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小説【魔法科】「新・魔法科 キグナスの乙女たち(6)」感想・ネタバレ

どんな本?

魔法科高校の劣等生は主人公の達也が規格外過ぎて、学校の話が飛んでしまったのをこの作品で補完してくれてると感じている。

「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ「とある科学の超電磁砲」のようだなと思った。

世界を相手にしている達也の活躍が読みたければ「続・魔法科高校の劣等生」を読めば良いし、学園物を読みたければ「新・魔法科高校の劣等生キグナスの乙女たち」を読めば良いと俺は思う。

読んだ本のタイトル

新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち  (6)
著者:佐島 勤 氏
イラスト:石田 可奈  氏

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あらすじ・内容

魔法科高校の合同文化祭『九校フェス』が幕を開ける!

『九校フェス』。九つの魔法科高校による合同文化祭だ。夏休みが明けた第一高校は目前に控えるこのビッグイベントに浮き足立っていた。
 だが、九校フェス以外にも茉莉花を悩ませる問題が。生徒会選挙によって新たな生徒会長となったアリサの義兄・十文字勇人が、アリサに新生徒会へ入るように依頼してきたのだ。
 生徒会役員と風紀委員の兼任はできないため、風紀委員の茉莉花はアリサと離れ離れになってしまい……。
 少女は悩みを抱えたまま、九校フェスが幕を開ける――。

新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち(6)

感想

今回の舞台は『九校フェス』。

"そんなフェスあったけ?"と思ったら。

『日本魔法協会主催・全国高校生魔法学論文コンペティション』に代わって前年から始まったものだったらしい。
"何で論文コンペが無くなった?"と思ったら。

原因は「司波達也」だったらしい。

非公式の戦略級魔法師だった達也と、日本魔法協会との非友好的な関係が背景があったらしく。

トーラスシルバーであった達也の不参加によって論文コンペの公正性への疑問が噴出。

この不満を受けて、論文コンペの形式が変更され、九校フェスが企画された。

九校フェスは、学問的な研究発表だけでなく、展示や演芸・演奏にまで発表の対象を広げ、文化系の晴れ舞台として設けられた。

その九校フェスを舞台に、ロシアンマフィアがアリサを狙う。

今までは、魔法科の学園モノだったが、この巻から旧作の魔法科のキャラクターと夜の帳に闇は閃の黒羽家の双子が関わって来た。

九校フェスの開催場所は九島の御膝元の奈良。
そこに外国の裏工作をする者達が跳梁跋扈している状態に四苦八苦している元十師族の九島家。

そんな九島家の苦悩を横目に、四葉家の黒羽家が暗躍しマフィア達と暗闘、さらにそこに元老院の手先の誘酔早馬が様子を見るから複雑になっていた。

だがそこはアンタッチャブルの四葉家、、
達也の偽物を用意して、相手を誘導して一網打尽。
後始末は公の人達に任せて、実行犯だけを拘束して情報を抽出したら相手の車にポイ捨て。
黒羽家の双子はドンドン強くなって行く。

それに反比例して文弥の外見は、、、

強く生き、、てるな。

最後までお読み頂きありがとうございます。
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新・魔法科高校の劣等生

続・魔法科高校の劣等生

魔法科高校の劣等生

備忘録

1

夏休み後の新学期が始まり、一高では月例の実技試験よりも来月末に開催される『九校フェス』への関心が高い。『九校フェス』は、『全国魔法科高校合同文化祭』として、魔法大学付属高校全九校の合同行事であり、これは『日本魔法協会主催・全国高校生魔法学論文コンペティション』に代わって前年から始まったものである。その変更の理由の一つとして、「司波達也の所為」と指摘されている。達也と日本魔法協会との非友好的な関係が背景にあり、達也の不参加によって論文コンペの公正性への疑問が提起され、参加生徒や魔法科高校の教職員に不満が広がった。

この不満を受けて、論文コンペの形式が変更され、九校フェスが企画された。九校フェスは、学問的な研究発表だけでなく、展示や演芸・演奏にまで発表の対象を広げ、魔法科高校生のみを対象とした文化系の晴れ舞台として設けられた。会場は魔法協会が奈良に所有する魔法演習場で、今年の開催日は十月二十三日から二十五日に設定されている。

西暦2099年9月24日の全日本マーシャル・マジック・アーツ大会女子十八歳以下部門決勝戦で一条茜に雪辱を果たしてから約一ヶ月後、茉莉花は普段の生活に戻り、風紀委員としてアリサと共に校内を巡回していた。月例実技試験を控えるにも関わらず、演習室が空いていることに茉莉花は疑問を感じ、アリサに問いかけた。アリサは、多くの生徒が九校フェスの準備に夢中になっていると説明し、九校フェスへの参加は自由であるが、多くの生徒が一所懸命になっていることを指摘した。茉莉花は、九校フェスが競争ではなく、優勝もないことからその意義を疑問視したが、アリサは参加すること自体に楽しみを見出しているのではないかと返答した。茉莉花が引用した「昔の偉い人」の言葉については、出典が不明だが、「勝つことよりも参加することに意義がある」という主旨であり、アリサはそれが承認欲求を満たすことにつながるのかもしれないと考えた。

