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サスペンスなのにテンション上がる名言満載の「サイコパス」

誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう誰も他人を必要としない。どんな才能もスペアが見つかる。どんな関係でも取り換えが利く。そんな世界に飽きていた。
アニメ/サイコパス  槙島聖護 CV:櫻井孝宏

このセリフを初めて聞いたのが2013年の頭。エアコンのききが悪いメチャクチャ寒い部屋でガチ泣きしながら見てたのを今でも覚えてる。

こんな事を言うと暗いとか内向的とか言われるが、僕は「僕の変わりはどこにでもいるし、ある」と子供の頃から思ってたし、今でもそれは変わらない。かけがえのないものなんて、実はこの世に無いんじゃないかとさえ思ってた時期もあった。

更にこの頃の僕は、デザイナーからIT系の営業職に転職して2年経過し、そこそこの成績で新規事業を任されたりしたものの上手くいかず、鬱病になってぶっ倒れてた状態。

友達も作らず離婚もしてて彼女もおらず、仕事にも行けないボクに出来る唯一の気分転換は、アニメや映画の視聴か妄想くらいで、どんどんどんどん気持ちが落ちていくのを感じていた。その状態でこのセリフは、ぐっさりと僕に刺さった。

「ガチ泣き」と言っても、サイコパスはスポコンとか恋愛の感動アニメじゃなくて、近未来都市で起こる猟奇殺人を中心に話が展開していく話でサスペンス要素が強く、羊たちの沈黙とかセブンが好きな僕は1話からドはまりして、録画した話を何度も何度も見てた。

このサイコパスは印象に残るセリフが多い。

いわく、人間は心の暗部。内に秘めた残虐性を正しく自覚することで、それを律する良識と理性、善意を培うことができると…。彼はそのための啓発として、自らの創作活動を定義づけていた。
アニメ/サイコパス  槙島聖護 CV:櫻井孝宏
言葉、手紙、通貨、電話。この世に存在するありとあらゆるコミュニケーションツールはすべて、この社会性を強化するためのものだ。
アニメ/サイコパス  マサオカのとっつぁん CV:有本欽隆
ネットって、ものを調理するための刃物とか、記録するための祇とか、そういうレベルのものじゃないですかね。いい悪いじゃない。そこにあるんだから受け入れる、使うって言う。
アニメ/サイコパス  常守朱 CV:花澤香菜

このセリフだけ切り取っても、見てないとなんのこっちゃ分からないかも知れないけど、当時の僕の心にグサグサ刺さってた。しかもコレがまたいい声で耳元まで届けられるので、より一層の衝撃がある。

毎話のように真理を突き付けられて「お前はどうする?」って聞かれてるような感覚になって、見終えた後は気持ちが沈んだ。でもその沈み方は気持ちよかった。「なぜ僕はこの世界にいるのか?」と考えたときのゾワッとする感覚に近い。

そんな感覚を重ねて重ねて、最初に書いたセリフが出てくるのは最終話。

自分の手は汚さず、圧倒的なカリスマ性で、犯罪者に犯罪を重ねさせてきた男の本音。あのセリフが耳に入ってきた瞬間に涙が出た。

近未来の話ではあったけど、脚本を書いた虚淵玄さんが生きてるのは現代。もしかして僕以外にも同じような事を考えてる人がいるんじゃないか。これだけすごい物語を描いて、色んな人間を感動させてるような虚淵さんでも「自分の代わりがいる」と思ってるんじゃないか。

そんな想いが一瞬でバァーーーーーーーーッと脳内に広がっていくと同時に、暖かい毛布をフワッとかけられたような温かみが全身に広がり、沈んで冷たくなってた体や気持ちがほんの少しだけ熱が戻った気がした。

その日からしばらくの間、考えて考えて「クリエイティブってやっぱすげ~!」という答えに辿り着く。◀この辺りの思考は本当に単純

そして、僕みたいなやつが他にもいるなら、僕のように助かる人間もいるんじゃないかと思った。今の自分に物語はかけないけど、デザインは出来る。営業で役には立てなかったけど、何かを作って何かを発信する手伝いをしながら、いつか誰かが救われてくれればいいなと思った。◀今思えば純粋に小説家とか脚本家めざせよと思ったりもする

結局、デザインとかクリエイティブな現場に戻るまでには、4年かかったけど、今はその最前線にいる。当時は挑戦すらしなかった小説や脚本にも改めて興味が出てきた。

誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう誰も他人を必要としない。どんな才能もスペアが見つかる。どんな関係でも取り換えが利く。そんな世界に飽きていた。
アニメ/サイコパス  槙島聖護 CV:櫻井孝宏

正直焦りはあるけど、あの時このセリフに出会ってなかったら、10年たっても何もしてなかったかもしれない事を考えると、今は目の前の事だけをやっていこうと素直に思える。

2019年にサイコパスの新作映画も公開されるみたいで楽しみ

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