The Clapper

いやー好きな映画。アマンダセイフリッドのせいもあるけど、好きな話だ。
アマンダ、うまいでしょ。どう考えても。
だっさい服があんなに似合ってると、だっさい服こそいけてるように見えてくる。
あんな可愛い俳優は役に合わないとか、最初はちょっと思ったけど、実はそこが意図されたキャスティングだったのではないかな。
だって舞台はハリウッド。華やかな世界の隅で、その脇のおこぼれをいただくみたいな生活をしながら(博物館デートのシーンは象徴的)、ささやかなプライドを持って明るく生きる普通の人たち。

その役をまさにスターのアマンダが、これでもかってだっさい服を着て演じる。
この矛盾こそが、この映画がフィクションであることを際立たせつつ、同時にフィクションでしか表現できないリアルを感じさせてくれる。
みんなが抱える人生の矛盾。憧れと現実、夢(妄想)と妥協、折り合い‥
映画を観ながら、夢を見ながら、共感できる‥
エンターテイメントをより際立たせたような映画なのかな。

スマートなことがいいことじゃないってこと。バカにされるってことが、実は尊いことだなんて、だれも思わない。
だれも思わないからこそ、尊いもの。
他にもあるだろうか。
普通に生きてることが、人間にとってどれだけ価値があるのか。
動物はいつも、生きるか死ぬかだし、紛争が絶えない、いつ爆撃されるか、撃たれるか分からない人もいる。
でもだからって、普通に生きることをひがむことなんてないんだ。
けど少なくとも、それがどれだけ尊いものなのかということは、映画を観るとか本を読むとか、現実から少し離れて感じてみることがやっぱり大切だ。

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