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愛すべき6歳男子(夫)の話

夫が40歳になりました。
私たちは学年でいうと4歳差の夫婦。そんな夫を私は6歳児だと思って生活しています。発端は、数秘術で1の数字の人は永遠の6歳児だと書かれていたこと。そのネーミングの可愛さとは裏腹に、見た目はおっさんな夫のミスマッチさがとても気に入りました。
夫はお金を稼いでくれるスーパー6歳児。家事もしてくれますが片付けは全て私です。料理の後のぐちゃぐちゃは目も当てられません。買い物したらなぜかお菓子もついてきます。まぁでも、お陰で6歳男子とのふたり暮らしは大変面白く楽しいのです。今回はそんな夫の好きなところの話を。


男の子は純度高めの可愛さがある

「女の子の可愛さと男の子の可愛さは違う」
これは子育てをしている友人や母から聞いた言葉です。「ふーん」ぐらいにしか思わなかったけど、女の嫌なところを集めたような私が「ほんまそれ!」と思うのに時間はかかりませんでした。

私は5歳の頃から生意気で「ダイエットせな」と言うような娘でした。吐いたり漏らしてしまう子供を見て「私はせんとこ」と思っている娘です。36歳の自分が振り返っても可愛さのかけらも感じません。ダイエット宣言は親に叱られ「何言うてんねん、さっさと食べろ」と言われていました。
一方、夫は40歳の今も可愛げがあります。私の親のために一生懸命ローストビーフを作ってくれます。親が美味しいと食べているだけでとても喜びます。(片付けは私ですが)「もっと上手くなりたい。美味しいものを食べさせてあげたい」そう言って私の母のハートを鷲掴みにしています。ご想像の通り、マダムの顧客様は多いです。
曇りのない純度100の優しさで彼ら男子はあらゆるものに挑みます。確かにこれが男の子なら、女の子の可愛さとは違うかも…と思ったきっかけです。

手作り料理を美味しいと一心不乱に食べる

今はほぼ専業主婦になっているので、いつも以上に料理に凝るようになりました。凝ると言っても、インスタで見た簡単で美味しそうなレシピを作るだけですが。たまにパンも作って、夫が休日の朝は二人で焼きたてパンも食べています。

「かおりのパン美味しい!」「かおりのお肉も美味しい!!」そう言ってご飯をおかわりして食べてくれます。喜んでくれたら作った甲斐もあります。でも夫は食べている時に、テーブルや服の上、足元までなぜか食材をボロボロと落とす癖があります。不思議ですが、いただきますの次にはマヨネーズがテーブルについています。我が家にはティッシュが必要不可欠です。
そんな夫がパン屑をこぼさずに、お皿を左手にそえながらパンを食べていた時がありました。「さすがやん、こぼさずにパン食べてるやん」と珍しかったので6歳男子を褒めまくりました。すると彼は「やったー!セーフ」と言って、両手を外に振りセーフのポーズをしました。遠心力でパン屑が飛び散りました。パンを食べるだけでも面白エピソードはできるんですね。結婚してから知りました。

好きなことに一点集中

「クラスに一人、虫が好きな虫博士っておったやろ?あれ俺」
…確かにいたなぁ。休み時間になってもみんなと遊ばずにずっと虫を見ていたやつ。まさか自分が虫博士と結婚するなんて…。夫は生物の授業が一番好きな人です。理科ではありません。天体や物理は好きではないからです。生物と図工が好きな少年は、今では植物やバイクなどひとり遊びが大好きなおっさんになりました。(ベランダでクワガタを見つけた時は大喜びしていました。)

我々は大人二人家族なので、夫に趣味があることはいいことだと思っています。お互いに好きなことをして過ごせているし、それぞれに友人もでき充実するからです。夜ご飯に再集合し、その日あったことを共有します。友人の夫は「○○(友人)が趣味」と言っているようで、それを聞いた時に「それだけはまじ勘弁」と思っていたので、今の暮らしは心地よいです。

しかし、うちの男子は一点集中モードがすぎるのでご飯を食べている時からモゾモゾし出します。植物を見たくてしょうがなく何度も立ちます。バイクの点検の途中をしたくてそのことばかり話題にします。ご飯を食べるや否や、自室に籠り植物を愛でます。
そんなに好きなことがあっていいなぁとも思うし、もっと落ち着いてご飯を食べたらいいのになぁとも思います。自分とは全然違うので、それもまぁ面白いです。

夏休みの宿題をしなかった小学生時代

私は生粋の真面目なので宿題を必ずしていました。真面目なのに頭はさほど良くないタイプです。でも夫は私のさらに上をいく頭の悪い人です。(言い方)
「夏休みの宿題ってせんかったら、黒板に名前書かれるんやで」驚きました。私は黒板に名前を書かれる恥をかくぐらいなら、いっそのこと学校を休みたいと思うような娘でした。しかし夫は自分の名前を見ながら「自分の名前のとこ消えへんかなぁ」と思っていたそうです。さらに驚いたことに、夏休みの宿題はほぼしていなかったという暴挙。補足したいことは、夫は不良でも天才でもなく、ただの劣等生だと言うこと。「6年間ずっとしてなかったわけじゃないで」と意味のわからないプライドもお持ちで、とんでもないやつと結婚したんだなと最近知りました。

私の両親は厳しく夏休みの午前中は勉強の時間でした。土日は親の買い物や手伝いをしており、宿題をしない選択は存在しませんでした。公立の小学校でしたが、クラスの1/3が私立中学に行くというエリート校と言うこともあり、宿題をしない人がほぼ存在していませんでした。なので「夏休みの宿題せんくても、人って健やかに生きれるんやなぁ」と夫を見て思いました。もはや観察です。夫はサラリーマン社会を生きているスーパー6歳児で、会社では働き者と評価されています。でもね、夏休みの宿題してない人よって妻は心の中で笑っています。

夫に夏休み宿題せずに何をしていたのか聞くと、アニメを観るために毎日とても忙しかったと言っていました。私は午前中のアニメは観たことが無いので、どんなアニメが好きだったのかも聞きました。「ドラゴンボールとおぼっちゃまくんかな」ドラゴンボールを観たことがない私は、おぼっちゃまくんも36歳になって知りました。「ともだちんこって友達と会ったらするねんで」耳を疑いました。

日本には私の知らないことがまだまだたくさんあります。愛すべき我が家の6歳男子との暮らしは、そんな発見ばかりでとても楽しいです。タイムマシーンができたら少年時代の夫に会いに行こうと思います。

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