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コレステロールについて

小林製薬の紅麹問題については、前にも書いた。

もちろん、身体に悪いものを販売した小林製薬の責任は重大であるし、公表が遅れたことに関しても、同社のガバナンスが機能不全であることは、言うまでもない。

だが、それはそれとして、機能性表示食品などという、安全性や効果の有無については、国が責任を負っていない(=企業が、勝手に「〇〇に効果あり」と言っているだけ)ようなものを過信する顧客サイドにも問題があるし、そもそもサプリメントなんかをありがたがって、日常的に大量摂取する姿勢そのものに違和感を感じるという話を書いたつもりである。

日経の記事によれば、今回の紅麹による死亡例5人のうち3人に既往歴があり、また年代の内訳についても、70歳代が3人、90歳代が1人であったという。ちなみに既往歴は、前立腺がん、悪性リンパ腫、高血圧・高脂血症・リウマチであるという。

コレステロールというのは、人間の体に存在する脂質のひとつであり、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となっている。 血液中において過剰もしくは不足した状態になると、動脈硬化などの原因となる。

コレステロールにも、善玉と悪玉があって、すべてが悪いわけではない。
<悪玉といわれるLDL (コレステロールではない) が、動脈硬化巣に酸化LDLとし蓄積された結果、動脈が詰まり心筋梗塞や、その他の疾患を発生させていることが明らかになってきた。逆に善玉HDL(コレステロールではない) は、動脈硬化巣から酸化LDLを引き抜く作用があり善玉と呼ばれている。>(Wikipediaより)

生活習慣病と呼ばれるものの中に、「脂質異常症(高脂血症)」が含まれており、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質代謝に異常をきたした状態のことを指し、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる原因と言われている。

70代以上の高齢者で、しかも既に重篤な既往症がある人たちが、コレステロールの数値を気にして、サプリメントを服用していたということになるのだが、この人たちは、こうしたサプリメントを服用するにあたって、かかりつけの医者に相談をしていたのであろうか。

そもそも、ガンのような病気を抱えている高齢者が、コレステロールの数値を気にする意味があるのだろうか。彼らは、いったい何歳まで長生きしたいと思っているのだろうか。

僕もアラカンだが、何年か前から、血圧も、コレステロールも、尿酸値も気にしないことにしている。というか、定期健診の案内をもらっても無視している。

どうせ、そのうち死ぬのである。食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んで、それで死ねるのであれば、むしろ本望である。

まだまだ先が長い若者とは違うのだ。

もっとも、健康寿命はキープしたいと思っている。人の厄介になってまで生きていたくないからである。僕の理想は、健康寿命と寿命とを限りなく一致させることである。

でも、あれこれと気を遣ってまで長生きしたいとは思わない。楽しくないからである。だから、ジャンクフードも食べたいと思えば食べる。酒も飲みたいと思えば飲む。

夏の暑い日など、昼からビールを飲めるのは誠に気分が良い。現役世代に対して優越感を感じる。老人の特権である。

話を戻すが、身体に良いと言われることを、何でもかんでも無批判に受け容れるような姿勢だから、数多くのクスリやらサプリメントを日常的に服用することになるのだ。

前にも書いたとおり、クスリやサプリメントなんて、中長期的にはカラダに対してどのような作用・副作用をするやら、わかったものではない。医者だって万能ではない。所詮、医学は対処療法というか、短期的な効果・効能しかアテにはできないと考えるべきであろう。

老人たちが、大量にクスリを服用するのが当たり前の光景は、僕にとっては異常にしか見えない。結局のところ、医師会と製薬業界がタッグを組んで、社会保険料を食い潰しているのだ。最終的には、我々の税金が無駄遣いされていることに外ならない。

社会保険料を削減して、国の財政を健全化しようと思えば、こうした間違った連鎖を断ち切ってしまうべきだと、厚労省の役人だってわかっているだろうが、それをできないのは、医師会や製薬会社に毒されているからであるし、選挙で敗けたら困る与党も手を付けられないからである。

後期高齢者の医療費は、すべて「自費負担」ということにすれば、たぶん日本の社会保険料は一気に削減できるし、国の財政も一足飛びに健全化するであろう。でも、そんな話をちょっとでもしようものならば、非国民扱いされるのはわかっているから、誰も口にはできないのだ。

ところで、小林製薬のガバナンスについては、社外取締役への報告が遅れたことも指摘されている。日本企業で何か不祥事があると、監査役会、社外取締役の機能不全が問題になる。

かと言って、監査役や社外取締役の人数を増やしたから解決するという問題でもない。要するに、「ちゃんと見る目があって、言うべきことが言える」ような見識あるボードメンバーがいるかどうかの問題であると思う。

むしろ、これ以上、社外取締役を増やしたところで、「物言わない」社外取締役であれば、いるだけ経費のムダであろう。

現状、今の日本には社外取締役の適任者があまり存在せず、所詮は、「お友だち」同士で割りの良い小遣い稼ぎをしているだけんなのである。


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