巡回を終えた風紀委員の茉莉花とアリサが報告のために風紀委員会本部に戻ると、委員長の裏部亜季に代わって二年生の誘酔早馬が委員長席に着いていた。茉莉花の当たりの強さにも早馬は慣れており、二人の交流は日常的なものである。アリサと茉莉花は、演習室が空いている珍しい状況を報告し、早馬はそれに対して、九校フェスの準備で忙しい生徒が多いためだと推測した。また、早馬は生徒会室にいる委員長が生徒会長選挙の準備で忙しいこと、そして生徒会長選挙が近いことを説明する。来週は月例実技試験と生徒会長選挙があり、委員長の裏部は辞任し、新しい風紀委員長の選出が控えていることをアリサと茉莉花に伝えた。風紀委員に任期はなく、委員長の交替に伴う委員の入れ替えも予定されていない。アリサは風紀委員会内部がギスギスしている状況に対して否定的な感情を示した。

九月二十八日の放課後、一年生の茉莉花は月例実技試験から解放され、風紀委員としての当番活動を行うことを思い出す。二人は風紀委員会本部で早馬と遭遇し、彼が翌日の月例試験のために演習室での練習を待っていることを知る。早馬の真の目的はアリサのスカウトであり、元老院という影の権力者集団に関わる重要な任務を担っていた。

茉莉花とアリサは、校内の不正な魔法使用を取り締まる風紀委員の業務を進める中で、九校フェスの準備に秘密裏に取り組む生徒たちに出会う。彼らが校則違反をしているにもかかわらず、魔法を使用していないため、二人は厳重注意にとどめる。

帰宅の途中、アリサは義兄であり生徒会役員の勇人から生徒会書記への就任を打診される。勇人が生徒会長に選ばれた場合、アリサには風紀委員を辞任し生徒会役員になるよう求められる。この提案はアリサにとって予想外であり、悩むことになる。早馬が次期風紀委員長に内定していることも明らかになり、茉莉花はその事実に対して驚きを隠せない。

風紀委員会本部を出たアリサと茉莉花は、学校から駅に向かいながら、それぞれが委員会を辞めるべきかどうかを考え込んでいた。茉莉花は、アリサが生徒会に入るならば自分に風紀委員会に残る理由がないと考え、辞めることを提案する。アリサもこの提案に反対しない。茉莉花はアリサが生徒会に向いていると感じており、アリサも生徒会での活動が自分にとって良い経験になると考えているが、クラウド・ボール部との両立が可能かどうかを勇人に確認することにした。

アリサは夕食時に勇人に生徒会と部活の両立可能性について尋ねた。勇人によれば、以前の生徒会は部活動との両立が難しい状況だったが、前の会長と副会長による努力で生徒会の仕事量が大幅に減少し、両立が可能になったとのことである。アリサはこの説明を受け、部活を理由に生徒会入りを断ることが難しいと感じた。

一方、生徒会選挙で勇人が会長に就任し、アリサが書記に任命された。部活連の会頭には初めて文化系クラブ出身の五十院紀歌が選ばれ、新生徒会の発足がスムーズに行われた。しかし、風紀委員会の新体制移行はスムーズに進まず、茉莉花が辞める意向を示したため、早馬と裏部委員長による慰留の試みが行われた。最終的に茉莉花はこの学期だけは風紀委員会に残ることを了承し、新体制がスタートした。

2

月例試験と生徒会長選挙の後、一高では九校フェスに向けた準備が活発化している。特に文化系クラブの生徒たちにその熱気は顕著である。九校フェスの自由度は高いが、その分、生徒会の負担も大きい。アリサと明は、九校フェスの展示グループからの申請書を処理しており、精神的な疲労を強いられている。しかし、一高生徒会は、過去二年間でホワイト化が進んでおり、残業や持ち帰り作業がないなどの改善が見られる。

一方、SNS上では一高OBの司波達也が九校フェスに来場するという噂が流れている。生徒会ではこの噂について話し合い、司波達也の影響力の大きさや彼に対する敵視の存在について議論が交わされる。司波達也が開発した恒星炉によって、将来的に世界のエネルギー問題が解決される可能性があるが、これにより自然エネルギー関連企業が経済的な打撃を受けることも予想される。

調布のあるマンションで、魔法大学一年生の双子の姉弟、黒羽文弥と黒羽亜夜子が、今後の方針について話し合っている。彼らは奈良に集まっている外国の息がかかった殺し屋一味の情報を共有し、その多くが大阪から来ていること、北陸地方からは目立った動きがないことを確認している。また、新潟と福井からの人員は引き上げることができると話している。彼らは警察の外国人監視の難しさに言及しつつ、奈良で開催される九校フェスの会場の空気や九島家の対応を確認するため、予定通り奈良へ行くことを計画している。黒羽文弥は十師族四葉家の分家、黒羽家の次期当主である。

