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横浜支部鑑賞会(2024.4.21)

昨日の東京都支部に続き、今日は横浜支部の刀鑑賞会に参加してきました。
本部から5振借用してきての鑑賞(入札鑑定)なので、銘は公開出来ませんが、3本入札で結果は以下でした。


1号刀:同然

中切先で身幅尋常、大摺上げ姿。乱れ映りが鮮明にたち小沸出来で匂口が締まり刃が冴える。直刃に小足が良く入り、部分的に逆がかったような刃も見える明らかな片落ち互の目などは見られない。
帽子はいわゆる三作風に見える。
刃区あたりが二重刃っぽくなっている箇所があり悩まされるが、正統系で入札して同然。正解は本筋から一格落とした刀工でした。
出来はぱっと見で重刀と分かる出来。


2号刀:能→能→時間切れ

地は板目に杢が交り、地沸が一面にびっしり付いていて小丁子の刃文が華やか。乱れ映りが現れ、反りが深い。帽子は乱れ混んで焼き詰めているように見える。貫禄ある出来で非常に位が高く見える。
平安~鎌倉初期位の備前物と見て入札。能。
少し時代を下げ福岡一文字系で再度入札。能。
混乱して時間切れ。
鎌倉後期の刀工で長銘年紀の入った作も多い刀工ですが、今回の太刀は二字銘でした。
この刀工だと前後期で作風が異なりますが、いずれにしても地鉄がもう少し精美に整っている印象があり今回の様に大きく肌立った作風もあるのかと勉強になりました。
話は逸れますが摺上げだったものの銘付近の茎の鎬筋が奇妙にブレている気が。名刀である事に変わりはないのでしょうが、いざ買うとしたら勇気がいりそうです。ただ地刃の出来は特重と言われても驚かないような出来でした。(実際は重刀)

3号刀:時代違い→当

切先がそこまで大きくならない慶長新刀のような体配。匂口が沈んでおり末関のような印象を受ける。肌が非常に整っているがザングリしている印象も受ける。
姿もあり新古境、とりわけ国広の古屋打ち辺りに思い入札。時代違い。
という事は古刀か。
匂口から関の刀である可能性は高そう。
表裏の刃文を見比べると揃っている。ああ、あの刀工か、という事で2札目で当。
短刀が多いですが、珍しく刀でした。良き。


4号刀:イヤ→当

反りがあまりなく新刀期以降の姿をしている。
匂口が締まり、乱れ映りが淡く立つ。
高低差のある丁子を焼いている。
新刀期の備前が得意な刀工で入札。イヤ。
という事はあちらか、という事2札目で当。この両者の作は未だに違いが良く分からず毎回あてずっぽうになってしまいます。
明確な差があるのでしょうが、いつも忘れてしまいます…。


5号刀:当

重ね厚めで反りがほぼ無い平造りの寸伸び短刀。樋の中に梵字、蓮台?などの彫物が施されている。
匂口はバサけるという表現は正しくはないが、沸が飛び散ったような爆発したような(←全然分からない表現ですみません)所が見られる。
尖った刃も見られる。
柔らかいか固いかと言えば、固そうな刃をしている。
そんな所から応永あたりの京物と判断。当。
これも重刀でした。


終わりに

個人的には古刀がやはり見ていて面白く、仮に入札鑑定で同然以上で終わっていたとしても何度も見たくなってしまいます。
実は今日他支部の方からお誘いを頂いており、そちらでは古い刀装具が並ぶとの事で是非行きたかったのですが、距離が少しあり鑑賞会後に子供の面倒を見れないのと、支部で鑑賞会後に打ち合わせがあるとの事で出る事叶いませんでした。
ぬぅぅぅ。そちらの動向も気になります…。
体が複数欲しいです。

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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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