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【KANNAX STORIES】 名前がなかったサービス「アフターブーケ」ネーミングの由来とこれから

こんにちは。
あなたの物語を保存するアフターブーケスタジオkannaxです。

結婚式やプロポーズなどで使用された思い出のお花を押し花やドライフラワーとしてのこすサービス「アフターブーケ」。
今でこそブライダル業界を中心に定着した言葉ですが、実はカナックスの創業者である社長が生み出した造語

「AFTER BOUQUET / アフターブーケ」という言葉は株式会社カナックスが2004年に特許庁に商標登録申請し、2005年に正式に登録されました。

カナックスで働く人々それぞれのストーリーをご紹介するKANNAX STORIES。今回は、カナックス社長である菅野に直接「アフターブーケ」のネーミングの由来を取材しました!


サービス自体を表す言葉の存在が鍵

カナックス代表取締役 菅野

——どういう経緯で「アフターブーケ」という言葉は生まれたのでしょうか?

菅野:最初はカナックスでは押し花しか取り扱っていなかったんです。「押し花ブーケ」という言葉は当時からなんとなくあったので説明できていたのですが、2003年から立体的なドライフラワーも製作開始するようになり、押し花とドライフラワーどちらも含めた「大切なお花をのこす」というサービス全体を表す包括的な名前が必要だと感じ始めたのがきっかけです。

「押し花ブーケ」という言葉での説明も限界がありました。カナックスを知らない方に自分のビジネスを「ウエディングの押し花ブーケを作るサービスです」と説明したら、「結婚式で花嫁さんが遺影のように押し花額を持つのか?」と勘違いされて、喧嘩になりそうになったこともありました(笑)

——確かに、サービスそのものを表す言葉がないと不便ですね。

菅野:不便なだけでなく、言葉がないとサービス自体が世に浸透しないと思いました。つまりは、言葉そのものがこのビジネスにおける重要な鍵なのではないかと。
例えば、初めて自動車を見た人間は車を何と呼んだかわかりますか?

——何でしょうか、検討もつきません。

菅野:自動車の前はみんな馬に乗っていましたから、「馬なし馬車」と呼んでいたそうです。今考えればおかしな呼び方ですか、当時はそう呼ぶしか表現できなかった。もちろん自動車の普及は必然的なものではありましたが、「みたことがないモノ」を端的に表す言葉の存在はどんなサービスや商品においても普及の第一歩だと思います。

——今では「アフターブーケ」はブライダル業界を中心に定着しましたが、これまで普及のために工夫したことはありますか?

菅野:地道ではありますが、カナックスの電話番担当の方々には「アフターブーケのカナックスです」と名乗るようにお願いしました。
最初はみんな恥ずかしがっていましたが、ひとりひとりの意識を変えるのが突破口だったかなと思います。

そうして地道に「アフターブーケ」として名乗っていき、あるブライダルフェアに参加したときに、今では廃業してしまった同業他社が「アフターブーケの〇〇です!」と声高らかに挨拶しているのを見て驚いたとともに、「あぁ、言葉が広まってきたんだなぁ」と感慨深くなったこともありました(笑)

カナックス 初期ウェブサイト

「アフターブーケ」言葉の呪縛


——「アフターブーケ」という造語自体はどう浮かんだのでしょうか?

菅野:シンプルに、お花を結婚式の後もその先も美しくのこして差し上げたいというカナックスの理念に基づいた言葉です。

——言葉を使い出した当初の周りの反応はどうでしたか?

菅野:面白いことに、賛否両論はっきり分かれたんです。大絶賛してくれる人もいれば、ネガティブなイメージを抱く人もいました。
実は、「アフターブーケ」という単語自体、僕は今でもベストではないと思っているんです。長ったらしくなく、馴染みやすい言葉を他にもたくさん考えましたが、しっくりくるものがなかったんです。

——ベストだと思われていないことに少し驚きです。単語が定着した現状についてはどう思われていますか?

菅野:もちろん、発案者として嬉しい気持ちはあります。
ありがたいことに注文も安定してきて、さまざまな規模で同業も生まれましたが、あくまで「結婚式のお花をのこす」サービスの言葉として広まったと思います。「ブーケ」というと、日本では「ウエディングブーケ」だったり「ブーケトス」といった結婚式のイメージがあると思うので、ブーケと入るこの言葉自体、ウエディングと切ってもきれない立ち位置にある印象です。

未婚率が高まり、いま結婚式の需要は減少し続けています。そこでこれからは、「ブライダル業界の中のカナックス」ではなく、「お花や植物全般をのこすサービスを行うカナックス」としての独自の立ち位置を目指していければと思っています。

——今月公開された新カタログの表紙では、ウエディングドレスが着用されていなかったり、「アフターブーケ」という言葉自体が削られたりと、会社としては大きな意味を持つカタログとなりました。

カナックス 歴代カタログ表紙

菅野:2022年のカタログから初めて「kannax」を表題としました。2023年版から表表紙から「アフターブーケ」の言葉をなくし、今回の2024年版では裏表紙からも削りました。
スマートフォンという言葉は広く使われているものの、Apple社のものは独自にiPhoneと呼ばれるように、「アフターブーケ」という言葉が浸透してきたからこそ、「カナックス」としてブランドを強化したかったんです。

2022年から表題を変えられたのも、裏を返せばアフターブーケという言葉が生まれた2004年から、カナックスとしてアピールできるフェーズに18年もかかったということ。ここまで辿り着いたからこそ、これからは新しいカナックスをどんどん打ち出していきたいですね。



カナックスのアフターブーケ

アフターブーケは、お客様の想い出の花をお預かりし、「プレスフラワー(押し花)」または「フレッシュドライフラワー」に保存加工するオーダーメイドのサービスです。カナックスの独自の製法で、花びら一枚一枚、茎一本一本を丁寧に乾燥させ、熟練のデザイナー職人の手でアフターブーケとして想い出を形にしています。
※AFTER BOUQUET アフターブーケは株式会社カナックスの登録商標です。



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