秋クールドラマ、どれ見ればいいの?と聞かれたときのために、色んな一話を見たよ【後編】

二話始まってきちゃった、ごめんなさい!

前編はこちら。

後編での紹介ドラマは以下の通りです。

・昭和元禄落語心中
・大恋愛〜僕を忘れる君と
・僕とシッポと神楽坂
・忘却のサチコ
・今日から俺は!!

金曜率高すぎ。土日の録画の消化も大変だ!

▼金曜22:00『昭和元禄落語心中』(NHK/ドラマ10) 主演:岡田将生

原作は全然知らず。初めて触れます。

前クールの超高評価ドラマ『透明なゆりかご』を見逃したことを死ぬほど後悔しておりまして、今クールこそはNHKドラマを見逃すまい…と気合を入れて第一話を録画しました。NHKって番宣とか電波ジャックとかやらないから、本気でチェックしないとシームレスにいつの間にか始まってるんですよね。もっと分かりやすく宣伝していただきたいものです。

映像の絶妙な色遣いが良い。ざらっとした感じが文化的な空気感を醸してる気がします。寄席には行ったことがないのですが、文化ってどこかざらついたものだと私は思ってます。

岡田将生、流石にしわとほうれい線書きすぎではwというツッコミを入れたくはなりますが設定上仕方なし。でも老齢演技、落語のシーン、ちょっと新しい岡田将生見られて凄くいいです。深みがある。

深みがあると言えば、成海璃子。最近の若手女優には珍しい、低めの深い声が印象的ですごく好き。『ワンダーウォール』でもあの深い声で語られる経済資本主義への疑問、が凄く良かった。今回は独特な言葉の言い回しにちょっと振り回されている感じもするけど、でもどっしりと頼りがいのある存在感を放っています。

何より、原作者の方がすごく感激されているのが見る後押しになりますね。漫画も是非読んでみたい!

▼金曜23:00『大恋愛〜僕を忘れる君と〜』(TBS系/金曜ドラマ) 主演:戸田恵梨香・ムロツヨシ

難病恋愛モノ、しかも記憶障害モノはもういいんだよ、と見るつもりなくスルーしていたのですが、大石静脚本と聞いてとりあえずチェック。

意外と、すごい、いいかも…?

とにかく、戸田恵梨香のキャラクター設定への好感度がめちゃくちゃ高い。「お前まじかよ」とツッコミどころ満載の肉食女子。2回目の「ご飯いこう」からの連続スタンプ押しまくれるメンタリティの強さ。外人カップルのアテレコを利用して「家に連れこみなさいな」とダイレクトに言っちゃう厚かましさ。

遠回りルート一切なしにガンガン距離を詰めていくのですが、そこにムロツヨシへの媚び要素が全くないのが最高に気持ちいい!ありがちな上目遣いとか、「相手に言わせる」ための戦略とか、好きにならせるためのお世辞とか、そういう「ズルいわああ」という瞬間一切なしに「私は私の意思であなたに惚れたので私の意思で婚約を解消しますがあなたに特に責任はなくただ私はあなたに心を奪われましたのでとりあえずどうぞよろしく」と言わんがばかりの超絶ストレート。主体性の塊。主体性が固まってる。でも美しくて可愛らしいんだよね。魅力的だ!

これ、「戸田恵梨香じゃなきゃ引くわ」案件であるのは事実なんですが、仮に戸田恵梨香じゃない同じメンタリティの普通のルックスの人に置き換えたとしても、案外キャラクターとして成立すると思うんですよね。ムロツヨシ側が拒絶したとしても「あ、あなたはあなたの意思で私を拒絶しますか。それなら仕方ありません。じゃ」となりそうだから。強い意志で。あのタイプの自信はルックスの良さが原因ではない気がする。

じゃあ何か、というと彼女の育ちに原因を感じる。「なおちゃん」「ママ」と呼び合う母親との関係性の近さ、朝帰りをたしなめる母親に対して正面から言い返すさまからは、母親と良い関係を保ちつつ、きちんと自己主張もできる環境だったことが感じられる。大切に育てられ聡明に育った一人娘、道を踏み外したことはないが自分の意志を強く持って道を選んできた自負。それらが結果的にムロツヨシへストレートにアタックできる自己肯定感を育んでいるのだと思います。

しかし、これだけ「強く聡明で魅力的で自立した(かなり自分勝手な)女性」と描かれたところからのアルツハイマー、という設定の残酷さに最初からぞわっとしました。恐ろしいな。でもこの主人公好きだし、ムロツヨシは声がいいし、暫く見続けようかな。女性が強い恋愛モノ、私は好きだなー。

