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アドバイスに使ってみたい漫画の名言⑬ ~『柔道部物語』~

父親がふざけて命名した姓が三五、名前が十五という主人公が
高校から柔道を始め、個性ある部員とともに
おかしくも真剣に日本一を目指して成長していく漫画です。

その柔道部の監督である五十嵐先生は現役時代、
オリンピック代表候補の本命であったほどの選手で、
その先生が部員たちを鍛えるために
乱取り(技を自由にかけあう練習)をしたときの名言です。

五十嵐先生に対して手も足も出なかった部員が

部員「腹筋もできないくらい なまってたんじゃなかったんですか…」

と質問したことに対して次のように返答しました。

先生「そりゃ、とっくになまっとるわい 
   ただ腹筋だの腕立てだのは現役の頃から得意じゃなかったけどな」

部員「そ…、それじゃなにが得意だったんですか…ゼェゼェ」

先生「柔道が得意だったんだ

このセリフを読んだとき、私はガツンと頭を叩かれました。
腹筋が得意、腕立てが得意、背負い投げが得意、寝技が得意などではなく

柔道が得意

これこそ、本質的な考え方なのではないかと思いました。

腕立てができなくても柔道は勝てるという確固たる根拠がなければ、
なかなかいえないセリフです。

ただ漫然と練習メニューをこなすのではなく、
相手に勝つという目的を達成するために、
必要な知識や自分の特性に合った技術の習得し、
勝つための方法や戦略を模索して、
それを結果につなげることができたから、いえるのではないでしょうか?

そこで私は、指導していたソフトテニス部において
ランニングが得意、素振りが得意、
ボレーが得意、シュートボール(速球)が得意などではなく、

ソフトテニスが得意である

と考えられるような選手を育てることが重要であると思いました。

ボレーが得意な選手が試合中、
そのボレーを封じられてしまうと慌ててしまいますが、
ソフトテニスが得意な選手は、
ボレーができなければ別の手段をすぐに選択することができるはずです。

ボレーが得意という意味も

ボレー練習が得意になりたいのか

試合でボレーができる状態を増やすことが得意になりたいのか

では全く違ってきますので、
その意識に伴い、練習に対する姿勢も変わってきます。

逆にボレーが苦手であっても、ソフトテニスが得意であれば、
ボレー以外で勝負できる方法を考えるはずです。

どんな方法、どんな過程でもいいから、
相手より1ポイントでも多く獲得できれば、
それは

ソフトテニスが得意であるからだ

と考えるように伝えました。

すると徐々に数名の部員が、
今までの定型的だったプレースタイルが柔軟になったり、
新しい技を自分で考えて試合に取り組むようになったりしました。
漫画のようにうまく結果にはつながりませんでしたが、
生徒1人ひとりが自分の力を得意な状態で発揮できる場面が増えたので、
今でも良かったと思っています。

学習面においても

計算が得意 よりも 数学が得意
漢字が得意 よりも 国語が得意
単語を覚えるのが得意 よりも 英語が得意

といえる生徒を増やすことができれば、

教育が得意

といえるでしょう。

私に当てはまるかというと、なかなか道は遠そうです。


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