多摩地区にある安西勲夫の邸宅で、早馬は安西に対して報告を行っている。新ソ連の工作員からロシアンマフィアが協力者を求めているという情報が軽部絢奈を通じてもたらされた。安西は、マフィア・ブラトヴァというロシアンマフィアとシシリアンマフィアの連合体に言及し、欧米人が旧植民地の権益を守るために結成した秘密結社の実行部隊であると説明する。安西はこれまで国益を損なわない限り見逃してきたが、公安に協力を求めてマフィアを捕らえることを早馬に命じる。早馬は、安西の命令を疑わずに受け入れた。

九校フェスの下見のため、部活連の新会頭・五十院紀歌が風紀委員の茉莉花と生徒会役員のアリサに奈良への同行を依頼する。紀歌は女子同行者を希望しており、茉莉花とアリサはこれに応じるが、生徒会長・勇人は女子だけの旅行を危険視し当初は反対する。この議論中に前生徒会長・三矢詩奈と前会計・矢車侍郎が現れ、彼らが同行することで勇人は同意する。詩奈と矢車の参加は、生徒会室での会話を明が詩奈に連絡し、彼女たちが急遽加わることになった経緯がある。詩奈の十師族などとの繋がりもあり、彼女たちの同行により安全性が担保されることになった。

3

九校フェスが奈良市北部で開催されることになり、これは九島家のテリトリー内である。九島家は過去に十師族の中心的な存在であり、現在は返り咲きを目指している。しかし、外国の工作員や「魔法師キラー」と称される強化人間の流入が九島家にとって大きな問題となっており、九島家はこれを放置できない状況にある。特に次女の九島朱夏は、十師族への拘りが強く、この状況に対応していた。

ある日、三矢家からの連絡で、三矢詩奈が九校フェスの下見のために奈良を訪れることが九島家に知らされる。九島朱夏は、現在の不穏な状況を他家に知られたくなかったが、三矢家の訪問は工作員の問題とは無関係であることを知る。十文字家の長女も同行すると聞き、朱夏は迎えに行くことを決め、何かあれば九島家の責任になると考えていた。二人は、詩奈の訪問に備えて準備を進めることになった。

アリサと茉莉花が奈良へ行くことが決定した夜、早馬は千葉におり、暗色のスーツに着替えていた。彼は安西からの命令で、新ソ連工作員と二重スパイとして活動している軽部絢奈の監視をしていた。絢奈が暮らすアパート近くで、早馬は絢奈がマフィアに接触するとの情報を受け、監視していた。絢奈はマフィアに呼び出され、早馬は魔法[滑瓢]を使用して彼女を追跡し、魔法[メドゥーサ]でマフィアを一時的に動けなくさせた。その後、公安によってマフィアは拘束され、早馬はその場を後にした。この事件の訊問は公安が行い、結果は必要に応じて早馬の主人である安西に報告される予定である。

大学および魔法科高校は週六日授業を実施しており、魔法大学は欠席者への救済措置が手厚いため、文弥と亜夜子は金曜日の夜に安心して奈良へ向かった。豊橋の実家から諜報機器を満載したワゴン車で出発し、奈良には深夜に到着した。奈良では九島朱夏が単独で工作員に対処しており、公安の動きは限定的であった。文弥たちは、九島家の協力も得ながら、奈良に侵入したマフィア・ブラトヴァ一味の隠れ家を襲撃し、彼らを尋問することになった。この尋問は、彼らに対する文弥の威圧的な態度と、彼らの終わりを示唆する冷酷な発言によって行われた。

土曜日、放課後に茉莉花とアリサは、部活連会頭・五十院紀歌、前生徒会長の三矢詩奈、前会計の矢車侍郎と共に奈良へ向かった。奈良では九島朱夏が彼女らを出迎え、七人乗りのミニバンで宿泊予定のホテルへ案内した。ホテルは九校フェス会場の近くに位置しており、一高の生徒たちが期間中に宿泊する予定であった。夕食後、アリサと茉莉花は大浴場でリラックスする時間を過ごしたが、三矢詩奈と五十院紀歌は参加しなかった。二人はお互いのプライベートな話題で盛り上がり、特に三矢詩奈と矢車侍郎の関係について軽く触れた後、茉莉花がアリサに冗談を言って笑いを取ろうとしたが、アリサを誤ってお湯に沈めてしまうハプニングがあった。

翌日、五人はホテルで朝食を取った後、九校フェスの会場に向かった。会場は環状扇形に九等分され、各校が割り当てられたエリアを自由に使えるようになっていた。各校のエリアでは、ステージやプレハブ小屋の建設が進められており、準備は着々と進行中だった。会場の中央には多目的ホールがあり、各校のエリア同士は放射状に延びる幅四メートルの道路で隔てられていた。通路の確保に関する懸念があったが、紀歌は安全を保障した。その後、侍郎が不審者を見付け、追跡するも逃がしてしまう。彼らは侍郎が戻るのを待ち、彼が不審物を念動力で持ち上げて調査する場所を探した。詩奈は魔法協会の警備事務所を提案し、侍郎は呪物が安全に持ち運ばれていることを説明した。

呪物を仕掛けたマフィア・ブラトヴァの殺し屋は、侍郎に見つかるという誤算があったが、逃走に成功した。しかし、彼は黒羽文弥とその部下に見つかり、捕縛される。全ての出来事は黒羽家の結界、認識阻害の幻術の中で行われた。

