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サンドイッチ考

休日なので、スープじゃなくてサンドイッチの話など。

連休は息子が帰省していた。息子は息子で勝手に友達と出かけたりしていたが、きのうは朝から予定がなく、帰ろうかどうしようかと迷っていた。大人三人の家族がすることってないものだ。そこで私が、ピクニックをしよう、いや、正確に言うとサンドイッチを最高のシチュエーションで食べようという提案をした。

近所においしいパン屋があって、午前中のうちにパリパリのバゲットが焼きあがっている。そこへパンを買いに行く。

家に戻ってゆでたまごを作り、レタスとトマトとキュウリは洗って水を切って保存容器へ。あとは、バターとマスタードとマヨネーズだ。保冷剤と一緒に保冷バッグにしまう。
パンとパン切りナイフとカッティングボードもバッグに放り込んだら準備完了。自転車に乗って出発した。

向かうは川べりの公園だが、その前に近所のスーパーに寄って、量り売りのハムを買う。自転車が趣味の夫と息子はおしゃれなロードバイク、私は黄色いママチャリ。たいした距離じゃないからそれで十分。日差しがまぶしく、空気はからりと気持ちよい。

公園に着いたのは午後1時を回っていて、木陰にぎっしり小さなテントが並んでいた。キャンプってわけじゃなくても最近はみんなテントを張るんだなと思いつつ、ちょっと空いていたスペースにシートをさっと敷いてトレイとカッティングボードを囲んで座ると、もう食卓の完成だ。

バゲットに切れ込みを入れたのを夫と息子に手渡し、バターとマスタード、マヨネーズを塗るよう指示しつつ、野菜とゆで卵をカットする。レタスを敷いて、ハム(たくさん)、トマト、キュウリ、チーズ、それからゆで卵のスライスと重ねていく。トマトやキュウリの切り口がみずみずしい。チーズが上か、トマトやキュウリが上かとしばし3人で話をしながら、適当な順番ではさむ。
具があふれそうになるのを両手でぎゅっと押さえて頬張るサンドイッチは、多分このゴールデンウィークの間に食べた何よりおいしかった。ジンジャーエールがよく冷えていたのももちろんポイントに加算された。

サンドイッチは具やパンがどれぐらい高級かよりも、どんな情景で食べるかがとても大事な食べ物のひとつではないだろうか。自転車・木漏れ日・サンドイッチという3点セットはサンドイッチのひとつの正解。

ラジコンを操作するお父さんと小さな子、サッカーの上手な小学生、おしゃべりに興じるママたちのグループ。満腹になって、平和な風景をしばらく眺めて、それから片付けて家に帰った。

結局息子はもう一晩泊まり、朝のうちに仕事場のある自宅へ戻った。夫は休日出勤。私はシーツを洗濯したり窓ガラスを磨いたりしているうちに昼になったので、昨日の残りのパンとハム、それに目玉焼きをはさんだサンドイッチを簡単に作って食べている。ピカピカの窓・ひとり・サンドイッチ。こちらもまた楽しいサンドイッチの3点セット。開けた窓から風が入ってくる。

みなさんは、どんな休日を過ごしましたか?


読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。