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BLS講習と学校教育

先日BLS横浜さんの講習を受けて、
思うことが多々あったので
自分用にメモ。

1.学校教育におけるBLS講習の必要性

子どもは朝8時に登校し、夕方3時半に下校する。
時には身体を動かし、時には食事を摂り、
時には虫取りをし、時には水泳をする。
中学高校だと部活動も学校教育の範疇である。

怪我のリスクはもちろんのこと、
成長期や思春期特有の不整脈、
アレルギーなどの発作や喉の詰まらせなど
あらゆる場面において
生命に関わる事故に繋がる可能性が隠れている。

もし、自分の目の前で児童が倒れた時、
もし、自分の目の前で教員が倒れた時、

それは、火事や地震津波が起こる可能性と
同じぐらい稀なことかもしれない。

教員人生で一度も起きない人もいれば、
それがいつ自分に降りかかることかは
誰も知るよしはない。

かつて実際に持久走後に亡くなった児童や
給食を喉に詰まらせて亡くなった児童、
プールで溺水した児童がいることを
我々教員は忘れてはいけない。

もし、自分の目の前で児童が倒れた時、
もし、自分の目の前で教員が倒れた時、
適切な処置をすることで助かる生命があるのならば

どんな素晴らしい授業を考えるよりも
どんな豊かな体験活動を実施よりも
大前提にどの教員も学ぶべきことなのではないかと
強く感じた。

学んだ上で、
最善を尽くせなかったり、後悔する方が、
最悪の場合に自分を責めずに
死を受け入れられるのかもしれない。
そんな気休め的な気持ちでも
充分に学ぶ価値はあるような気がするのだ。


2.学校教育において必要なBLSの知識とは

学校の研修では年に一度大体2時間から
3時間程度で救急救命の講習を行う。
もちろんそうではない学校もあると思うのだが。

そうなると、毎年シナリオ通りの実技を
おさらいすることで時間が終わってしまう。
シナリオ通りしか学んでいないのに、
質疑応答をされてもアバウトな質疑応答で
時間が過ぎていくだけなのだ。

おそらく所作としての確認にはいいと思うが、
教習所や保健体育の授業程度では
教員の職責を果たせていないのではと
疑問に思う。

所作の確認の前に一時間でも45分でも
生命維持に必要な要素から学習し、
人が生きている状態から
心停止になる流れを知ることで
その後の二時間ないし三時間の実技講習は
ぐっと意識が高まるのではないかと感じる。


その次に、
学校で起こりうる心停止について考えてみた。

①不整脈による心停止
②溺水による心停止
③窒息による心停止
④失血多量による心停止
⑤アナフィラキシーショックによる心停止

これらは、心臓の動きが原因で起こる心停止と
呼吸ができないことによる心停止とに分けられる。

このことを踏まえて伝えるだけで、
シチュエーションが具体的に見えてくるかもしれない。

具体的に考え出すと、
はじめに何をしなければいけなくて、
どの場所に何が必要で、
実際に自分1人で児童に伝言を伝える時に
何を伝えるべきなのか整理する必要があることに
気づく。

実技講習の後に、
各場面でのシュミレーション練習や
フローチャートの確認をすることで
教員の頭は整理されていく。

そうすると、
実際に起きた時には、
迷うことが少なくなるかもしれない。

最後に総括としてまとめやふりかえり
質疑応答をすれば、より多くの頭で
学校におけるシチュエーションや
自分のクラスの児童に置き換えた考え方
また、自分の家庭にも置き換えて考える人も
出てくるかもしれない。

そうなるとトレーニングの人形は
成人と子どものものが必然的に必要になってくる。

3.教員の責任

BLSのガイドラインによると
教員や保育士と通りすがりの人が
心停止の場面に出会うことは責任が異なる。

教員や保育士は勤務時間中は注意義務が発生する。
ということは、当然怪我を予見することや
事故を想定して仕事をしなさいということだ。

見て見ぬふりはもちろんのこと、
知りませんでしたでは通用しないことなのだ。

年に一度の講習で不十分であることは
もちろんあってはならなくて、

年に一度の講習で足りないと思うのならば
自己研鑽しないといけないことなのかもしれない。

ただし、
それは学んでいるから足りないことを知るのであって
年に一度の講習を受けているから充分だ。と
そう思ってしまっているから
この状態が変わらないのかもしれない。

そして、突然目の前で児童が倒れ、
パニックになり、
うる覚えの知識や間違った対応をしてしまい、
ニュースや新聞に載ってしまったり
裁判にかけられてしまうこともある。

