見出し画像

おどろきの心理学 人生を成功に導く「無意識を整える」技術

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

巷に心理学はあふれかえっている。
女性誌が語る「モテ女になるための心理テク」、男性誌が語る「イケてる男の心理術」「子育て心理術」「デキる男の心理術」「イヤな上司をかわすための最新心理学テクニック」「最新心理学メソッドで君も勝ち組!」などなど。
本屋に入れば必ず「心理」という言葉が目に入ってくる。テレビを見ていても、朝昼晩問わずなにがしかの「心理学」の話が流れている。日本人は心理学が大好きなようだ。

おどろきの心理学 人生を成功に導く「無意識を整える」技術(妹尾武治)

なんとなくここに例示される雑誌の特集タイトル、なんだか微妙にずれてる感じがするのですがいかがでしょうか。
まあ初めて読んだときは、サクッとスルーしてたのですがここに転記する際に、なんで男性誌に「子育て」とか出てくるんだろうとか、女性誌だけタイトルが一つなんだろうとか。想像するに、きっと手元にある雑誌、あるいは書店で見たり、ネットで見たタイトルを少し変えてここに記したのだのでしょう。そもそもそうなると、男性向けの情報が多くなるからこうなったということかと勝手に想像しました。子育て心理については、一時男性向けのビジネス週刊誌などでお受験なんかの特集があったりもしたので、そんなところから取られたのでしょうか。まあ、どうでもいいと言えばどうでもいい話なんですが……

本書の内容

世の中の「心理学」は偏っている?

冒頭に出てきたように、あたかもそれらしく「人の真理とはこのようなものだ」と説くテレビ番組や雑誌記事などはたくさんあります。しかしその多くは、まったくのウソではないにしても、一部が誇張され過ぎている、という警鐘を鳴らします。たとえば冒頭に出てくる話は、「赤い服を着ればモテる」というもの。確かに心理実験において、その傾向は確認されたものの、それが誰にでも、いつでも有効という訳ではない。だから、赤い服を着ていったからと言って、目の前の異性を落とせるとは限らない。心理学というのは「平均」の学問であるから、必ず平均とはズレる人がいるし、その数はけっこうな量になります。だから、心理実験で実証された内容も、「人類全体としてはそういう傾向がある」とは言えるけど、個別の人に対してそのことが言えるかどうかはちょっと微妙だ、といいます。だから、赤い服を着ればモテる可能性は少し高いけど、それを過信するのは注意が必要。しかし、雑誌などの特集では枝葉を切り落として、一部の部分を強調するため、嘘ではないけど誇張された形で表現される分、面白くは歩けれど、真実とは遠くなることを含んでおいたほうがいい、ということを主張されています。

ただ、著者の妹尾先生は、そういった心理特集に対して否定的な意見を持っておられるかというと、必ずしもそうでもないようで、心理学という少しマニアックな世界を多くの人に広め、関心をいだいていただくはじめの一歩としてはそれなりに評価されているようにも感じられました。

私たちの自由意志はない?

本書においては、様々な俗説の根拠になった実験をしっかりと紹介し、その実験結果の意義についてを確認しています。一般的な誤解と、実際に実験結果をみせることで、「こういう話がこんな風に発展していったんだな」というのがとても分かりやすく描かれています。とくに、心理学をより広くなじんでもらうために書かれた本のようで、紹介される心理実験も興味深いものばかり。そして終盤に紹介される心理実験が圧巻です。

細かい内容は割愛しますが、それは、人の行動は「意思」より先に脳が行動命令を出しているという実験結果です。例えば私たちが机の上のペンを手に取ろうとしたとします。この時に、普通はペンを手に取るということを頭で考えて、手を動かすと普通は考えます。しかし実験結果はそうではなく、ペンをとれ!という命令が脳から出たのちに、私たちの意識が「ペンをとろう」という意思を持ち、手が動くというのです。じゃあ、はじめに「ペンを手に取ろう」という命令をした脳はどこからその行動を選択する命令を受け取ったのでしょうか。あまりに突飛な実験結果だけに、その後たくさんの学者が反論するための実験をしたものの、決定的な反論はできなかったのだとか。この実験は、ベンジャミン・リベットという方によるものなので、こちらを深堀してみるとまた面白そうですね。

もうこうなるとスピの世界で、未来はすでに決まっている、という考えにもつながらざるを得なくなります。それゆえに怪しさを感じる人も多い心理学ですが、私はとても面白い学問だな、と思うのですがいかがでしょうか。

いやーーー、読書って素晴らしいですね。

Amazonでのご購入はこちら



ちなみに私はこんな本書いてる人です。



頂いたサポートは、日本の二代目経営者のこれからの活躍を支援するために使わせていただきます。