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【エッセイ】機械と人間の違い

機械が急速に増えている時代だ。

仕事で使用しているシステムに不具合があった。
「不具合があるので、調べてもらえますか」とシステムの会社に電話をした。
「調べる」とのことだった。

それが、4月だ。

今は何月だっけ? 
8月の後半だ。毎日暑くて汗をダラダラかいている。
しかし、4月以来回答がない。
やはり不具合があると不便だ。
システムの会社に再び電話をした。

「どうなってますか?」
私はなんとなく、謝罪の言葉がきけるかなぁと思っていた。
甘かった。
「すぐに修正できないんで」
と冷たい声が聞こえた。

「すぐ」にできないって、この人の”すぐ”はいったい”どれくらいの期間を指す”のだろうか?
長い間眠ってでもいたのだろうか?

「いつ修正してくれるんですか?」
「今年の年末か、来年の春ですね」

春・・・ 1年経つじゃないの。

「じゃあ 年末にできないようでしたら、連絡ください」
「個別の対応はできません」

と一言。

どうしてできないのか、説明しようとする気持ちはこれっぽちも無いようだった。
聞かれたことに、「できない」と回答するだけなんて、機械でもできるじゃないか。
人の気持ちを推し量って、もっと工夫をして、答えるのが人間同士の会話じゃないだろうか。
 

ややご機嫌ナナメになりながら、その日は仕事を切り上げた。
そういえば「カボチャのハチミツレモン煮」という新しいレシピを試したかったんだと思い出し、ハチミツを買う為にスーパーへ寄った。

スーパーの中でどこにあるのか店員さんに尋ねた。
やさしそうな若い男の子だ。

「ハチミツどこですか」
「精肉担当なんで、分からないです」

そういう時代なんだろうか。
ほんとに機械みたいだ。
いや、AIの方がよっぽど諦めがつく。

結局、電車の時間が迫っていたので、ハチミツは諦めた。
卵だけを手に取り、セルフレジに向かった。

バーコードをスキャンしようと、パックの表面を探したが、見つからない。
手間取っていた。
すると、年輩の店員さんがやってきて
「ここにありますよ。」
と、側面に貼ったバーコードを教えてくれた。

「ありがとうございます」

最後にようやく、人間に笑顔でお礼を言うことができた。

読んでいただきありがとうございます!一緒に様々なことを考えていきましょう!