大介。1年目の昨年は初安打を代打での勝ち越しのタイムリーで飾り、徐々に調子を上げていった。今季はセンターのポジションを勝ち取りスタメン出場を続けている。得点圏打率はそこまで高くないが、「ここぞ」の時の勝負強さが光る。

そんな佐藤に話を聞いてみた。が、「……緊張しています」と表情は硬かった。

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この日、6番センターで出場予定だった佐藤。緊張している佐藤をよそに、代表常連組の西河洋樹や深谷力の表情は明るい。「大丈夫やって!」と励まされるも、しばらく表情は硬いままだった。

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(ちなみに2019年のオリックスとの交流戦で、現在は1軍で活躍している投手からホームランを打っている西河(左)、前回のオリックスとの交流戦で3安打を打った深谷、無失点で抑えた西垣彰太(中央)、交流戦で数々の活躍を見せている生島大輔(右)。「和歌山最強やん!」とは西垣の談)

バッティング練習まで終えた佐藤にもう一度話を聞いてみた。
「いや、やっぱり周りがすごいです。自分がなんか恥ずかしくなってきました」

決して動きが悪いわけではなかったと思う。しかし他の選手との差や自分が取り組んでいることに何かギャップを感じたのであればそれは収穫だと思う。

「今回チャンスをいただいたので、結果を気にせずプレーしたいです」

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直後、雨が降って試合は中止になってしまった。
今度は「代わり」ではなく、「佐藤大介」が選ばれるよう普段の練習、試合でアピールをしていきたい。

「できる限りのアピールを」川崎皇翔

5月末に06ブルズに移籍をしてきた川崎皇翔も今回代表に初選出された。

「レベルの違うピッチャーと対戦できるのが楽しみ」と試合に胸を躍らせていた。

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バッティング練習では桜井広大監督が付きっきりで指導をしていた。

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(「打球の音が違うでしょ!川崎、しっかり撮っといてくださいね!」と桜井監督の期待が高い)

雨の降る中、下半身の動きを確認しながらトスバッティングを繰り返していた。

「雨が降ってきているので、バッティング練習や姿勢だけでもアピールしたいです」

何度もトスを打ち、雨が強くなってきてからも、ベンチ前でずっと素振りを繰り返していた。

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(雨の降る中、ベンチ横で素振りを繰り返す川崎)

練習の姿勢、内容から見てもらいたいという並々ならぬ意思を感じた。
きっと次に選ばれるときは、それが結果として出てくるに違いない。

雨男 川口陽太郎

初選出組最後の一人は川口陽太郎。

選抜代表で恒例となった神戸三田ブレイバーズの中尾公則トレーナーのアップメニューに「暑い……キツい……」とこぼしながらも、そのあとも「谷口(功一)GMに見られているような気がして」と、走り込みをしていた。

「3年目で初めて選ばれて、(雰囲気が)楽しいです!」

そう言ってウォーミングアップを始めたが、雨が降った。降りが強くなるとみんなが川口のほうを見た。何度か触れているが、川口は雨男として有名だ。

(「実は7月に「当日は雨が降る」ってめっちゃ言われました……降ってなかったんで「よっしゃ!」と思ったんですが……「当日は雨が降る」ってめっちゃ言われました……降ってなかったんで「よっしゃ!」と思ったんですが……

「それでもNPBの選手の練習を見れたり、ほかのチームの人と話ができてよかったです」

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(この日一日の満足感を表す川口)

防御率は依然トップ。また結果を出し続け、今度こそ代表のマウンドに上がれるようにしたい。

準備

結局試合はできなかった。しかし、川崎がいうように「練習からアピールする」という気持ちで臨んでいた選手たちもいたはずだ。

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(アップに励む村上海斗)

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(いつも通り?外野を走る堺シュライクスのメンバー)

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(素振りを繰り返す生島大輔)

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(アップの指示を出す中尾公則トレーナー)

毎回大西宏明監督が試合後に「これを継続できなければ意味がない」という。今回の経験は選手たちにとってどんなものになるのか。

今後の試合でその答えが出るはずだ。

(取材日:7月9日 SAZZY)

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