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新語・流行語の好き嫌い(ライチ編)


後から出すほど弱くなるじゃんけんってなーんだ?
答えはリレーコラム。

なんてなぞなぞは今適当につくりましたけども。そもそも勝ち負けないですけども。
「私たちコピーライターなんだから、新語・流行語にひとこと言いたいんじゃない?」と、4人の宴でこのテーマ出したの、私ですから。なのに順番はビリっけつ。

「ヤバみ」「自分へのごほうび」「エモい」かー。みんないいとこ突いてくるわ!あと何があるよ?さー考えよう!


●「ジワる」「じわじわくる」
これ、うまい言葉だなあと思うんです。
じわじわ笑えるのか。じわじわと違和感がこみあげるのか。好意的・否定的、どちらとも決めがたい、なのに人に言いたくなる。そんな感情ってたしかにあるなあと。
SNS時代にマッチしたクレバーなリアクションじゃないでしょうか。


●「神」「鬼」といった最上級表現
「神対応」「鬼うまい」など。多神教の国ってゆるくていいな、とほのぼのします。
そもそも日本にはveryにあたる強調表現が少なくて「とても」「すごく」「大変」「非常に」「最高に」「めっちゃ」くらいしかない。常に旬のveryが更新されていくのは当たり前。

それでも、こりゃ苦手だって思う強調表現は「クソ」ですね。単純にキタナい。
「クソワロタ」「クッソおもろい」「クッソ格好いい」これ、ほめてる文脈なんですよ、けなしてるんじゃなくて。
まあ、広告に絶対使えない非商業的な言葉だからこそ、若者たちは真実味を感じるのだろうのぉ。


●「キラキラ女子」
お化粧もヘアスタイルもファッションも華やか、タレントやモデルのように可愛らしく、充実した毎日を送る女子のことですね。

私、この言葉にはなかなか、感慨深いものがあります。
つまり、「キラキラ女子」を定義することによって、かえって、「女子=キラキラとは限らない」という認知が(おじさんにも)広まったと思うんですよ。
キラキラしている女子もいる。キラキラしていなくても、キラキラを目指していなくても、女子は女子だと。そして「女子力」という言葉の圧も、ちかごろだいぶ弱体化してきてざまぁみろです。

これはもう止められない世の流れ。「女らしさ」そして「男らしさ」という言葉がもつイメージもぼんやりしてくる。ならば、それに代わる言葉を探すのは、コピーライターの仕事です。


「女らしさ」の言い換えとしては、「可愛い」「こまやか」「繊細」「優しい」「柔らかい」「控えめ」「楚々とした」「曲線的」「気遣いができる」「華やか」「甘い」などなど。
「男らしさ」の方は、「格好いい」「おおらか」「力強い」「たくましい」「硬質」「大胆」「堂々とした」「直線的」「リードできる」「シンプル」「ビター」などなど。

改めて並べてみると、どれもこれも、男女どちらにでもいえる言葉なんですよね。
しかも魅力的で美しい言葉ばかりじゃないですか。

もちろん体格や体力、産めるかどうかなどの医学的な性差はありますけど、それ以外の特質に「女らしい」「男らしい」のレッテルを貼り付けるのはやめたいな。

性差を超えて、誰もが自分の色を選べるカラフルな社会が来るきっかけが、広告の言葉であったなら、なんて素敵なことでしょうか。



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