▼金曜23:15『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日/金曜ナイトドラマ) 主演:相葉雅紀

優しいほんわかドラマ。相葉雅紀のドラマはほとんど見たことないですが、心優しくたまに困り顔の獣医役、すごくぴったりです。

個人的に馴染み深い神楽坂が出てくるだけで楽しい。毘沙門天、赤城神社、鳥茶屋、高級料亭の連なる黒塀のある石畳、猫の郵便屋さん、筑土八幡神社、出てくる階段は茶館パレアナの辺りかな?ロケ地はほぼ100%カメラアングルまで分かるので、それだけで楽しい。笑

しかしこんなに場所押しでロケ地は大丈夫かしら。もう撮影終わってるのかな?二宮和也が出演していた『拝啓 父上様』も神楽坂ドラマだったのですが、再び神楽坂が嵐ファンだらけになる予感、というか確信。あらゆる神社やお寺の絵馬が「嵐のコンサートに当たりますように」「大野くんの魚が釣れますように」ばかりになるんですよね。それもどうかと思うんですが。笑

このドラマ、動物も喋るんですね。まあでもそんなファンタジーも全然オッケーな空気感。可愛いし!白いもふもふの犬がほんとに可愛い。子供も可愛いし、広末涼子も美しいし、話もほんわかながらにきちんと作られてそう。強烈な長所が出てくるか微妙ですが、とりあえずあんまり悪いところないんじゃないかな?何はともあれ、金曜の夜、疲れた体をすっぽりと癒やしと優しさで包まれたい方にはおすすめです!

▼金曜24:12『忘却のサチコ』(テレビ東京/ドラマ24) 主演:高畑充希

最高!1月のスペシャルドラマが本当に良かったので期待していたところ、連続ドラマ化!嬉しい!高畑充希最高!

婚約者に逃げられた、ロボットみたいに動くキャリアウーマン「サチコ」が婚約者を忘れるべく美味しいものを食べまくる。食べているその瞬間は彼を忘れられる。食べてる瞬間は当然良いのですが、「あ、また俊吾さんを思い出してしまった」瞬間のサチコもまた可愛いんですよね。サチコの動きは完全に『義母と娘のブルース』の綾瀬はるかと丸かぶりなんですが、どちらも滲み出る女性らしさが素敵。恋なんてしなさそうなロボット女子が湧き上がる自分の気持ちに悩んじゃってる感じ、その可愛さから逃れようにも逃れられないですね!癖になるー!

そして今回のすき焼き、美味しそうだったー!しかしこれ本当に疑問なのですが、リアタイで観てる皆様、耐えられます…?深夜にこんな素敵にお化粧された飯テロコンテンツが流れてきたら辛いじゃないか。今すぐ食べたくなってしまうじゃないか。ちょっと、私には耐えられない…。しかもこの時間起きてられないので、ご飯の後に録画で見るようにいたします。

それにしても食事シーンにおける高畑充希の表現レベルの高さがストレートにまじで凄い、素晴らしい。声だけでも一体何通りあるのかというハイテンションの表現。食べる瞬間のきらっきらした表情だって10通りどころじゃないんです。この「毎回必ず食べる」という設定は実は役者殺しというか、役者の引き出しを試される設定だと思うんですが、完璧に全うされています。敬意。

ご飯と高畑充希と、ロボット系女子の心の揺れが好きな人、是非見て!

▼日曜22:30『今日から俺は!!』(日本テレビ系/日曜ドラマ) 主演:賀来賢人

福田雄一劇場。とりあえず笑ってればよし!!!!笑

全シーンに笑いの要素を入れ込むという徹底ぶり。ようやるわ、と呆れ顔でソファに寝っ転がってみながらもげらげらとだらしなく笑い転げる自分もまた福田組の一員か。そんな感じです。

でもなんだろう、このキャスト全員の愛おしさ。榮倉奈々の旦那、顔の筋肉使いすぎだよ頑張ってるよ…福田組にまだ染まりきってない伊藤健太郎、美しいよ可愛いよいとおしいよ…セーラー服の清野菜名、聖子ちゃんカット信じられないぐらい可愛いよ可愛くて強くて強くて可愛いなんて最高すぎるよユーコちゃあああん!

結構まじで好き。あとオープニングが至高of至高of至高。全員死ぬほど可愛い。

日曜を笑い飛ばしてみんなで寝落ちしようぜっ!

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