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チラシ配りの神、シール貼りの神童

私は神であり、神童です。

崇めよ。


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ごめんなさい。冗談です。神だったのは過去の話です。今はただの社会人なので、崇めないでくださいね。(誰が崇めるか)
20歳の頃、なかなか定職に就けず、日雇い派遣で食い繋いでいたのですが、その時に「チラシ配りの神」と、「シール貼りの神童」という謎の肩書きを手に入れました。

「チラシ配りの神」なんて頂いても、チラシ配りでしか輝けないかなりニッチな称号ですし、今の仕事にはこれっぽっちも繋がっていません。シール貼りに至っては、すでに神がいたので神童にしかなれませんでした。でも、こうして面白おかしく話ができるので良い思い出です。日雇いの仕事、軽く見られがちですが、極めれば面白くなったりします。簡単な仕事でも、ゲーム性を見出して楽しくやってみよう!ということで、チラシ配り、シール貼りのコツを皆さんと共有しようと思います。相変わらずの需要無視スタイルです。

チラシ配りの神

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駅前でコンタクトレンズのチラシを配っている人、見かけたことはありますか?それ、私でした。
1ヶ月ほど、週3回、6時間配り続けて居たのですが、一緒に仕事している方の1.5倍配り、社員の方に「君めちゃめちゃ配るね〜!神じゃね!?」と言われ、人知れず神の称号を手にしておりました。
せっかく神になれたので、チラシ配りのコツを皆さんに共有します。

1.「こんにちは」作戦
チラシ配りのイメージってどんな感じですか?おそらく、駅前を歩いているとジリジリ近づいてきて、店名を言いながらチラシをスッと渡してくるイメージだと思います。ありふれた風景ですよね。
そこで私は、風景と化している自分の存在を認識していただくことから始めました。店名を言ってチラシを渡す前に、お客様(=通行人)の目を見て「こんにちは」と言うのです。

お客様は、普段風景と化しているチラシ配りの人に「こんにちは」と声をかけられたら、少しびっくりするのです。そこですかさず「(店名)です!」と声をかけ、チラシを渡すと、その勢いで受け取ってくれる人が多いです。

2.チラシ2つ折り作戦
街でよく配っているティッシュとは違って、チラシは用途が少ないのでなかなか受け取ってもらえないのです。そこで、チラシにティッシュやら何やらが挟まってるかもしれないと思っていただけるよう、チラシをくるっと2つ折りにして渡すことにしました。

コツは折り目をつけず、ふんわり曲げた状態で渡します。また、膨らんだ折り目をお客様に向けて渡すことで期待していただきます。
実際は何も入っていないので「ティッシュじゃねー!騙されたー!!」と叫ばれたこともありますが、配ることが仕事なのでごめんなさい🙇‍♀️


シール貼りの神童

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1ヶ月ほどチラシを配った後、ありついた仕事は「輸入洗剤に日本語のシールを貼り続ける」という仕事でした。1日にこなすべき量が決まっていて、早く終われば早く帰れるので、とにかく速度を極める必要があります。
先に入職した先輩は「神」と呼ばれ、ものすごいスピードでシールを貼っていく方でした。その姿を目の当たりにし、自分の机の上で色々試行錯誤しました。
その結果、私が出勤すると「今日は神も神童もいるじゃん!やった!」と喜んで頂ける様になり、仕事も1〜2時間早上がりできる様になりました。こちらもせっかく神童と呼ばれたので、シール貼りのコツを共有していきます。

1.神の手つきを真似る
聞くんじゃなくて目で見て覚えろ、芸を盗め。なんて言いますが、あながち間違いではないのです。私は、先に入職していた「シール貼りの神」と呼ばれている、先輩の手つきをじっくり観察しました。その分析結果がこの後に続きます。

2.身体を固定する
神を見ていると、身体が全く動いて居ないことがわかります。自分の手の届く範囲に全てを配置し、身を乗り出したり、振り返ったりの動作をしていないのです。身体が動く分ロスタイムになるので、とにかく手に届く範囲に全てを配置することが重要なのですね。

3.ポーズを決める
神の動きを真似し、気づいたことは、同じ動作をリズム良く続けることが早さの秘訣だと気づきました。
私は右手の3本指でシールを掴み、ボトルに貼る。それを左に流し左手でシールをしっかり押さえる。という流れを確立させました。なので右手は親指、人差し指、中指を曲げた手つき、左手は掌を広げた状態で固定しました。
ところで、このポーズ、何かに似ている気がしませんか。そう、

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名付けて、大仏スタイル!!!!!!

こうして私は、仏になった…。






シール貼りの神にはなれなかった

神童になったり仏になったり忙しい内容になってしまいましたが、私は結局神にはなれなかったんですよね。神は速さ、正確さ(貼り忘れがない)に加え、
美しい(シールが真っ直ぐ)を兼ね備えて居たのです。
私のシールは、ちょっと斜めになってしまうんですよね。「美しい」の境地へは辿り着けず、シール貼りの仕事は1ヶ月で終了しました。
本物の仕事っていうのは、きっと「美しさ」も兼ね備えるものなんですよね。生産性も、追求していくと無駄が省け、シンプルで美しいものになるんですよね。その境地まで、いつかたどり着きたいなぁ。

余談ですが、神は見た目も美しい女性でした。見た目が美しいから仕事も美しいんでしょうか。逆に、仕事が美しいから見た目も美しくなるんでしょうか。

後者であるなら、早速美しい仕事を心がけようと思います。今からでも美しくなりたい。間に合うかな。

前者であるなら、美しい方向で生きるのは諦めます。「美」の文字がゲシュタルト崩壊して虫に見えてきたのでこの辺で終わりにしておきます。

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