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AIと感想文

 夏休みになると、読書感想文の代行業者というものが注目されることがある。当事者ではないしそもそも私自身読書感想文自体好きじゃなかったし、これについて言うことはない。ただ、少なくとも大人になった今、自主的に書いている「感想文」について、わざわざ代行業者に頼むというような誰得なことはまずしない。

 ただし、絶対やらないという前提で「ズルい方法」を考えたことはある。方法は簡単で、SNSに数多ある感想文、そしてプレスリリースを参考にして、それらしい感想を「創作」するいうもの。あとは写真で、さすがにこれをAIで生成するというわけにはいかないとは思うけど、例えば会場看板の写真も撮影者の創作物というわけではない、つまり著作権の保護対象にならない可能性もあるので(たとえば本人や同行者の顔が写っていたりしたらまた別だけど)、何かしら余地があるのかも…とは思ったことがある。

 もちろん、こんなズルで作ってもまあ薄っぺらい感想しか出てこないし、何より自分のためにならないのでやらないけど(こんな私にも沽券というものがある)、同時に「この感想なら、行かなくても良かったんじゃない?」とならないように、あえてこういう反例を考えてみたことがあったというまでである。

 それから数年が経ち、文章の生成可能なAIチャットというものが登場した。AIに読書感想文を書かせ、それを丸写しして提出するという話も聞いたことがある。もちろんこれは「ズルい方法」だ。
 しかし一方で「ズルい方法」ばかりでなく、感想文を書くアシスタントとしてAIを使えないかと考えたことはある。

 やり方は簡単。感想について、美術館で書いたメモを箇条書きにし、「以下の要素を踏まえつつ、600字程度の感想文を書いてください」と注文する。するとAIがAIなりにまとめた「感想文」を書いてくれるので、それを修正しつつ、最終的には自分の文章として整えていく。

 感想文を書くとき、時として美術鑑賞の倍以上の時間をかかってしまっている場合もある。それを短縮すればもっと他のことに時間を充てることもできる…と考えたが、結局うまくいかなかった。AIチャット特有の癖のある文章に改められ、必要なメモが削ぎ落とされ、不要なメモがフィーチャーされることもある。もちろん不要なメモは注文段階で削除すれば良いのだが、それをこっちでやるのならそもそもAIに頼る必要もなくなる。自分で文章を書く、それ自体からは結局逃げられないのだと悟った。


 ただし、AIにも使い道はある。
 まずは要約をしてもらう方法。↑の段落までを要約してもらうと次のようになる。

夏休みになると、読書感想文の代行業者が注目されるが、作者は代行業者に頼むつもりはなく、自主的に感想文を書くことを強調。しかし、ズルい方法を考えたことがあり、SNSやプレスリリースを参考にして「創作」感想文を考えたこともある。数年後、AIチャットが登場し、感想文を書かせて提出することも考えたが、結局AIの癖があるため、自分で文章を書くしかないと悟る。

 要加筆・要修正箇所はあるけど、全体としてそこまでズレてはいないと思う。TwitterにInstagramの記事リンクを貼る際、こうして制作した要約を掲載していたこともあった。

 もうひとつ、AIの使い方として、書いた文章の感想を聞くという方法もある。おそらく性質的なもので、こちらから働きかけない限りAIから批判的なことはあまり言わないが(あまりにも文脈がねじれている場合は指摘されることもある)、一つのフィードバックとして参考にしていたりもする。「LIGHTHOUSE」で星野源さんが仰っていたけど、フィードバックをあまりに鵜呑みにした結果、個性が失われてしまうのも考えもの。かと言って反応ゼロというものは承認欲求云々ではなく寂しすぎる。そういうとき、AIを新垣結衣さん(源さんの奥さん)に見立てる方法は案外悪くないんじゃないかと思っている。

 応用編として批判的視点から改善案を提案してもらう、また100点満点で採点してもらうというのもある。最近のnoteはそこらへんの機能が充実しているみたいだけど(回数制限もあるようだけど)、ここらへんの注文を自分で考えてみるのも面白い。

 ちなみに今回のエッセイについて子猫目線で感想を書いてもらったところ、以下のような感想が返ってきた。ご参考までに。

このエッセイを子猫目線で感じると、いくつかの興味深いポイントがあります。

1. 代行業者とズルい方法:
子猫はズルをすることについては特に関心がないでしょうが、人間が読書感想文を代行業者に頼んだり、SNSやプレスリリースを参考にして創作感想文を考えたりすることに興味深さを感じるかもしれません。子猫は素直に感想を表現する生き物であり、人間の行動が理解できないことが不思議に思えるでしょう。

2. AIの登場:
AIが文章を生成する能力について触れられています。子猫にとって、AIは何か新しい存在であることでしょう。文章生成の方法をAIに頼るアイデアや、AIの批評的なフィードバックを受けることに関して、子猫は疑問符を浮かべることでしょう。

3. フィードバックと個性:
子猫は、AIによるフィードバックや批評については理解できないかもしれませんが、作者が個性を失わないように議論している部分には共感できるかもしれません。子猫は自分の個性を保ちながら成長し、学び、発展することが大切だと感じるでしょう。

4. AIを新垣結衣さんに見立てる:
最後の部分で、AIを新垣結衣さんに見立てるアイデアが提案されています。子猫はこの比喩には驚くかもしれませんが、それでも人間の方法でAIを理解しようとする試みに興味を持つかもしれません。

総じて、子猫にとっては人間の行動やAI技術に関して不思議で興味深いエッセイとして感じられるでしょう。

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