魔法協会の警備員詰め所で、侍郎が呪物の分析を行った結果、それは一種の煙幕であることが判明した。この呪法具は濃密な想子の煙を充満させる結界を作り出し、外からの魔法的な探知と干渉を妨げるものだった。侍郎は呪法具が間違って起動しないようにするため、簡易版の封印である呪布を使用した。犯人は捕まえられなかったが、事前に企みを挫くことに成功し、満足できる結果となった。

予定していた現地調査を終えた一高生一行は、帰りのリニア新幹線に乗り込んだ。地元とのトラブルは心配ないという結論に達し、話題は呪法具に移った。その呪法具が何のために仕掛けられたのか、誘拐や暗殺目的ではないかと推測された。しかし、誰がそのターゲットかについて疑問が呈されると、司波達也が関係しているという噂が出た。詩奈は、司波達也を暗殺や誘拐することは不可能だと断言し、彼の絶対的な強さを理由に挙げた。詩奈によれば、司波達也は四葉家や十師族が束になっても敵わないほどの力を持っており、彼に手を出すことは自分の破滅を意味するため、誰もそれを試みる愚か者はいないという。

詩奈の推理に反して、司波達也の暗殺を企てていたのはマフィア・ブラトヴァの殺し屋であったことが判明した。安西の側近である鈴里からの報告によると、これまでにも暗殺の企てが何度か試みられていたが、全て司波達也によって未然に防がれていた。早馬は、司波達也の身辺警護は必要ないと考えられているが、マフィア・ブラトヴァの跳梁を放置するわけにはいかないと感じていた。一方、十師族の会合では、アリサの身辺に注意が必要かどうかが話題になり、彼女がマフィア・ブラトヴァによる仲間引き込みの企ての対象であることが明かされた。四葉家当主の四葉真夜は、アリサが危険にさらされる可能性があると警告し、十文字家当主の十文字克人はその忠告を受け入れた。

四葉真夜から警告を受けた十文字克人は、アリサがマフィアに勧誘される可能性があると知り、彼女の身辺警護を強化することに決める。このため、アリサの兄である勇人が、しばらくの間アリサと一緒に登下校することになった。アリサはこの決定に完全には納得していなかったが、勇人の説得を受け入れる。勇人はアリサに、十師族の一員として魔法師を憎む者や利用しようとする者から狙われる可能性があることを説明する。また、アリサは勇人に、性別による差が魔法師の実力に影響しないことや、男性が狙われる方が理にかなっている理由を説明する。その後、アリサは茉莉花に電話でこの状況を説明し、茉莉花は理解を示すが、二人の関係を「百合」とからかう。アリサは二人が親友であることを強調し、電話は茉莉花が切ることで終わる。

アリサたちの登下校に勇人が同行し始めてから一週間が経過し、その間にアリサの身辺に不審な人物の出没はなかった。しかし、実際にはアリサを誘拐しようとするロシア人犯罪者一味が活動していたが、彼らの企みは成功していなかった。アリサは通常、直接帰宅するか茉莉花のマンションに寄るかのどちらかで、茉莉花のマンションと十文字邸は非常に近く、十文字家のテリトリー内であるため、犯罪者が活動するには難しい状況だった。一方で、アリサが稀に他の場所に寄り道する時、マフィア・ブラトヴァのエージェントはその機会を狙っていたが、彼らの計画を阻止する者たちがいた。これらの者たちはアリサを守るためではなく、司波達也暗殺を目論む殺し屋たちを狩るために動いていた。

ある日、アリサたちが買い物をしている際に誘拐を試みるチームが動き出したが、彼らの計画は未遂に終わる。黒服黒眼鏡を着た男たちが彼らを迅速に制圧し、連れ去った。この黒服たちが誰であるかは不明だが、高度な幻術を使う者たちであることは確かだった。早馬もこの状況を見守っており、黒服たちの技術に興味と警戒心を抱いていた。

早馬の部屋を訪れた鈴里は、アリサたちを介入して救った黒服黒眼鏡の集団が「黒羽家」の人間である可能性を指摘した。黒羽家は「四葉家のさらなる闇」として知られ、その実態はほとんど明らかになっていないが、『黒羽文弥』と『黒羽亜夜子』の名は魔法界で有名である。鈴里の推測によると、黒羽家の行動はお芝居のようでありながら、彼らが目立つ姿で活動しているのは、目に見えても認識されない自信があるからだという。早馬は黒羽家、そして背後にいる四葉家が恐れられている理由を改めて実感した。

一方で、アリサと茉莉花は自分たちが狙われていることに気づいておらず、その日の買い物中に奇妙な感覚を覚えた。就寝前の会話で、アリサは認識阻害の精神干渉系魔法を感じたと述べ、茉莉花も同様の感覚を持っていたことを認めた。アリサはこの魔法が彼女たちを狙う者によるものではなく、別の第三者によるものである可能性を指摘し、茉莉花はそれがアリサの味方である可能性を提案した。二人はこの未知の第三勢力について議論し、それが誰であるかはわからないが、彼らがアリサの味方であることには合意した。

