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28+| 羊毛日誌 増刊

2月の読書感想メモです。

忙しくて時間に追われる毎日だけど、今月も面白い作品が読めて良かった。

アウトプットとインプットについて考える。自分の描いてる時間、作るものを豊かにするためには、他の作品に触れて物語を享受する贅沢な時間も必要。という建前で、ただ単純に本を読むのが好きなだけかもしれない。




2024年2月5日月曜日

⑤ 柳広司『怪談』(講談社) 読了。

現代版のストーリーで味付けされた妖怪たちと、巻き起こる怪異。下敷きになってるのはかの有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談。ミステリっぽさとホラーっぽさが混ざったような感じ。とてもよかった。タイトルは怪談となっているものの、怖さは控えめで不思議な読後感。怖がりでも大丈夫です。



2024年2月16日金曜日

⑥ S・A・コスビー『頬に哀しみを刻め』(加賀山卓朗訳/ハーパーBOOKS) 読了。

2023年このミスの海外翻訳部門で1位だったのと、人種差別とかLGBTQ差別が絡むらしいというあらすじが気になって買った本。まぁクライム小説だからね~って読み始めて、結構ガッチリめにハードボイルドな内容に興奮して、途中までは「ネトフリでドラマ化だな(確信)」って思ってたけど後半は「これはドラマ化じゃない、映画化してくれ」ってなった。派手にドッカンドッカン火薬を使って欲しい。This is ハリウッドのアクション!みたいな感じにして欲しい。

あとハーパーBOOKSさんは早くカルメン・モラの『花嫁殺し』の続きを出してください。お願いしますよ。


2024年2月22日木曜日

⑦ ピラール・キンタナ『雌犬』(村岡直子訳/国書刊行会) 読了。

コロンビアの作家。また凄い作家を見つけてしまった。スペイン語圏の作家の本、面白いからどんどん読んでこ。

子どもを持つことをあきらめた女性が、1匹の雌犬をもらい受けたところから始まる物語。自分に娘が生まれていれば付ける予定だった名前を、その雌犬に与えて可愛がる。不妊と貧困、生活のリアル、家の中の空気感、描写が凄い。「私も同じ状況だったら?」と繰り返し考えながら読んでしまうストーリー。終盤の展開のエグさ。この本は映画化が予定されているとのことで、ちょっと楽しみ。英語版に翻訳されたタイトルは『The BITCH』となっていた。まぁ合ってるんだけど、英語になると火の玉ストレート感強いなぁ。



2024年2月25日日曜日

⑧ 辻村深月『太陽の坐る場所』(文春文庫) 読了。

昔買って、積んで、そのまま読んでなかった本。でも今このタイミングで読めて良かったな。辻村さんの本ばかり読んでた時期があるんだけど、読んでる最中に必ず「あーっ!そういうことか!」ってなる瞬間がある。今回もそういう仕掛けがあって、思い出した。あと自分の高校時代に思いを馳せた。私は同窓会なんてこの先も絶対に参加しないけど、行く人は行くんだよね。高校時代のクラスメイトで今も連絡取ってる人はいない。大学の友だちは、ときどき連絡してる人が1人だけ。




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