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靴の踵はなぜ硬い?

素朴な疑問ですが、そもそもなぜ多くの靴は踵が硬いのでしょうか?パンプスを手掛けるベテランの靴職人はパンプスは踵が命という方もいます。

ヒールカウンターの役割


ヒールカウンターとは靴の踵に入っている硬い芯材のことで、スポーツシューズなどは樹脂、革靴には硬化させた革が芯材として入っていますので靴の踵は硬くできています。

ヒールカウンターは履き口の形状保持、踵の保護、立位でのバランス向上と安定歩行が主な役割です。

靴のヒールカウンターが立位バランス制御に与える影響
阿部玄治 1 ) 千葉駿太 2 ) 玉山優奈 2 ) 平野詩織 2 ) 向山和枝 2 ) 黒後裕彦 1 )

東北理学療法学,第 29 号:69 - 72,2017より

また、競技用シューズでは捻挫などのスポーツ外傷から足を守る役割も担っています。

土踏まず(アーチ)を機能させるヒールカウンター


足の底面には土踏まず(アーチ)がありペットボトルの底のようにドーム形状を保つことで安定しています。また、土踏まずは歩行時、踵を着く時は衝撃を吸収し、蹴り出す時は足を固くして推進してくれる機能があります。

アーチ機能

ところが、踵の骨が外向きになり脛と踵の角度が大きくなると、歩行に必要な関節の動きが制限され土踏まずが機能しにくい状態になります。

土踏まずが機能しないまま歩くと土踏まずの代りをするように、足を中折れするようにしたり蹴り出す時に母趾の腹で蹴らずに母趾の内側でねじって推進します。

この様な悪い動きを続けることで母趾の爪が陥入したり母趾の内側に角質ができたり、外反母趾につながる悪い動きになってしまいます。

つま先に起こっているトラブルは往々にして踵の向き、踵の動きに起因しますのでヒールカウンターの役割は重要です。

踵の骨が真直ぐな状態に保ちたい

靴の踵(ヒールカウンター)を踏んではいけない理由

リハビリお役立ち情報|FUNDA-REHA BLOGより

ヒールカウンターを活かす履き方


ヒールカウンターの役割を理解すると靴の踵は踏まなくなりますが、大きい靴、ゆるゆる靴で踵に隙間ができるとヒールカウンターの機能が活かせません。

先ずは適正サイズの靴を選び、スポーツシューズでは踵をトントンしてヒールカップにおさめてから靴紐を結びます。

パンプスは履く時にシュという空気がぬける音が出るといいと言われますが、ピッタリ合わせてヒールカップに踵をおさめます。ただ、食い込みすぎると靴ずれの原因にもなるので適度にです。

パンプスは踵が命


パンプスは足に固定する部分が少なく踵をしっかりおさえないと靴が脱げ歩き難いので、故にパンプスは踵が命ということです。

歩きやすい靴を選ぶならヒールカウンターを確認する

ヒールカウンターがない靴もありますが、脱着性や見た目に良くてもヒールカウンターがないと足の機能をサポートしてくれませんので長時間の歩行には不向きです。

したがって歩きやすい靴を選ぶなら、店先でつま先だけをサッと入れて、踵のおさまりを確認せず購入することは避け、ヒールカウンターがしっかりしているか、ヒールカップが自身の踵のカーブに合っているか、可能なら履いて店内を歩き確認します。

是非、良い靴=歩きやすい靴と考えればヒールカウンターをポイントに靴選びをしてみて下さい。

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