5

黒羽亜夜子は、調布にある黒羽家のマンションで、マフィア・ブラトヴァ一味の訊問結果を記した報告書を読んでいた。そこに帰宅した双子の弟、文弥とのやり取りを経て、マフィア・ブラトヴァの大規模テロの計画について議論する。文弥は、奈良で影武者を使う計画の打ち合わせで本家の花菱さんと会っており、マフィアが全面対決を辞さずに自爆テロを仕掛ける可能性があること、特に超小型戦術核によるテロの可能性があることを亜夜子に伝える。盗まれたウラン235から作られる可能性のある核爆弾について、達也が精製されたウランの大雑把な場所を特定しているが、具体的な所在地は不明であることを共有する。

事件への対応策として、亜夜子と文弥は達也の影武者を使ってマフィアを九校フェスの会場に誘い出し、彼らを狩る作戦を立てる。影武者役を務めるのは、達也と体形が酷似している古葉敦也で、彼は達也の代わりとしてマフィアのターゲットになることを受け入れている。この計画にはリスクがあるが、敦也は自己犠牲の精神を持っており、達也の影武者としての役割を果たすことに疑問を抱かないであろう。

6

九校フェスは十月二十二日から三日間開催され、魔法科高校生なら誰でも参加できる。交通費は協賛企業と十師族を含む有志の寄付で賄われ、宿泊費は魔法大学と魔法協会が半額ずつ負担する。小陽はバイク部とロボ研の自動走行バイクのデモンストレーションの準備で、日和と共に奈良へ向かった。アリサと明は堀越愛茉の研究発表のリハーサルを手伝い、茉莉花も参加することになった。愛茉の研究は全感覚型VRゲームシステムで、重力制御魔法と慣性制御魔法を使って現実の運動感覚を再現し、陸上の運動パターンに対応している。将来的には空中や水中の仮想現実も可能になり、魔法師がいれば一般人も自由に空を飛んだり水中を泳いだりする体験ができるようになる。愛茉は魔法にもっと夢があって良いと考えている。

アリサは茉莉花と明を研究発表の準備に残し、生徒会室で九校フェスの最終準備を行っていた。明は愛茉のVR魔法システムのアシスタントとして研究発表に関わっており、五十里家の刻印魔法もそのシステムに用いられている。生徒会では、勇人、アリサ、水戸一二三が宿泊予定の変更や業者への未払いなど最終確認作業を進めていた。この時、部活連会頭の五十院紀歌が追加予算を要求しに来た。彼女は音楽部のリードが足りなくなったため、急遽予算が必要になったと説明した。一高生徒会には先日寄付された大金があり、予備費として使うことができたため、紀歌の要求は受け入れられることになった。アリサが紀歌から詳細を聞き出して書類作成を行い、その後の手続きは水戸が担当することになった。

九校フェスの初日、アリサはステージ組と共に奈良へ向かい、茉莉花も同行した。会場には何事も無く到着し、特に事件やトラブルに遭遇することもなかった。アリサたちは一高に割り当てられた展示区画へ向かい、他校の生徒とも交流した。生徒会役員として、他校の生徒との衝突を事前に防止し、起こった衝突を抑える役割を果たしていた。午前中には、バイク部&ロボ研のデモンストレーションを観賞し、昼食後は三高のエリアで茜とレイラの剣舞を見学した。剣舞は予想外のコスチュームと本物の斬り合いを思わせる迫力で、アリサには少し怖い体験となったが、茉莉花にとっては満足のいく観賞だった。最終的に、アリサと茉莉花は手を取り合って会場へ戻った。

九校フェスの二日目は、一日目に比べて混雑や座席争いが少なく、概ね平和に終わった。ステージの演奏や演芸はこの日で終わり、展示は翌日も続くが、人を使ったデモは主に二日目で終了した。公開時間が終わると、あちこちで片付けが始まり、アリサたちが見回りをしていた際に、紀歌が声を掛けてきた。紀歌は一日目と二日目に見回りに加わらなかったことを謝罪し、茉莉花はこれに対して、特にすることがなかったと応じた。茉莉花は、九校フェスへの参加が意味があると感じ直し、自身の考えを改めた。紀歌は明日の見回りに参加することを約束し、アリサは紀歌に各部の撤収作業の監督を頼んだ。

7

九校フェス二日目の夜、会場は静まり返り、撤収作業も終了して全員が会場を後にした。その静寂の中、怪しい集団が侵入しているが、彼らの間には相反する目的を持つ者同士の暗闘が存在していた。一方、一高生たちはホテルで過ごしており、翌日の研究発表チームが東京から到着した。勇人は代表の愛茉を出迎え、研究発表チームは疲れていたが、愛茉は夜食を取ることにした。アリサと茉莉花は、疲れた明を大浴場に連れて行き、彼女がリラックスする様子を見守った。明は疲労からか、茉莉花にもたれかかりながら冗談を言い、茉莉花は彼女の髪を乾かす手伝いをした。アリサも茉莉花の髪を手入れし、三人は互いに支え合う姿を見せた。

