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公務員にもマーケティングは必要ですか?(10) ~SIPSモデル~

前回の続きです。先週は更新できず申し訳ありませんでした。
前回ご紹介したAISASモデルの具体的事例として、RIZAPを取り上げてみたいと思います。
ところで、RIZAPは先日、業績予想を大幅に下方修正し、株価もストップ安まで値を下げたようですので、今後の動向が気になるところです。
今回ご紹介するのは、世間で注目を浴び始め、飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃のモデルです。


RIZAPのAttention(注意、認知)といえば、もはや超有名なアノCMですよね。
アノ音楽とアノ劇的ビフォーアフターの映像は、思わず「ん?なんだ?ナンダ!?」と見てしまいます。
普通のCMならその間にトイレに行ったり、ちょっと他のことをしたりしますが、まずアノ音楽で注意を引き、さらに強烈な映像を見せることで視聴者の関心が離れないようにしています。
そして、質より量ですので、大量にCMを流しています。

Interest(関心)の段階では、ターゲットとなるビジネスパーソンがよく知る有名人(初期のCMに出ていたのは森永卓郎、赤井英和、香取慎吾など)を使うことで、さらに興味関心を引きます。
また、「2か月で、結果にコミット」という分かりやすいキャッチコピーも効果的です。

次にSearch(検索)の段階になると、ホームページの情報を充実させています。
科学的根拠や実際の数値を詳細に見せることで「結果」が出そうだと思わせる。
CMだけでは「どうせただの誇大広告やヤラセだろう」と思ってしまいますが、具体的なデータや写真などをみると、にわかに説得力が増します。
あの有名人だって出来ているし、これなら自分にもできそうだと思います。

また、強いアフィリエイターを起用していることも効果が大きいですね。
イイことばかりでなく、費用が高いことやトレーニングや食事制限の大変さも伝えますが、最終的にはやってよかったと言ってもらうことで、ネット上での批判的意見も遠回しに否定することができます。

Action(行動、購入)の段階では、やはり高額な費用がネックで行動できずにいる人に対して、30日間の全額返金保証で背中を後押しします。
エステや通販などでは一般的だった制度ですが、これをフィットネス業界にも取り入れたのがRIZAPだそうです。
これにより、せっかく高額な費用を払ったのに、「自分に合わなかったらどうしよう」とか「続かなくて辞めてしまったらどうしよう」と迷っている人でも、30日間の全額返金保証があるならやってみようかな、と一歩踏み出しやすくなっています。

最後のShare(共有)の段階では、何といっても自分自身が劇的ビフォーアフターを遂げていますので、誰かに自慢したいし、達成感を共有したくてSNSなどで写真をアップしたりします。
また、テレビで芸能人がダイエット企画などをやるのも効果があり、視聴者はダイエットの大変さやその達成感を疑似体験することができます。
RIZAPとしては、会員の紹介制度やトレーナーとの人間関係を構築することで、幽霊会員を作らない工夫もしているそうです。

SIPSモデル

次は、さらに最近のSNSなどに特化したSIPSモデルのご紹介です。

Sympathize:共感する
Identify:確認する
Participate:参加する
Share & Spread:共有・拡散する

SNSにおいて、商品やサービスを紹介するのは、マスメディアではなく自分と同じ消費者側の誰かであり、ここがAIDMAモデルやAISASモデルとの大きな違いです。
これまでは、まずマスメディアにより宣伝されることを前提にしていましたが、SNSにおいては一般人が不特定多数の人に紹介できるようになりました。
自分と親しい、あるいは自分と近い立場の人からの紹介なので、比較的に共感(Sympathize)しやすく、すぐに確認(Identify)します
または、自分で共感したい情報を探すことも容易になりました。

そしてそれらの情報は、購入(Action)ではなく「いいね!」や「シェア」、「リツイート」などの行動で参加(Participate)することで、また共有(Share)され拡散(Spread)されていきます

SNSにおいては特に、「共感」できるかどうかがカギを握っている訳ですが、共感の入口も2つあります。

①情報そのもの
②発信元=誰がその情報を言っているのか?

②の発信元については、やはりファンの多い有名人などが最も共感を得やすいでしょうが、市町村レベルの自治体ではなかなか難しいので、行政の信用力を活かして知恵を絞っていくのが良さそうです。

共感を得るためには、やはり相手のことをよく知る必要がありますので、3C分析STP等でニーズや状況をきちんと把握することが重要です。
加えて、そこには思い通り・計算通りには動いてくれない顧客心理も絡んできますので、次回は行動経済学・顧客心理について触れてみたいと思います。

つづく

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