そして、最悪の場合には
児童が亡くなってしまう恐れが
あるかもしれないのである。


4.シチュエーションから必要な練習とモノを考える

プール
沈んでいるのを発見
→引き上げる
→反応の確認
→子どもに一番近くのフロアの先生を呼びに行かせる
必要な役割)児童管理、救急車の誘導、管理職へ報告
胸骨圧迫の交代、タオルでの体拭き、AEDの着用、
保護者への連絡、時間や経過の記録(動画)
→ケータイがあれば119番通報でスピーカー
※管理職が学校からかけると時間ロスでは?
※現地から容体を見ながら発見者が伝えるべき?
→プール管理人に協力依頼
→AEDを持ってきてもらう
→人工呼吸用フェイスシールドを持ってきてもらう
※プール管理室にAEDとフェイスシールドがあった方がいい?
※フェイスシールドと手袋をAEDに入れておく
→呼吸の確認
※呼吸がないということは体内に酸素が足りない状態
→人工呼吸
※人工呼吸用のフェイスシールドが必要
→胸骨圧迫と役割分担して2名で交代
※交代練習が必要となってくる
※逆流の異物除去の対応も必要
→体を拭いてAEDの装着
※水気をとる
→必要に応じてショック
ショック不要の場合も呼吸がない場合
→引き続き胸骨圧迫、人工呼吸

不整脈
倒れているのを発見
→頭をぶつけていないか状況を見る
→反応の確認
→慎重に仰向けにする
→子どもに一番近くのフロアの先生を呼びに行かせる
必要な役割)児童管理、救急車の誘導、管理職へ報告
胸骨圧迫の交代、衣服を切る、AEDの着用、
保護者への連絡、時間や経過の記録(動画)
→ケータイがあれば119番通報でスピーカー
※管理職が学校からかけると時間ロスでは?
※現地から容体を見ながら発見者が伝えるべき?
→AEDを持ってきてもらう
→人工呼吸用フェイスシールドを持ってきてもらう
※AEDとフェイスシールドがあった方がいい
※フェイスシールドと手袋をAEDに入れておく
→呼吸の確認
※呼吸がないということは体内に酸素が足りない状態
→胸骨圧迫と人工呼吸を行う
→他の教員が来たら役割分担して2名で交代
※交代練習が必要となってくる
※逆流の異物除去の対応も必要
→衣服を切る
※裁ち鋏もしくは服を脱がせる?
→AEDの装着
※砂がつかないよう留意
→必要に応じてショック
ショック不要の場合も呼吸がない場合
→引き続き胸骨圧迫、人工呼吸

給食時の詰まらせ
苦しそうにしているのを発見
→咳やハイムリック法など吐き出させてみる
※窒息の対応の練習が必要
→反応の確認
→仰向けで寝かせる
→子どもに一番近くのフロアの先生を呼びに行かせる
必要な役割)児童管理、救急車の誘導、管理職へ報告
胸骨圧迫の交代、衣服を切る、AEDの着用、
保護者への連絡、時間や経過の記録(動画)
→ケータイがあれば119番通報でスピーカー
※管理職が学校からかけると時間ロスでは?
※現地から容体を見ながら発見者が伝えるべき?
→AEDを持ってきてもらう
→人工呼吸用フェイスシールドを持ってきてもらう
※AEDとフェイスシールドがあった方がいい
※フェイスシールドと手袋をAEDに入れておく
→呼吸の確認
※呼吸がないということは体内に酸素が足りない状態
→胸骨圧迫と人工呼吸を行う
→他の教員が来たら役割分担して2名で交代
※交代練習が必要となってくる
※逆流の異物除去の対応も必要
※胸骨圧迫時に詰まらせたものが取れる可能性あり
→衣服を切る
※裁ち鋏もしくは服を脱がせる?
→AEDの装着
※呼吸が原因なのでショック不要の場合を想定
→引き続き胸骨圧迫、人工呼吸


5.今後考えたいこと
プールや運動場ではAEDの中に手袋とフェイスシールドを入れておく
各学年のフロアにもフェイスシールドと手袋は必要
→嘔吐処理セットにフェイスシールドも併せて
入れておくといいかも
救急車誘導は誰がするか決めておく
詰まらせを取り除く方法と交代練習と異物除去の練習
ショック不要な場合や回復対位

疑問
保護者に連絡するタイミングは?
119番通報の判断は発見者でいいのか?
屋上の溺水の場合どのタイミングで下に下ろす?
→心肺蘇生を引き継ぎ器具をつけながらなら
救命隊が到着次第?

次年度の学校経営計画や
救命講習の際には少し話してみよう。

今日はとりあえず養護教諭に
フェイスシールドの購入を打診して見たら
次年度の予算で購入できるようにしてみるとのこと

使うことがないのが本望ではあるが、
必要性を伝えることができてよかったと思う。

自分に出来ることからコツコツと
広げていけたら嬉しい。


おわり。

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