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自由律俳句

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思ったことを気ままに。
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記事一覧

自由律俳句#157

自由律俳句#157

「そうだったね」覚えていない言い訳に勿忘草をそっと髪に指す

当てはめる空虚と原子の関係にわたしとあなたを今と未来を

悪魔さえ縛りつける頑固さで怪奇現象見ないふりする

自由律俳句#156

自由律俳句#156

魂をクッキー型に積めこんでできたのが愛余ったのが恋

海原でぐしゃりと潰れたブラジャーが浜辺に上がって美波となった

朝起きて透明マントで出勤し花瓶の花換えあの子を弔う

自由律俳句#154

自由律俳句#154

カブトムシもギンヤンマもクワガタも死体のにおいはスルメイカ

ハナムグリ見なくなってから数ヶ月P.S.来年会える?会えたら嬉しい

唯一の骨の記憶を持つものは名前も知らないエジプトの猫

自由律俳句#153

自由律俳句#153

うなされて目を覚ましてまた閉じてほらバックベアードがまだ見てる

熱出した息子の頭に目玉当て熱奪って我が物とせん

折り紙のシロサギか2羽横切った空にはぽっかり穴が空いてた

自由律俳句#152

自由律俳句#152

目の中の棺に向かって歩いてくあの子とこの子と思い出巡って

軒下を覗く悪魔と友達になりたかったので抜けた歯をあげる

砂袋膝に乗せると思い出す膝に乗せれたあの日のお前を

自由律俳句#151

自由律俳句#151

あなたなら一緒にいれるとわかってた小さな私も大きな私も

誕生日娘の車に登録しオイワイモトム無言の伝言

やさしさに包まれていないメッセージの方が本物でしょ?アンゼルセン

自由律俳句#150

自由律俳句#150

ラブコメの爪の垢でも飲みなさい言いつけ守ってI’s熟読

ミリギチを愛の言葉と仮定してX=Y仮に恋

たんこぶの色がフグリによく似ててこの子はやはり男だと思う

自由律俳句#149

自由律俳句#149

月明かり映す我が子とイタドリを森に佇む坊やが一人

夕飯は唐揚げにしようレプリティアン肉は好きでしょ?それだけ知ってる

小指ほどの誤魔化しもなく生きている鎌上げ胸張る生き物1匹

自由律俳句#148

自由律俳句#148

玉子、肉、タンパク質で埋まらない空白抱え今宵も飢える

カブトムシいないから嫌秋の日はイチョウ踏みつけ口尖らせる

落とし物探すライトで影遊び裏の廃墟をスクリーンにして

自由律俳句#147

自由律俳句#147

腿にのる重さに勇気づけられて今日こそ完走夢の轍を

新品の家電と馬糞は似ているの匂いが知らないふりはもうやめて

B面という言葉がおしゃれに聞こえたカチリと一回りした音が聞こえた

自由律俳句#146

自由律俳句#146

冬夏日宙に上がった虫花火全てを白く足取り軽く

白昼に爆発する彼岸花ここまでしなきゃ見てもらえないのよ

もういいよ重い腕振りまあだだよ手錠に繋がれ布団の奴隷

自由律俳句#145

自由律俳句#145

くちびるの皮がめくれた秋がかきた柿もめくれてぐちゃりと落ちた

OLがうんこ座りで座談会小雨降る降る展示会

蚊よけ買った買ったがダメだ蚊じゃなくタガメが死んだから

自由律俳句#144

自由律俳句#144

トレビアーン眠れぬ夜のアガサクリスティ

止まらない憎悪のイメトレ無限大

四十過ぎ転倒予防のスクワット

自由律俳句#143

自由律俳句#143

ふるさとは寄るべなさ、だから方言は皮肉が効いた知的な言語なの

玄関のダンゴムシを捕食する蜘蛛祓い思う正義は何処に

ゆで卵と交換して手に入れた蟻の卵抱き寄せ眠る