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【物語の現場005】栄と新十郎が避けた江戸城の北東エリア(写真)

「融女寛好」の第十七章で、お栄さんが、神田駿河台の姉弟子の屋敷から阿部家上屋敷(東京駅丸の内口の新丸ビル辺り)に向かいます。
 その際、神田橋御門を通る経路を避け、遠回りを承知で呉服橋御門の側に回ります。なぜなら、神田橋御門の先は、御三卿の一橋家(時の将軍・徳川家斉の実家)や譜代大名筆頭・酒井家などの屋敷が並ぶ、超セレブ地区だったからです。

 写真の左手前に一橋家、その奥に酒井家の屋敷があったと思われます。正面のお堀の奥の広場の辺りは、名君・保科正之(三代将軍家光の異母弟)を祖とする会津藩松平家です。備中守の阿部家も三河以来の名門ですが、上には上があるものです。

 ちなみに、この写真は、今上陛下ご即位に際し行われた大嘗祭の後の大嘗宮一般参観の帰り、皇居の平川門から東京駅に向かう途中で撮りました(東京都千代田区、2019.12.7撮影)。

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