見出し画像

教室の エアコン と 学習

数年前から私が住んでいる市では、
夏の気温上昇による生徒の健康被害(熱中症など)を防ぎ、
快適に学習に取り組めるようにするため、
各教室にエアコンが配備されるようになりました。

暑がりで、寒がりな私にとっても大歓迎の施策で、
生徒たちとも利害が一致し、ガンガン、エアコンを使用しました。

私も生徒も、暑さと湿気が気にならなくなったため、
エアコン設置前とくらべて
格段に集中して授業に取り組めるようになりました。

エアコンによって学習環境は快適になりましたが、
さらに私は、

学習内容の定着を促進するという明確な意図をもって

教室のエアコンを使用しました。

脳科学者、池谷裕二氏の
著書『受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-』によると

人間を含む動物は寒くなると脳が危機感を感じるため、
通常より記憶力が向上し、学習効率が高まるようです。

私はこのエビデンスを生徒に説明した上で、
あえて少し低めの温度に設定し、授業を行いました。

もちろん、寒くなりすぎて風邪をひいてしまったら本末転倒のため、
温度調節には気を配りながら授業を行いました。

快適に学習でき、さらに学習の効果がアップするのであれば、
エアコン使用のメリットはかなり大きいと考えられます。

しかし、一方で先生方の中には、

「昔はエアコンがなくてもがんばって勉強してきたんだから、
 つけなくても大丈夫!」
「生徒を甘やかしてはいけない。我慢も必要!」
「暑さの中でも集中できることが重要!」
「精神が鍛えられる」

など、
今まで積み重ねてきた
自身の学習法に対する強いこだわりをもっているためなのか、
どうなのかはわかりませんが、
なぜか、頑なにエアコンを使用しない方もおられました。

一応、その先生方に対して、精神論ではなくエビデンスの観点から
エアコンの有用性を説明しましたが、あまり効果はありませんでした。

エアコンの使用が学校全体の方針にならなかったのは残念でしたが、
私は学力向上のためにもエアコンを使用するべきだと考えていたため、
生徒たちとも良好な関係を築くきっかけともなり、
マイナスの要素がほとんどなく、かなり有用に活用できました。

ただ、
エアコンを使用しない先生方に対して生徒たちの不満が高まるのは必然で、そのフォローに追われて大変だったのと、
エアコンを使用しない先生方からの批判的な意見にも
対応しなければならなかったので、
夏休みまでの数週間は別の意味で冷や冷やすることになりました。

昔は学校どころか、家にも
エアコンがなかったので暑さに慣れるしかありませんでしたが、
もし当時エアコンがあったら、
私は躊躇なくリモコンのボタンを押すだろうと確信しています。

結論として、

・学習環境を快適にし、生徒が集中して取り組むことができる
・記憶力が向上し、学習効率が高まる

ことが期待できるため、エアコンの使用をおススメいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?