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ゴミを捨てない女✕ゴキブリ退治できない男 #家事分担の気づき


#家事分担の気づき

お題 「家事分担の気づき」
結論 相手を尊重する
   得意なものがやる

1.危機

妻(甲)は神経が太い。ゴミを捨てない。
夫(乙)は神経が細い。ゴキブリを退治できない。
結婚30余年となる。
甲と乙の間には3人の男子がいた。
 

甲は片付けをしない。掃除をしない。ゴミを捨てない。
冷蔵庫の中は腐敗物に汚染されている。
食器棚の底には9年前に開封されたお菓子が放置され、、、1mm程の黒い生物体が無数に蠢いていた。
甲の居室の畳には”キノコ”が生えている。
甲は空腹になると食事をつくる。汚れた鍋や食器が放置される。
甲は裁縫をしない。男子のズボンの裾上げがほどけ、江戸の殿様のようにズボンの裾を踏みながら歩いていたが、甲は気にしなかった。

乙にとって甲との不衛生な共同生活は苦行であり、拷問でさえあった。
会社勤務から帰宅して台所を片付け、休日は家の掃除に追われた。
男子のズボンの裾上げをした。
専業主婦の甲は三人目の子が小学校を卒業するとパート勤めを開始した。すると散らかし具合に拍車がかかった。
また、3人の男子は成長するつれ、生活態度が甲に似てきた。
4人の生活廃棄物を1人が片付ける生活であった。
 
乙は別居して単身で生活することを画策したが、経済的に叶わなかった。
ゴミ屋敷に住まうであろう我が子の姿を想像することも忍びなかった。
乙は甲を嫌悪し、その人格や存在を否定するようになった。
すると家庭は重苦しい負の空気に覆われ、3人の男子の生気が失われていった。

2.転機

乙は甲に宣戦布告した。
「オレはもう掃除はしない!」
甲は冷ややかに言い放った。
「ふんっ、どうせ、あんたは汚さに耐えられない。。。」
2週間後、、、乙は自ら敗戦を悟った。

精神的苦痛にあえぐ日々の中、乙は以下の考えに至った。
1.掃除は精神浄化
 掃除をすると空間がきれいになる。爽快感と達成感が味わえる。
 すなわち、精神浄化の有効な手段である。

2.掃除しない病を認める
 たとえば、心臓や四肢に障害がある妻をめとったとして、掃除をしないことに不満をもつだろうか?甲は肉体的には健康そのものであるが、生まれつき”掃除しない病”という不治の病を背負っているのではないか?そうだとしたら、甲にそれを求めるのは道理が通らない。

3.センサーが違う
 そもそも清潔/不潔に関する感度(センサー)は人により違う。ホコリが溜まりキノコが自生する居室は甲にとっては居心地がよい空間らしい。
 食品や手指を顕微鏡で覗けば無数の菌類が蠢いているが、人の目には見えない。だから気にならない。甲にはゴミもホコリもキノコも目には入らないようだ。掃除する必要はないのだ。
 

3.効果

乙が考え方を改めると、家庭には以下の改善がみられるようになった。
1.乙の精神安定
イライラがなくなった。

2.子どもの自立
甲の存在を肯定できるようになると、子どもたちも覇気を取り戻し、無事に自立していった。

4.結論

1.距離を置く
生活に対する価値観や感性はそれぞれ異なる。基準を無理に合わせてもストレスになる。埋められない溝があるときは距離を置き、独自の生活圏を維持する。干渉しない。

2.得意なことを分担する
必要なことは得意なものが担当する。
乙はゴキブリやムカデを直視できない。一方、甲は躊躇なく一撃する。

3.相手を肯定する
乙にとって甲はモンスターのような存在である。
しかし、遠い将来、文明社会が崩壊し、サバイバル生活を余儀なくされるとき、、、甲の遺伝子を受け継いだ我が子孫はタフに生き残るのではないか、、、と想像する。
そう考えると、甲に対する感謝の気持ちがわくのである。

 

 

 

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