折星 かおり

会社員。読むことはもちろん、書くことが好きです。noteはエッセイがメイン。 │アイコ…

折星 かおり

会社員。読むことはもちろん、書くことが好きです。noteはエッセイがメイン。 │アイコンはモリコハルさん(@morikoharu)が描いてくださいました!│「感想文の日」は一時休止中です。

マガジン

  • *まとめ*感想文の日

    毎週土曜日の「感想文の日」。これまでのご紹介記事をまとめています。感想文を書かせていただける方も、引き続き募集しています!

最近の記事

『水曜日のトリップランチ』【わたしの本棚⑨】

今までに食べたものの中で、一番おいしかったものは何だろう。一日に三食食べるとすると、一年間に私たちが繰り返す食事は1000回以上。さらに年齢をかけると、途方もない数になる。その中からたったひとつを選ぶことは、到底出来そうにない。 それでも、その中から「おいしい記憶」を掘り起こす。地元のお祭りで、仲良しのあの子と一緒に、浴衣の袖を気にしながら食べた焼きそば。久しぶりに会った憧れの人たちと囲んだしゃぶしゃぶ。それから、尊敬する人が教えてくれた、あの頃の私にはまだちょっぴり苦かっ

    • 25%はわたしの未来

      ふと気づくと、新卒で今の会社に入って4年目になっていた。すべてが新しいことばかりだった1年目、自分の未熟さに何度も泣いた2年目、流行り病に翻弄された3年目。4年目になったいま、少し落ち着いて働けるようになったとは思うけれど、触れるとひやりとする気持ちはいつまでも心の奥底に居座っている。 「ここ」じゃないところで、働きたい。 今の職場に不満があるわけでも、悩みがあるわけでもない。それでも、どうしても「ここ」でやっていく、と決められない自分がいる。じっと今の仕事を見つめてみて

      • オセアノ号、海へ!【わたしの本棚⑧】

        物語を読み進めるため、ページの角にそっと指を掛ける。かすかな音をたてて、はらり、と世界が動く。初めてそのときめきを知ったのは、いつだっただろう。 こどもの頃には、くるくると場面が移り変わる、かわいらしい絵本に。中学生の頃には、小学生の頃よりも少しだけ文字が小さくなった、瑞々しい気持ちが綴られた単行本に。大人になった今は、電車のシートに座って読む、窓から入る光を眩しく反射する文庫本に。歳をとるにつれて「読むもの」が変わっても、「ページをめくる幸せ」は、いつでも私の心を満たして

        • そっと支える【感想文の日 59】

          こんばんは。折星かおりです。 第59回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのは雅樹(かつお)さんです。 雅樹さんはこれまで9回にわたって、「推し記事」を募り、おすすめ・サポートをする「サポート企画」を開催されています。私も以前取り上げていただいたことがあったのですが、今回改めて記事を拝読し、企画のパワフルさに圧倒されました。そのほか、現在お住まいの地域での取り組みやお好きだというビールのお話など、記事の内容はとっても彩り豊か。一週間、楽しく拝読いたしました。改めて、ご

        『水曜日のトリップランチ』【わたしの本棚⑨】

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        • *まとめ*感想文の日
          63本

        記事

          ささやくように【感想文の日 58】

          こんばんは。折星かおりです。 第58回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのは、もえさんです。 お気に入りの音楽や日常を彩るアイテム、ふと思い出した記憶などを、そっとささやくような優しい言葉で綴っていらっしゃるもえさん。静かで、それでいてきらきらと光る言葉がとても可愛らしくて、いつも楽しみに読ませていただいています。今回「感想文の日」にご応募くださり、本当に嬉しかったです。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹介いたします。 ■考える人たち

          ささやくように【感想文の日 58】

          感想文の日、ひと休みします!

          こんばんは。折星かおりです。 週に一度書き手のかたとその作品をご紹介している「感想文の日」について、7/19をもって一旦受付をお休みさせていただきます。 昨年の6月に始めて、これまでに56名のかたの作品を読ませていただきました。約一週間かけてひとりの書き手のかたの作品をじっくりと味わうひとときは、私にとってとても幸せな時間でした。「感想文の日」をきっかけに新たなご縁があったり、私の記事も遡っていただいたり。温かいお返しの記事やお便りに背中を押され、一年以上「感想文の日」を

          感想文の日、ひと休みします!

          ページをめくる【感想文の日 57】

          こんばんは。折星かおりです。 第57回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはtsushiomaru / 観る絵本さんです。 tsushiomaruさんが作られているのは「観る絵本」。「寝る前にスマホでYouTubeをつけて読書をするような感覚で見てもらえたら」という言葉のとおり、ページをめくるようなゆったりとしたスピードで、物語が動画で紡がれてゆきます。脚本・イラスト・音楽(一部楽曲を除く)・動画編集、すべてをおひとりで作られたtsushiomaruさんの「やりたい

          ページをめくる【感想文の日 57】

          やさしさで包んで【感想文の日56】

          こんばんは。折星かおりです。 第56回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはしんきろうさんです。 エッセイや小説を中心に、詩や短歌など幅広いジャンルの創作をされているしんきろうさん。優しく丁寧な文章がとても心地よく、まるで毛布にふわりと包まれたよう。プロフィール欄に「しぶとく楽しんで創作していけたらなと思っています」と書かれていますが、ご自身の思いを大切にしながら挑戦を重ねられている姿がとても眩しいです。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹

          やさしさで包んで【感想文の日56】

          光を秘めて【感想文の日55】

          こんばんは。折星かおりです。 第55回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはあまやりんさんです。 社会人2年目のあまやりんさんは昨年5月にnoteを始め、エッセイを中心に文章を書かれています。フレッシュな視点で考えた「はたらく」ということについてのお話や、一生懸命に取り組んだ野球についてのお話など、こちらの背筋も伸びるような凛とした文章が印象的。一週間、きらりと光る言葉たちに心を掴まれながら拝読しました。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹

          光を秘めて【感想文の日55】

          星をかぞえる【感想文の日 54】

          こんばんは。折星かおりです。 第54回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはカナヅチ猫さんです。 ショートショートや小説を中心に、時にはご自身の思いなどを雑記として綴っていらっしゃるカナヅチ猫さん。お話はどれも艶やかで、カナヅチ猫さんが大学時代に学ばれていた数学のエッセンスが美しく混ざり合う作品も。雑記に時折滲む「書く」ことへの思いにも頷きながら、一週間、作品をじっくり拝読いたしました。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹介いたします。

          星をかぞえる【感想文の日 54】

          夢はかろやかに【感想文の日 53】

          こんばんは。折星かおりです。 第53回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのは穂音さんです。 プロフィールで愛犬のパピヨンを「創作のヴィーナス」と紹介されている穂音さん。犬の登場する本を紹介するマガジン『尾も白い犬のはなし』では、犬の可愛さや愛おしさを軽やかに、時に熱く綴っていらっしゃいます。小説も書かれるのですが、こちらは読んでいるうちにその世界にぐるりと引き込まれてしまいそうな雰囲気が魅力的。一週間、とても楽しく拝読しました。改めて、ご応募くださりありがとうござい

          夢はかろやかに【感想文の日 53】

          感想文の日、ご応募受付中です!

          毎週土曜日の「感想文の日」について、6月下旬からの枠に空きがございます。改めて、募集のご案内です! 「感想文の日」とは……? 毎週土曜日に折星が作品の感想文を書き、書き手のかたをおひとりずつご紹介させていただく、というものです。作品は小説、エッセイ、詩など文章であれば何でも大丈夫!1年前からひっそりと始め、これまでに52名のかたをご紹介させていただいています。 ご応募いただいたくと、約1週間かけて時間の許す限り過去の作品を拝読し、その中から3作品をピックアップ、感想や紹

          感想文の日、ご応募受付中です!

          ゆめを描く【感想文の日 52】

          こんばんは。折星かおりです。 第52回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはまつおさんです。 まつおさんはnoteでの詩作を通して、画家・ゆめのさんを応援されています。先月はコンテスト企画『私が見たゆめのせかい』を開催。そのほか、ゆめのさんの作品とnoteの書き手の方をイメージした詩を贈る『noteへの感謝を込めて』という取り組みもされています。一週間まつおさんの作品を拝読し、美しい絵と言葉で満ちた世界をたっぷり味わわせていただきました。改めて、ご応募くださりありが

          ゆめを描く【感想文の日 52】

          香る贈りもの【感想文の日 51】

          こんばんは。折星かおりです。 第51回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのは茉叶☆Makanaさんです。 ハワイ語で「贈りもの」という意味のお名前を持つ茉叶さんは、香りクリエイターとして『あなたのための世界にひとつだけの香り』を作られています。noteの記事も、香りの働きやヒーリングに関わるものが中心。時折ちらりと見える娘さんとの生活もほほえましく、一週間たっぷり記事を読ませていただきました。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹介いたします

          香る贈りもの【感想文の日 51】

          おめでとう、わたし

          1年前の今日、まだ梅雨入りしていない空はぱきっと晴れていた。窓から入ってくる風は心地よい涼しさで、レースのカーテンはそよそよ靡いていて。それなのに、私は部屋の隅でぽろぽろ泣いていた。うずくまって熱い熱いかたまりになって、ある会社のホームページが表示されたスマホを手に握ったまま。 「選考を通過した方にはご連絡しました」 何度メールボックスを更新しても、新着メールは0件。2回手を伸ばしても、憧れの会社に私の手は届かなかった。 * ここに文章を書き始めてから、今日でちょうど

          おめでとう、わたし

          日々の中にあるもの【感想文の日㊿】

          こんばんは。折星かおりです。 第50回感想文の日、今夜感想を書かせてくださったのはちんたらとろこさんです。 「日々感じたことを気ままに記しています」というプロフィールの言葉のとおり、ふと考えたことや身近なひとの言葉などを綴っていらっしゃるちんたらとろこさん。日々の中にある小さな驚きやときめきに、時に分かるなぁと頷いたり、時に未知の世界を想像したり。一週間、楽しく記事を読ませていただきました。改めて、ご応募くださりありがとうございます! それでは、ご紹介いたします。 ■

          日々の中にあるもの【感想文の日㊿】