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人工知能と別の世界で生きられる唯一の方法

一点一点思いを込め 時間を掛け 仕上げている
絵画教室の生徒さんの作品です。
たくさんの方々に紹介したい思いで講評し発表させて頂いています。
今後共よろしくお願い申し上げます。   絵画講師 若林 薫


移り行く時を見つめる  F20(72.7×60.6)㎝  アクリル画  YKさん


過去を振り返る様にひまわりの花をみつめる 
ひとりの男性が描かれています。

その花の双葉は日に日に成長し強い夏の陽射しを受けて
背丈は2メートルを超え 
茎の先には大きくきれいな花を咲かせています。
青々と葉も茂りたくさんの虫達を頭上に集め
蜜と花粉のやりとりは多くの種を実らせて
次の世代へと命をつないでゆきます。

作者も又同じなのかも知れません。
この世に生を受け学業に仕事に精を出し家庭の構築に努め
そして趣味にも力を注ぎ 
更には社会への貢献を成し
人々の役に立ち今日を迎えているのだと思います。

80年ほど前の日本の貧しさも知り
次に訪れる高度成長期も経験しました。
経済は豊かになり 文明は進歩し
車や通信も目覚まししく発展してきました。
日常生活に溶け込んでいるテレビも作者がはじめてであったのは
小学校4年生の頃だと思います。
テレビはまたたくまに全国に広がりました。
そして 又 日本全国の町や村に公衆電話が設置され
通信網も整備されました。
一般家庭の設置電話はやがて携帯電話に移行し
スマホやパソコンは事務作業を一変させ
ペーパーレスが叫ばれる時代も見てきました。
そして現在AIの出現は人間の能力をはるかにしのぎ
その知能がロボットに搭載され 
あらゆる産業で彼らの力が発揮されています。
膨大な情報を集積し記憶させ瞬時に回答を導き出す道具としては
最も優れた道具なのかもしれません。

しかし人間は記憶の中だけで生きている訳ではありません。
その日、その時、その場所で、瞬時に意識を変化させ
新しい創造の扉を開く事が出来るのです。
今、人間に残されているのはイレギュラーな発想なのです。
AIがはじき出す理詰めの正しい答えからは
新しいものは生まれにくいのです。
AIが予想だにしない手の届かない不規則な発想で
自由な絵を描いていく事が
人工知能と別の世界で生きられる唯一の方法なのかもしれません。
                   絵画講師 若林薫 評






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