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自作小説/詩

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記事一覧

ギャラクシー【詩】

ギャラクシー【詩】

手を伸ばせば

星を掴めそうな

そんな夜

「あの星座は、」

流れ星が空を走る

「貴方にもあの月が見える?」

遠い場所 この空で繋がってると願って

無数の星を数えて

今日も眠りにつく

2017.11.11

夏の終わり、ノスタルジィ【詩】

夏の終わり、ノスタルジィ【詩】

終わりゆく夏の匂い

貴方との思い出

胸が苦しくなった

貴方の浴衣姿

分け合って食べた綿飴

共に見た花火

全て瞼の裏に焼き付いて

ずっと夢見てたの

どうか寿命の彼方まで

貴方の側に

貴方は何も言わず

煙になって消えた

あの日と同じ夏に

どうして、とか

聞いても野望なの

知ってるんだけど

貴方は消えた後に限って

夢で会いに来てくれない

ノスタルジィ

もうすぐ季節が

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震えて眠れ【詩】

震えて眠れ【詩】

膝を抱えて、小さくなって横たわる

濁った空を眺めながら

私の居場所は

全身を投げ出せるくらいの

シングルベッドで十分だ

ザワつく鼓動

ベタつく体

どうしようもない孤独を

震えるこころを

どうしたらいい...

膝に爪を立てた

今宵 震えて眠れ

孤独を抱きしめて

澄んだ空を夢見て

2017.8.18

マリオネット【詩】

マリオネット【詩】

観客の消えた劇場

喧騒の名残

甲高い歓声が

耳に張り付いて離れない

急速に冷え込む舞台に

心の底の闇が唸る

躰の歪んだ操り人形

最後まで導いて

投げ出されて背中が痛いの

お願いよ マリオネット

眩しいスポットライトの中

主人公に成り上がる

1歩 舞台を降りれば

ただの操り人形

作り笑顔が離れない

泣きたい 泣けないよ

ツギハギだらけの操り人形

最期まで見届けて

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紅茶の時間【詩】

紅茶の時間【詩】

香り立つ紅茶に 唇寄せて

オトナの魔法にかかる

私はおとぎ話の主人公ではないけれど

歌うように願いを響かせたい

紅茶の時間

甘ったるい砂糖とミルクの味

まだオトナになりきれない

でも

美しく生きていたい

そっと願ったっていいでしょ?

香り立つ紅茶に 唇寄せて

私の1日が始まる

私は私だけの人生の主人公

踊るように未来へ駆け出したい

紅茶の時間

甘ったるい砂糖とミルクの

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彼岸の夜に【詩】

彼岸の夜に【詩】

私がいくら想っても

あなたは振り向いてくれないのですか。

“想うのはあなた1人”だと言うのに。

どれだけあなたと話しても、

どれだけあなたと抱き合っても

あなたはもう上の空

“悲しい思い出”が増えていくばかり。

“情熱”の紅い華を咲かせば

振り向いてくれるのでしょうか

私はあなたから“独立”すべきなのでしょうか

あなたを“あきらめ”なければいけないのでしょうか

私が望んだあな

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こころの涙【詩】

こころの涙【詩】

気がついたら、

もう後戻り後戻りできない場所まで来ていた。

「あの頃は、」

私にだって笑えてた時期がありました。

絶望を知らない時期がありました。

立ち止まってしまったのはいつだろう。

進むのが怖くなったのはいつからだろう。

笑われるのにも慣れて、孤独にも慣れて。

笑い方を忘れて、声の出し方を忘れて、

自分の存在意義を見い出せない。

もう、みんなの背中が遠いよ・・・

「やって

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君の歌【詩】

君の歌【詩】

ねぇ。

泣いてもいいよ。

弱音吐いてもいいよ。

君は独りじゃないんだから。

「頑張れ」なんて言わないよ

影で頑張ってるの知ってるよ

ただ、君がつらくなったら

泣き止むまで そばにいたいだけなの

ねぇ。

耐えなくていいよ。

無理しなくていいよ。

君の周りには みんながいるんだから。

みんなに合わせようなんて考えないで

君のペースで歩けばいいの

もしも歩き疲れたら

僕らと

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終焉【詩】

終焉【詩】

いつかはこの星は終わりを迎える

いずれは君と離れねばならない日がやってくる

その「別れの日」というのは突然訪れるものである

君と出会ったのはいつだった?

君と僕すごく気が合って

色んな話してるうちに

君は苦い秘密を教えてくれた

ねぇ

この手もこの声も

もう君には届かないの

最後に1度だけ答えて

“僕のこと好きだった?”

--実はね、私 病気持ちなんだ。

--余命も残り少な

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拝啓、戦う君へ【詩】

拝啓、戦う君へ【詩】

--君に伝えたい事があるんだ。ちょっとだけ話を聞いてほしい。--

あのね。

「僕はいらない人間なんだろうな」

そんな風に悩んだ時があってさ。

「いっその事死んじゃえばいいのかな」

そうやって腕を傷つけた。

他人の目が怖くて独りぼっちの僕は

画面の向こうの君に出会った

君は沢山の病気に囲まれて

余命が1年半しかない

でも君は生きた

残り少ない生を楽しむために

でもね。

「も

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終わりへ向かう始まりの歌【ノンフィクション小説】

終わりへ向かう始まりの歌【ノンフィクション小説】

※手紙部分は原文のまま。

~2014.8.14 完結

2015.7.26~2015.8.31 加筆修正

2015.8.24 タイトル修正

2017.8.13 加筆修正

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乃亜ちゃん。
貴女がこの世を去ってからもう2年が経つね。時の流れは本当に早いなって。

ねぇ、乃亜ちゃん。
乃亜ちゃんが最後に残してくれた言葉通り、頑張ってみたんだ。
頑張れてたかな、私。空から見てくれて

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『拝啓、』【小説】

『拝啓、』【小説】

私は今、とてつもなく動揺している。

手に握られているのは、1通の手紙。

定位置になりつつある机の中に入れられた茶色の封筒は、スマホでメッセージを送り合うことに慣れてしまっている私にとっては、異質なものでしか無かった。

私の名前だけ書かれ差出人がわからない封筒を、赤く錆びついたカッターで開けた。

封筒に書かれた文字しかり、便箋の折り方しかり、差出人は私と違って几帳面な人なんだろうと思いつつ便

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