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【試し読み】『フルトラッキング・プリンセサイザ』(「フルトラッキング・プリンセサ…

「フルトラッキング・プリンセサイザ」  今日はバスタオルで体を拭こう。うつヰは出かける前…

【試し読み】『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』崔盛旭より(「『キングメーカ…

『キングメーカー 大統領を作った男』 選挙の負のレガシーを作った男たち 「カルラチギ」の…

【試し読み】ローラ・カプラン『ジェーンの物語 伝説のフェミニスト中絶サービス地下…

プロローグ  一九七三年にアメリカの連邦最高裁判所は、ロー対ウェイド訴訟の判決によってア…

【試し読み】『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』崔盛旭より(「『タクシー運転…

『タクシー運転手~約束は海を越えて〜』 韓国現代史上最悪の虐殺「光州事件」の真相に挑んだ…

【試し読み】崔盛旭『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』より(「はじめに」)

はじめに    韓国映画には「歴史」を取り上げた作品が多い。とりわけ日本の植民地政策への…

【試し読み】カワイ・ストロング・ウォッシュバーン『サメと救世主』(日野原慶訳)よ…

【訳者・日野原慶さんからのメッセージ】  小説はフローレス家の母親、マリアの回想からはじ…

【特別掲載】『パンクの系譜学』刊行記念エッセイ「パンクとの出会い」(川上幸之介)

パンクとの出会い  私は行き場のない怒りと、それを変えることのできない自分の非力さを抱えながら、グレたり家出する勇気もなく悶々とした思春期を過ごしていた。だけど、そんな気持ちを解放してくれたのが当時、ドラマの主題歌で流れていたザ・ブルーハーツを通して出会ったパンクと、新しい世界を垣間見せて くれたアートだった。パンクに傾倒し始めていた私は、せっせと小遣いを貯めては新しいバンドとの出会いに胸を踊らせ、実家の山梨から東京のレコードショップへと通い詰めた。当時はグリーン・デイの

【試し読み】高柳聡子「異国を見つめる詩人 アデリーナ・アダーリス」(『埃だらけの…

『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』 高柳聡子 四六判、上製、18…

【試し読み】高柳聡子「チェルビナ・デ・ガブリアック 二つの魂を生きた詩人」(『埃…

『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』 高柳聡子 四六判、上製、18…

【試し読み】高柳聡子「マリア・シカプスカヤ 私の身体は私のもの」(『埃だらけのす…

『埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち』 高柳聡子 四六判、上製、18…

【試し読み】我妻俊樹・平岡直子『起きられない朝のための短歌入門』より 「はじめに…

我妻俊樹・平岡直子『起きられない朝のための短歌入門』 ***** はじめに   短歌を本…

【試し読み】スリーク、イ・ラン『カッコの多い手紙』(吉良佳奈江訳)スリークよりイ…

スリーク、イ・ラン『カッコの多い手紙』(吉良佳奈江訳) 《手紙には何度も(カッコ)を使い…

【試し読み】スリーク、イ・ラン『カッコの多い手紙』(吉良佳奈江訳)イ・ランよりス…

スリーク、イ・ラン『カッコの多い手紙』(吉良佳奈江訳) 《手紙には何度も(カッコ)を使い…

【試し読み】『小さな町』(「二 至上命令」より)

  『小さな町』(「二 至上命令」より) 二 至上命令  病床にいる母から聞いた話の中でとりわけ驚いたのは、母に妹、つまり私にとっては叔母がいたという事実だった。入院する前にも―私が高校生になった頃だと思う―母が自分の過去について語ったことがあった。母には明らかに魂胆があった。「この空の下に、家族は私たち二人しかいないのよ」。母はそうやって私たち家族―つまり私と母―から父の存在を消してしまいたいと思っていたのだ。  母は西海にある小さな島で生まれた。母が島で生まれたこと