ベトナムの子どもに絵を描いてもらいました
カンボジアにそこそこ近くてそこそこ大きい都市、ロンスエン。メコン川の支流の川沿いには開発途中のリゾート地と、小洒落たカフェ。そしてお父さんが4人の子どもを連れて遊ばせるにはぴったりの公園がありました。
お兄ちゃんや姉ちゃんの真似っこしたいんだなあ〜という感じで二人の後を追うようにしていたティム。子どもの表現を尊重したいのでお絵描き中の声掛けには細心の注意を払っていますが、ベトナムの子たちには日本語はおろか英語も全く通じなかったのである意味有り難かったです。
初めは色鉛筆を使って女の子の姿を服のデザインから目の色や髪の毛の毛並みまで細部にこだわって描いていたミアでしたが、色を塗りつぶすのに選んだのは極太の筆。もちろんさっきまで描いていた女の子たちは綺麗に上塗りされ、全くと言って良いほど見えなくなってしまいました。上品に豪快さを上乗せした料理、「甘鯛のムニエル〜ニンニク野菜マシマシ〜」みたいな作品です。
つい数年前にX線によって発見された上塗りが剥がされたフェルメールの絵のように、彼女の初めに描いたところも何年後かに明らかになったりして。
僕が準備をしている間に絵の具に狙いを定めていたメイ。しかし、彼女はその扱い方を知らず、まだ何もついてないまっさらな筆を画用紙に走らせていました。僕が別の紙に描いて見せると、言葉を発さずとも「わあ〜!」という言葉が聞こえてくるような明るい表情。なんだか、この表情を見られただけでここにくる価値があったように感じました。
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