見出し画像

手本を示そう!

一言でいうと

人は集団になると無責任

活用シーン

マネジメント・リーダーシップ・傍観効果

内容

1970年、心理学者ビブ・ラテインとジョン・ダーリイは、人前で鉛筆や効果を落とすという実験をした。

この実験を六千回繰り返したところ、拾うのを手伝ってもらえたのは、複数の人がその場にいるときは20%、一人しかいないときは40%だった。

彼らはさらに切迫した状況で実験を行った。
被験者にアンケート用紙の記入を依頼する。その際に、壁の通気口から煙が噴き出し、部屋中に充満し始める。
被験者が一人きりの時は、5秒もすると立ち上がって慌てだす。
複数のときには気が付くまで平均して20秒かかった。

お互いに顔を見合わせるだけで、アンケート用紙も見えないほど煙が濃くなるまで何もしようとしなかった。

この複数名での実験は八回行われたが、部屋を出てきた被験者はたったの三人。しかも、その三人についても席から立ち上がるまでに平均して六分かかっている。

さらなる実験は、被験者がアンケートに答えているあいだに別室にいる実験担当の女性が、脚をけがしたと叫ぶ。
一人のときは被験者の70%が部屋を出て女性の様子を見に行った。
一方、複数のときには見に行ったのは40%。

これを傍観者効果という。

『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』
デイヴィッド・マクレイニー (著),

自分一人の目の前で何かが起こると、責任を人に転嫁することはできません。したがって、自分の判断で動き出す、という事はあります。

しかし一方で、人が複数いるときには、自分の判断ではなく、周囲の判断を仰ぐことは多いと思います。それは、周りを見回して、表情を伺い、共犯者がいることで安心してしまう感覚に近いかもしれません。
周りの人の顔色をうかがい、自分の行動を決めようというのです。

そうすると、状況に対して無責任となることが多い。

逆に言うと、集団を動かすには、そのうちの誰か一人が動き出せばいいのではないでしょうか。誰かの判断を仰いでいる集団がいるならば、その判断を例えば自分がやればいいわけです。一人が動き出すと、次の1人が動き出す確率は圧倒的に高くなることも、実は実験で確かめられています。

その動き出す一人がどのような行動をするかが、その集団の行動を決めることもあるのではないでしょうか。そして、リーダーはその手本となり、行きたい方向へ動き出す。ついてくるかどうかはわかりませんが、まずは自分。そして、自分と行動を共にする一人が現れれば、その集団はそこそこの確率で着いてくるのではないでしょうか。


そういえば、こんな動画が一時期話題になりましたね。



ワタシ、こんな本書いてる人です(^^)/

心理実験集めたマガジンです。
よかったらフォローしていただけると嬉しいです。
無料です。


頂いたサポートは、日本の二代目経営者のこれからの活躍を支援するために使わせていただきます。