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心理学・脳科学の実験や知見をご紹介

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使える心理学・脳科学の知識を集めました。
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#脳

手本を示そう!

一言でいうと人は集団になると無責任 活用シーンマネジメント・リーダーシップ・傍観効果 内容1970年、心理学者ビブ・ラテインとジョン・ダーリイは、人前で鉛筆や効果を落とすという実験をした。 この実験を六千回繰り返したところ、拾うのを手伝ってもらえたのは、複数の人がその場にいるときは20%、一人しかいないときは40%だった。 彼らはさらに切迫した状況で実験を行った。 被験者にアンケート用紙の記入を依頼する。その際に、壁の通気口から煙が噴き出し、部屋中に充満し始める。 被

人は手のかからないものを好きになる

一言でいうと好き、嫌いというのは意外とあいまい 活用シーン脳の癖を知る・マーケティング 内容1990年ヴァージニア大学のティム・ウィルソンによる研究。 被験者である学生グループを集め、数名のポスターを見せた。 「どれでも好きな一枚をあげるから、選んで持ったかえって良い」と彼らに伝えた。(これをAグループとする) 次に別のグループを部屋に入れ、同じことを言った。ただし、こんどはなぜそのポスターを選んだかの説明を求めた。(これをBグループとする) 6か月後彼らに自分が選ん

この問題、正解できなくても恥ではありません。

一言でいうと直感は時として恥ずかしい失敗を招く 活用シーン答えを出す前に確認を 内容シェーン・フレデリックとダニエル・カーネマンの研究 まずは皆さんも、以下の質問に”素早く”答えてください。 バットとボールは合わせて1ドル10セントです。 バットはボールより1ドル高いです。 ではボールはいくらでしょう? ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、プリンストン大学の学生の50%以上が、間違えた答えを出した。 多くの人は自信過剰に陥っている。 (この問題の答えは、下のほ

難問を前にすると身体は動かなくなる

一言でいうと歩きながら難しいことは考えられない 活用シーン脳の活用・交通安全 内容歩きながら考え事をする人は多い。 しかし、「23×78」を歩く人にすぐに暗算でやってほしいと頼んでみる。すると、その人は無意識にその場に立ち止まってしまう。 歩くスピードが速くなると、思考能力は明らかに低下する。 『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』 ダニエル・カーネマン (著), 今回も実験で証明された事実というより、心理学者がその知見を分かりやすく紹介し

モテたければ瞳孔を開け!?

一言でいうと 同じ人の写真の内、同行が開いている写真は瞳孔が開いていた 活用シーン モテ、心を読む 内容 心理学者エッカード・ヘスによる研究。 同じ美女を撮影した2枚の写真が論文の最期に掲げられていた。 一枚のほうが、他の一枚より圧倒的に魅力的に見えると言います。そうほうの写真の違いはただ一つ、魅力的なほうは瞳孔が広がっており、そうでないほうは収縮していた。 『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』 ダニエル・カーネマン (著) 以下の写

速い脳と遅い脳

一言でいうと脳には「速く反応する脳」と「遅く反応する脳」がある 活用シーン自己矛盾・メタ認知 内容今回も被験者はあなたです。 以下の単語を、左欄→右欄の順で上から順に、 それぞれの単語が「太字か細字か」を声に出していってください。 次に同じ順序で、それぞれの単語が真ん中より左に書かれているか、右に書かれているかを声に出していってください。左に書かれているときは「左」、右のときは「右」と言います。 太字と細字を言い分ける実験では、左欄がやさしく右欄は難しい。 右欄になる

脳は刺激の4.5%ほどしか処理していない?~脳は世界を見るフィルター

一言でいうと無意識が受け取っている情報は膨大だけど、意識で処理しているのはごくわずか。 活用シーン脳の機能、無意識、意識 内容人間生理学の教科書によると、 人間の感覚系は脳に毎秒約1100万ビットの情報を伝えている しかし扱うことができる実際の情報量は、毎秒16~50ビットと見積もられている。 『しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』 レナード・ムロディナウ (著) 目や、皮膚、舌や鼻、そして全身の神経は、毎秒1100万ビットの情報を脳へ運び込ん

1時間何に注目するかで脳の構造は変わる?

一言でいうとたった一時間で脳の構造は変わる(意識し続けていることに注目する脳になる) 活用シーン自己啓発、能力開発 内容 1998年11月5日「サイエンス」誌 「脳内ニューロン再生への新たな手掛かり」という記事。 「神経束の中の神経がたったの1時間繰り返し刺激を受けただけで、シナプス接合部分の数が2倍になる」 『思考が物質に変わる時』(ドーソン・チャーチ) もともと脳いうのは、シナプスというものがたくさん結びつくことで形成されているようです。そしてそのシナプスの結

人は見たいものしか見ない

一言でいうと視覚機能上は明らかに見えているものを、脳は認識できないことはけっこう多い。 活用シーン自己啓発、注意喚起、リスクマネジメント、 内容ハーバード大学の有名な実験。テレビでも紹介されているので、知っている方も多いかも。知らない方のために、今回はちょっと趣向を変えて、実際に体験していただければと思います。 以下の動画では、2つのチームで、バスケットボールでパスを回す動画が流れます。チームはそれぞれ、白いTシャツと、黒いTシャツを着ています。 そこで、あなたの重要な