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アカデミー賞授賞式でのウィル・スミスの平手打ちの件

例えばジョークを言った奴がクリスロックではなくてザ・ロック(ドウェイン・ジョンソン)でも同様に平手打ちしただろうか。

アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスがステージ上でコメディアンのクリス・ロックさんを平手打ちする騒ぎがあった。賞のプレゼンターを務めていたクリスロックがウィルスミスの妻の容姿にふれる発言をすると、ウィルスミスは突然ステージに上がり、クリスロックに強烈な平手打ちをした。
ウィルスミスの妻は脱毛症と闘っていることを公表していたということでそれをクリスロックがネタにしたことが事の発端である。

ネットではウィルスミスを擁護する意見が目立つ。「嫁を愛している証だ。」「嫁を守る立派な旦那だ。」「キレるのはわかるし殴るのが正義ってこともこの世にはある」「ウィルスミスの行動は男前だしカッコいい。」「妻への愛を感じる。」「自分も同じ事をしていただろう。」

私がこれらの擁護派の意見に違和感を持つのが、冒頭でも述べたようにウィル・スミスは自分よりも体格が大きく屈強な奴相手でもビンタしに行っただろうか、クリスロックが自分より小さいから躊躇なくビンタしに行けたのではないかと思うからである。
暴力は常に自分よりパワーバランスが下の者に向けて発動する。

この件とは異なるが、街で泥酔して暴れるオッサンはそれを酒のせいにして「あの時は理性が無くなっていた、何も覚えてない」と主張するが、泥酔している最中でも決して自分より強そうな奴には絡みに行かないものだ。

自分だったらどうしただろうか。私がウィルスミスだったら妻を連れてすぐさまその場を立ち去るだろう。その後自分の授賞スピーチが予定されていたとしても出席を拒否し、二度とアカデミー賞授賞式には出席しないと声明を出すかもしれない。クリスロックは元々からブラックジョークをよく言うコメディアンだという事は有名である。その彼を雇った授賞式の運営側にも責任がある。傷付けられた妻はその場にはいたくないだろうし、妻からしたら、早くその場を離れたいと思っていたら夫が暴れだしたなんて状況は最悪ではないだろうか。ビンタしてくれてスッキリしたと思ってもらえる可能性もあるが一発叩いたくらいで心の傷が癒えるとも思えないし夫の自己満足にしかならないのではないだろうか。

やはり本件はまったく勇気ある行動では無いし、
そこに男気や愛もない、あるのは自分の物(嫁)を馬鹿にされた男が自分より弱い者に平手打ちする傲慢さだけであったと私は思う。


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