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長月の稽古帖_美しい歳時記と佳人の作法

礼儀作法師範 葛西美雪です。

少人数制で静かに開催している礼法教室
「美しい歳時記と佳人の作法」では

伊勢流・小笠原流礼法のふるまいを中心に
日本の礼儀作法に宿る「美・品性・風格」の
知識と教養を一緒に磨いております。

「礼法ってどんなことをしているの?」

問い合わせをいただきますことから
どんなことをしているのかを
稽古帖として綴っていけたらと記事にいたしました。

今回は長月におこなった稽古をレポートいたします。


1.和室の基本動作

毎回必ず行っている基本動作。

和室でのふるまいが心得られると
自然と洋室のふるまいも美しくなります。

襖の開け閉めも
お辞儀の仕方も

和室だけでなく、洋室でのふるまいにも活きてくるのです。

ふるまいと言葉遣いには、性格だけでなく
その人の生きてきた環境が表れます。

昨今、「育ち」という言葉で括る事が多いのですが、
自分の歩んできた歴史、今いる環境が
ふるまいに表れてしまう。

であれば、歴史ある正しい礼儀作法は
必ず受講者の味方になる。
であるから、しっかりじっくり習得を目指すのです。

2.酒宴の作法

社会人になるとついてまわるお酒のマナー。
学生時代の「楽しんでワイワイお酒を飲む」というシーンから
「取引先と上司を立て」「全体に心配りを欠かせない」
という気遣いが必要とされ、若い方は面倒としか思わないでしょう。

中には、お酌の注ぎ方に「トンデモ作法」があったりと
何が正しいのか分からない「お酒の作法」

教室では
鎌倉時代から江戸時代の故実書に見える、
酒の作法の出現から展開をお伝えし
「お酒の作法がどうしてこんなにも必要とされたのか」
を発見する機会とします。

知れば納得なのです。

また、ふるまいでは
お酒の注ぎ方、いただき方を
様々な酒器で試していただきました。

3.美しい歳時記より

日本文化を語る時
季節の移り変わりを感じとる力が必要とされます。

夏から秋の風情を
文学の文化から感じ取ります。

重陽の節供では、額田巌先生の書籍をご紹介し
菊の国文学と題し、菊のあれこれをお伝えしました。

十五夜の稽古は、せっかくなので窓を開け放ち
虫の声を聞きながら、ふるまいを学びました。

自然を感じながら稽古をするのは贅沢なこと。
とてもすばらしい宵の稽古となり、皆さんより好評をいただきました。

また、ある日の直会は
濃い目のほうじ茶と菊の生菓子。

受講歴が長い方に率先してお手伝いいただき
呈茶の仕方も実践していただきました。

香ばしいほうじ茶のおかわりも進み
皆さんのお話がはずむ楽しいひと時。

9月長月の稽古も暑い日ばかりでした。
お集まりいただきありがとうございます。

10月神無月の稽古は
結婚式シーズンとあって、関連するものである
祝儀包みの折形、袱紗の扱い、扇子の国文学をお伝えしいたします。

レポートが遅くなってしまいました。
10月もどうぞよろしくお願いいたします。

毎月月初に、「美しい歳時記カレンダー」が届きます。楽しいはず!


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