ホテル内では平和な時間が過ごされていたが、一方で九校フェスの会場では、闇の中で怪しい一団が活動していた。彼らはマフィア・ブラトヴァの暗殺工作員で、半数が新ソ連からの密入国者、半数が現地で調達されたテロリストで構成され、小型爆弾を会場内に仕掛けていた。しかし、九島朱夏が指揮する「九」の合同部隊がこれを阻止し、暗殺者たちは次々と捕縛された。この作戦は九島家の「仮装行列」という幻術魔法を用いたもので、一人を除く暗殺者は全員捕まえられた。逃げ延びた最後の一人は一高生が宿泊するホテルへと向かったが、そこで風紀委員長の早馬によって、勇人の魔法で捕縛された。この事件は、司波当主の婚約者であるアリサが暗殺の対象とされる噂に関連しており、勇人はこの事態に動揺していたが、魔法の力で侵入者を捕らえて警察の到着を待っていた。

ホテルにはパトカーと護送車が到着し、現行犯で逮捕されたロシア人強化人間は、公安の超法規的取調施設に運ばれた。この事実は一高生の早馬だけが知っていた。一方、黒羽家の別荘で、亜夜子と文弥は早馬が公安と関連がある一高生であることについて話していた。早馬は公安を使う立場にあり、その背後には四大老・安西勲夫がいることが示唆された。この情報は、彼らが高校を卒業する際に四大老の存在を教えられたことと関連している。また、ロシア人強化人間がホテルに逃げ込んだのは、黒羽家の魔法師たちの誘導によるものであったが、九島朱夏や誘酔早馬はその裏で黒羽家が動いていたことに気付いていなかった。

8

九校フェスの最終日には、各校代表による研究発表会が行われる。これは、過去に行われていた論文コンペの伝統を受け継いだもので、研究発表会では順位を付けずに行われる。展示エリアでは無人の展示のみが残されており、この日のイベントは研究発表会のみである。生徒たちは順位がないことから、自由にのびのびとした発表が行われている。発表は魔法の実演を伴う形式で、開幕前には各校が実演用の機材を多目的ホールに慌ただしく運び込んでいるが、時間的な制約から安全チェックは万全ではない状況だ。

一高の研究発表チームは、バイク部&ロボ研が使用していたテントに大型機材を運び込んでいた。アリサは作業指揮をしている愛茉に他校の進捗について問いかけたが、愛茉は発表順番が後ろから二番目であるため、急ぐ必要はないと返答した。研究発表用の装置は、前夜遅くに奈良に到着したため、テストする時間がなく、その大型テントでの動作確認が必要だった。疑似全感覚VRシステムの核となる三百六十度動作捕捉システムのテストが行われ、機材の異常がないか確認された。予測データとCADの変数リンクが確立され、テスターによるVRゴーグルの調子が確認された後、動作確認テストが開始された。

多目的ホールで勇人は研究発表の代表チームの到着を待っていたが、彼の焦りはプレゼン機材の搬入が間に合うかどうかではなく、アリサが長時間目が届かない状態にあることに対するものだった。早馬は暗殺者やテロリストの動向に警戒を続けており、二人は暗殺者からの情報を警察が得られているかどうかについて話していたが、まだ具体的な成果は期待できない状況だった。その後、愛茉たち代表チームが到着し、勇人はホッとした気持ちを隠しながらアリサたちに近づいた。勇人がアリサと別行動を取っていたのは、生徒会長としての責務があったためで、他校の機材搬入に立ち会う必要があった。勇人はアリサの安全を気にしながらも、役割分担に従って行動していたが、愛茉が時間ギリギリまでプレゼン機材を持ってこなかったため、状況は勇人の想定外となっていた。

研究発表会が始まり、魔法協会主催の論文コンペとは異なり、魔法科高校九校の合同行事としてラフな雰囲気で開会された。客席には多くの企業から研究者が参加しており、一高の発表は最後から二番目に予定されていた。代表チームは客席に腰を落ち着け、明は落ち着かなげに周囲を見回し、特に来賓席を注視していたが、落胆していた。アリサが明に司波先輩を探しているのか尋ねると、明は強がったが、愛茉の話により司波先輩が午後から来ることが判明し、明の気持ちが少し明るくなった。しかし、魔法大学の先輩からのメールによる司波先輩の言及について、明は不機嫌になり、その先輩と話が合わないと断言した。

各校の発表が予定通りに進み、昼食休憩の時間になった。会場周辺にレストランが少ないため、多くの参加者がホール内の施設を利用し、レストランは満席状態となった。一高は事前に奈良市内の業者から注文した弁当を食べていた。茉莉花は食後に屋台を見に行くことに興味を示し、最初は見るだけと言いつつ、最終的にはデザートを買うかもしれないと認めた。アリサと茉莉花は屋台を見に行くことにし、勇人は女子だけでの行動に懸念を示したが、アリサは茉莉花と一緒であることを理由に外出を決め、勇人の心配をよそに部屋から出て行った。

早馬は昼食時に一緒に食べず、屋台を巡りながらマフィア・ブラトヴァ一味の侵入を探っていた。彼は、アリサが茉莉花と共にホールの外に出ていくのを目撃し、勇人が同伴していないことに驚く。アリサが狙われていることを知っているにも関わらず、警戒感が欠如しているように見えた。早馬は、マフィア・ブラトヴァの計画が今日に限定されているわけではないと考え、アリサの安全を憂慮していた。しかし、アリサを呼び止めようとした瞬間、見張られていることに気付き、その視線は警告の意味を持っていると感じ取る。早馬はその警告を無視できず、行動を自制した。

