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巧みな色彩コントロールで生み出される、ドラマ全編の視覚的なメリハリが効果的に(「Nのために」第7話レビュー)

第7話はさくっと。

新規で出来上がる3人組、希美(榮倉奈々)・西崎(小出恵介)・成瀬(窪田正孝)の軽妙な会話がなかなか良い。希美・西崎・安藤(賀来賢人)の3人では出来上がってしまっているそれぞれのキャラクター、特に西崎のキャラクターが成瀬という外部者によって引き立つ。見ている側としても慣れてきた西崎の変態性が、ここに来て改めてコメディチックに浮き上がってくるのが良い。同時に西崎の物語における重要性も間接的に高まってくるように思う。

タイトルバックと青影島編では言及してきた本ドラマの色彩の魅力。彩度を最大限に活用した青影島編と対象的に、高野(三浦友和)が過去の事件の真相を追求する場面では共通して彩度が徹底的に抑えられている。冒頭の希美の引越し先でのシーンは全体的に暗いタッチ、成瀬と高野が墓地で出会うシーンに至ってはあれだけ鮮やかに描かれた青影島の設定であるにも関わらず、ほとんどモノクロの世界となっている。

第7話まで来たところで、このタイプの映像がかなり増えているのは若干のやり過ぎ感もあるが、作品全体を通して視覚的なメリハリを生み出しているのは確かだ。

今回のタイトルバックは、安藤のプロポーズを思い返し泣き崩れる希美のシーン。キャプチャでは伝わらないが、曲の入り方が凄く良い回だった。美しくて切ない。


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