『進撃の巨人』第一巻の感想
ついに、あの大ヒット漫画、別冊少年マガジンに連載されていたダークファンタジー『進撃の巨人』の1巻を読んだ。
かなり凄い漫画だと感じた。一言ではとても言えない。
十代や二十代前半の感受性豊かだった頃、手塚治虫の漫画を読み、さすがは天才だと心底感動したものだったが、『進撃の巨人』はそれ以上の衝撃である。
さすがは、世界的な大ヒット作になるだけの事はあると思った。まあ商業的な成功が必ずしも名作の証ではないし、逆も真なりだが、これに関しては本物だと思う。
電子書籍のコミックで読んだのだが、おまけページには、解説用のイラストと共に、長文で世界設定が書かれていた。
読み飛ばさないで読んでしまうのである。物語にもキャラクターにも、リアリティ、別な言い方をすれば、この場合は存在感を感じたので、つい引き込まれて、ストーリーの中で出てきた以外の設定も知りたくなったのである。
主人公エレンとヒロインのミカサ、二人の友人のアルミンは壁(街を守る城壁のような物)の内側に暮らす人々を巨人から守るための兵士となる。
そのバトルシーンは、死亡率高くなかなかに過酷である。終わり頃には、エレンがアルミンを助けようとして、反対に巨人に飲み込まれてしまう。で、次巻に続く。
そんな過酷なダークファンタジーだが、兵士たちが身に着ける立体機動なる防具は、少年の心をくすぐるような、魅力的な仕掛けである。
その立体機動と、壁の詳細について特別におまけページで説明されているのである。
情け容赦ないダークファンタジーのように見えて、こんな遊び心もある。
ダークファンタジーが、過酷さや残酷さだけならあまり読まれないと思うので、他にも魅力的な要素が必要になる。
ヒロインのミカサは、美しく品があり、とても強い。主人公のエレンよりも。
そんな非現実的なキャラクターだが、実際に漫画を読むと、実に生き生きと感じられる。きちんと、単なる作り物くさくない存在感があるのだ。
その存在感はキャラ単体で生まれるだけではなく、世界観や他キャラの作り込まれた、やはり生々しいまでの存在感によっても引き立てられているのだろう。
マガジン系の主人公は、たとえばジャンプ系の主人公に比べると、あまり綺麗事のような事を言わない傾向にあるようだが、『進撃の巨人』のエレンも、自分自身が壁の中から自由になりたい、巨人を駆逐したいという一心で行動する。
TwitterXのほうで、いくらかはネタバレを見てしまったので、どうも最終段階ではエレンの扱いに対しては読者から賛否両論になるらしいが、単純に全肯定されるようには描かれていないらしい。
そう思って見るからかも知れないが、他をあまりかえりみないで、自分の意志にだけ真っ直ぐなところは、確かにやや危うさを感じさせる、気がする。
見ようによっては、まさにそこが魅力だとも言えるが。
まだ1巻しか読んでいないのだが、当分は『進撃の巨人』の事で頭がいっぱいになりそうな気がする。
もちろん、他の漫画も読んでまた感想を書くとは思うが。
アニメ版の主題歌は、海外のファンに特に人気らしい。トップ20位以内に3曲もランクインしていたそうである。
そのうちの1曲がこれだ。
特に3番の歌詞が個人的にはかなり刺さるものがあった。
さて、それではまた2巻の感想も書こうと思う。『魔女と野獣』とは異なり、『進撃の巨人』は原作漫画のほうを先に読もうと思う。先の話になるが、アニメ版も観てみたい。
それでは、今回はここまで。
読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。
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