多目的ホールの周りにはスイーツの屋台が多く設置されており、特に和菓子系のお菓子が目立っていた。茉莉花は小さな鯛焼きを一つ手に取りながら、アリサに「見られているかもしれない」と不安を表明した。アリサはその視線を感じ取ることができず、しかし茉莉花の感覚を信じて、二人は早めに勇人たちがいる控え室に戻ることに決めた。アリサは自分が狙われていることを自覚しており、茉莉花もアリサの安全を優先して行動を急いだ。

午後の部が始まり、午前中に五校の発表が終わった後、残り四校のうち一高は三番目に発表を行う。三高の発表直前に、客席にざわめきが生じ、その焦点は魔法大学関係者の招待席にあった。明が感極まった声を上げ、彼女が憧れる司波達也が来場したことを示唆する。しかし、アリサと茉莉花は司波達也の来場に違和感を覚える。その話は他校の発表中には話せるものではなく、アリサはこれから起こるかもしれないとんでもないことについて考えていた。

三高の発表が終わり、アリサ、茉莉花、勇人の三人は人気のない場所を求めて歩き回り、三階のバルコニーにたどり着いた。アリサは勇人に、来賓席にいる司波達也が本物かどうかを疑問視する。二人は、その人物が本物の司波達也とは思えないと感じており、勇人はその話を聞いて深刻に考え込む。アリサは、四葉家が影武者を送り込んできた可能性を考え、勇人は九島家に連絡を取り、対応を依頼する。九島家を含む「九」の各家は、マフィア・ブラトヴァの活動に対応しており、人員増員の約束を得る。勇人は、アリサの安全を最優先にし、他の一高生の安全も確保しようとするが、完全なテロ防止は難しいと認識している。

「九」の各家、特に九島家は、テロが起こると大きなダメージを受ける立場にあるため、簡単に割り切ることができない。朱夏は勇人から四葉家が達也の影武者を派遣してきたことを聞き、ショックを受ける。彼女は四葉家の意図を知らず、影武者の派遣をテロリスクが高まっているためと解釈し、急いで九校フェス会場に増員を派遣するよう命じる。兄の玄明に連絡を取り、四葉家からの報告がなかったことに対して不満を述べ、四葉家に抗議するよう求める。

早馬は来賓席の「司波達也」が偽物であることに気付き、四葉家の意図を理解できずにいた。彼はテロのリスクが高まっているから四葉家が身代わりを送り込んだとは考えておらず、四葉家や司波達也がテロリストを恐れるとは思えなかった。早馬にとって、四葉家の行動がマフィア・ブラトヴァの動向以上に不気味であり、安西から情報を求めたいが、それは自己の能力不足を認めるようなものであると感じていた。また、自分を監視していた謎の視線についても悩んでいるが、その視線が敵ではないとは思いつつも、味方と断定することもできずにいた。最終的には、暗殺工作員一味を探すことに焦点を当てることにし、公安が得た情報を基に、敵が自爆テロを企んでいると推測していた。

バルコニーで密談を終えたアリサ、茉莉花、勇人の三人は、客席に戻らずに代表チームがいる控え室へ向かった。勇人が代表して愛茉に発表をステージの袖から見る許可を求めたところ、愛茉は快諾した。アリサが「客席に変な人がいる」という理由をでっち上げて説明したが、愛茉はこれをアリサが目立つために変な人から注意される可能性を指すものと誤解し、その理由でステージの袖からの観覧を許可した。愛茉は人数制限がないため問題ないとし、アリサと茉莉花は感謝の意を表しつつ、茉莉花も控え室に残ることになった。

七番目の発表が終了し、一高のチームはプレゼン装置のセッティングを開始した。この時、早馬はアリサと茉莉花がチームの中にいるのを見て少し安堵した。彼は、客席とステージの距離を考慮し、来賓席での騒動がステージに影響する可能性が低いと判断し、勇人がこの配置を意図したと理解した。早馬は来賓席近くの警備員の中に一人の不審人物を見つけ、その人物が特殊メイクを使っていることを見抜いた。この技術は、安西の側近として必要な技能であり、来賓席にいる古葉敦也が達也の影武者であることもこの技術で見抜いていた。プレゼンの準備が整い、愛茉がステージに上がって発表を始めた際、客席の雑音が消えた。発表中にはプロジェクターが使用され、その際に客席の照明が落とされる予定であった。

愛茉の発表テーマは『魔法的 VR体験』で、ゲームのような内容であったが、魔法を利用したVRシステムについての真面目な発表だった。発表中、テスターが無重力状態で浮いているデモンストレーションが行われ、視覚と聴覚だけでなく触覚をも含むVR体験に関して詳細が語られた。発表の途中で客席の照明が落とされ、運動実感の不足について説明された。この間、早馬は認識阻害魔法[滑瓢]を発動し、来賓席に紛れ込んだ偽警備員と思しき人物に近づき、彼の背後から軽く叩いてその男を無言で出口に誘導した。ステージでは加重系魔法を使ったデモンストレーションが披露されていた。

