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おいしい味噌汁はどこにありますか?

今日11月29日『私のおいしい味噌汁』が発売になります。日本人のソウル・スープと呼べる味噌汁の本です。

私の味噌汁の話をしながら「あなたのおいしい味噌汁」を作ってもらえるように工夫しました。

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あなたにとっての「味噌汁」ってどんな存在ですか?

私の場合、一日の仕事を終えた後で(もちろんごはん作りもして)食卓につき、湯気の立つ熱々の味噌汁をすする瞬間。長い溜息が自然に出て体の力が抜けていき、今日も一日頑張ったな、なんとか生きられた!と感じます。
でも、思えば外食の味噌汁でこういう体験をしたことはほとんどありません。

もちろんスープ作家という職業柄、味噌汁の専門店やおいしい料理店で味噌汁をいただくことはあります。だしにも味噌にもこだわりがある味噌汁は確かにとてもおいしいのですが、では家で食べるときのように体と心全体がゆるむような体験かといえば、なかなかそうはならないのです。
温泉旅館の朝ごはんの味噌汁でさえ(あれも極めて素晴らしいものですが)、少なくとも私にとっては家以上のくつろぎを与えてくれるものではないような気がします。

いつものだし、いつもの味噌、同じような具材で、ほっとする一杯。日本人なら味噌汁を知らない人はまずいませんが、それだけポピュラーでありながらも、誰も人の家の味噌汁を知りません。極めてパーソナルな料理であるというのが味噌汁の大きな特徴です。どの家庭にもそれぞれの味噌汁があり、正解がないのです。
味噌汁はうまく作るよりも「あなたの味噌汁」を作ってもらうことが重要で、それには「私の味噌汁」の話をするしかありませんでした。

結婚してから30年。わが家で味噌汁が出てくるのは夕食です。カレーやお好み焼きみたいな一皿メニューでない限り、ごはんと味噌汁、それにおかずが2品か3品。それがわが家の基本スタイル。

豆腐とわかめ

出汁は煮干しか、それに昆布を足したもの。だしパックや顆粒だしを使うこともあります。(正直、なんでもいいと思っています)

昆布と煮干し。煮干しは大きかったので頭と腹をとってさいていますが、普通サイズのなら頭つきで入れても問題なし。

スープ作家になっていろいろな味噌を使うようになりました。でも、家の味噌汁に使うメインの味噌はひとつと決めています。白味噌や赤だしの味噌は、いつもの味噌に少し混ぜてうちの味にします。

もらった味噌やあまり使わない味噌もこうしておくと使い切れる

毎日味噌汁を作るわが家には、豆腐とわかめと油揚げのいずれかが常備されていて、具を何にしようか考えるなんてことはありません。残った野菜や食材など、なんでもかんでも入れてしまいます。

大根とごぼう
油なすとしょうが
にらとコーン
豆腐でかきたま

なめこ汁のように味噌汁のための具材をわざわざ用意するのは私にとっては「ちゃんとした味噌汁」って感じです。

なめこと豆腐。

前の日の残り物を入れたりも。

天ぷらの残り

本当に何もないときは乾物に頼ったり、ねぎだけみたいなこともあります。

あおさと青ねぎ

結婚して30年間、記録を始めてからも10年ぐらい経つのでレパートリーはもう本当にたくさんあるのですが、それはレシピというよりも、ただその日たまたま家にあるものを入れていた、という感覚に近いかもしれません。

『わたしのおいしい味噌汁』ではこうして私が日常の中で作ってきた味噌汁の中から、みなさんの役立ちそうな味噌汁をレシピ化し、そこに私自身のエピソードや裏ワザなどを綴ったエッセイを合わせてお届けします。
味噌マップや日本ご当地味噌汁、味噌汁の組み合わせアイデア100など、コラムも充実しています。(今日このnoteで出した味噌汁はふたつか3つしか入ってないかも)

だしも、味噌も、具材も、それぞれの家庭のキッチンに合わせたものが一番だと思っています。この本をヒントに、ぜひ自分の最高においしい味噌汁をみつけてください。そして、私と一緒に味噌汁の話をしましょう。

編集者が味噌汁バッジを手作りしてくれました(本のおまけではありません)


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。