客席から警備員と一緒に退出する早馬に、聴衆は誰も気が付かなかったが、ステージの袖にいた茉莉花は、警備員と一緒に退出する早馬を視認していた。最初は早馬が警備員に連れ出されていると思ったが、すぐに事実が逆であることに気付いた。茉莉花は早馬が警備員に変装したテロリストを連れ出しているのではないかと推測した。テロリストを取り押さえた早馬の加勢に行こうとしたが、すぐに思い直し、アリサを守ることが最優先事項であると自分に言い聞かせた。アリサが何か訝しがり訊ねたが、茉莉花は「何でもない」と答え、何が起こってもアリサの側を離れない決意を固めた。

廊下に出た早馬は、スーツ姿の若い男性に呼び止められた。その男性は「九」の一つ、九鬼家の長男、九鬼圭祐であった。早馬は偽警備員の意識を精神干渉系魔法で拘束したまま、自己紹介をし、不審者を拘束したことを報告した。九鬼圭祐は会場の警備を手伝っていると自己紹介し、早馬はその不審者を九鬼に引き渡した。早馬は、安西の配下として、工作員の捕獲人数などで功績を競うつもりは無く、暗殺者を引き渡してから再び客席へ戻った。

愛茉の発表は絶賛と戸惑いに二分された反応を受けたが、彼女自身は満足していた。彼女のテーマは『魔法的 VR体験』で、伝統的な魔法の用途に対する新しい提案を行った。魔法=兵器という常識に挑戦し、魔法をもっと自由で夢のあるものとして提案したのだ。愛茉は、このようなテーマがすぐには理解されないことを予想しており、それを成功の証と捉えていた。彼女の目指すのは、魔法を生活を豊かにする技術として再定義し、その過程で魔法師の宿命を変えることである。愛茉のこの革新的な考え方は、一部の人々には理解されにくいが、社会に新たな視野を提供するものであった。

九校フェス会場周辺の道には、ロックされていない自走車が多数放置されていたが、その乗員は神隠しに遭ったかのように消えていた。警察はこれを一時的にカメラを麻痺させる未知の技術を使った集団誘拐事件と結論づけた。また、展示エリアの空のプレハブ小屋には拘束されたり気を失った人々が運び込まれており、これらの人々は「九」の配下たちによって発見され、警察に通報された。彼らは乗り捨てられた自走車の乗員ではなく、武器や小型爆発物を所持している危険人物で、テロリストとしてマークされていた。一部の者は「M●Bに襲われた」と証言したが、薬物の影響での幻覚とされた。

亜夜子と文弥は、マフィア・ブラトヴァ一味のメンバーを全て捕獲し、ワゴン車の荷室に詰め込んだ後、奈良での暗殺計画に終止符を打った。彼らは、黒羽家の部下や「九」や安西の部下によって捕らえられた殺し屋たちを処理し、重要な情報を持つ者は持ち帰り、その他は警察に引き渡すか動けなくして放置した。途中、核兵器テロの可能性に直面したが、最終的にはすべての危機を乗り越えて撤収し、豊橋の実家に向かった。

亜夜子と文弥は、ロシアから密入国したマフィア・ブラトヴァ一味のメンバーを全て捕らえ、一部を『九』や安西の部下に引き渡し、残りをワゴン車の荷室に詰め込んだ後、奈良を舞台にした暗殺計画に関わった者たちを狩り尽くしたことを確認した。彼らは、暗殺計画に関わった殺し屋たちを拘束し、重要性が低い者は警察に引き渡し、重要な情報を持つ可能性がある者は持ち帰り用に選別した。途中で核兵器テロの可能性があることを知り、不安を感じたが、最終的にはすべての処理を終えて豊橋の実家に向かった。

9

九校フェス終了後、一高は通常の学校生活に戻り、月例試験は中止された。生徒たちは勉学や課外活動に集中していたが、生徒会室では勇人と一二三が九校フェスの費用処理に追われており、アリサと明は比較的忙しく、茉莉花はお菓子作りをして時間を有効活用していた。勇人は他のメンバーに休憩を促しながら自身は作業を続けた。休憩中、茉莉花が作ったマロンクリームマフィンが好評で、明は司波達也からの手紙とFLTへの招待に興奮していた。司波達也は明の重力制御魔法に興味を示しており、それがFLT招待の理由だった。この話題は茉莉花にも喜びをもたらし、明はこの機会に達也からサインをもらうことを楽しみにしていた。

安西の使者として鈴里が早馬のマンションを訪れた。早馬は、奈良での任務において安西の期待に応えられなかったことを謝罪し、鈴里からはその必要がないと告げられる。早馬には新たな任務が与えられ、一週間以内に再び奈良を訪れ、九島朱夏に安西の言葉を届けることが求められた。九島朱夏が同意すれば、早馬が彼女を安西のもとへ案内することになる。安西からは九島朱夏が拒否した場合、特に何もする必要はないとの指示があった。早馬はこの任務を受け入れ、鈴里に深く一礼して忠誠を示した。彼は、安西の命令が拒まれることは考えていなかった。

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