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刀箱、短刀箱の「刀掛け」のこだわり

制作している刀展示ケースの部材がまた一つ完成しました。

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これは刀箱短刀箱の「刀掛け」に使う部材です。
これに防水&低反発系のスポンジを貼って刀身を乗せます。

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防水にしているのはスポンジが空気中の水分を含まないようにする為であり(水を含むと刀身との接地点が錆びる為)、低反発は地震時の大きな揺れなどに刀身が動くのを防ぐ為です(これは特許申請中案件)。

刀身の重量に耐えられればアクリルなどでも良いのですが昔製作した時にこの展示ケースに使うには見た目がチープになってしまう事や、ネジ締め付け部から割れを起こしてしまう事から、軽くて丈夫なアルミに変更しました。

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(↑昔製作したアクリル製の刀掛け)


しかしアルミはとても柔らかくキズが付きやすいです。
アルミは酸素と結びつき酸化被膜を作るので鉄などに比べて錆びにくいのですが、膜は薄いので一度傷が付いてしまうとそこから腐食してしまいます。
そこでこのアルマイト処理というのをすると、より厚い酸化皮膜でコーティング出来るので、より丈夫な素材になるというイメージでしょうか。

早い話が展示ケースを長く使ってもらう為の工夫です。
刀を掛ける部分なので10年後に腐食していたら心配ですからね。

因みにアルマイトで様々な色を付ける事も出来ます。

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(画像出典:東信工業株式会社

現在の考え方としては刀掛け部は存在をなるべく消したいので、背景と同じような色にしています。
こうする事で暗い部屋での刀鑑賞の際あまり邪魔にならない気がします。

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とはいえ、刀掛け部を主張したりなど別の視点でデザインなどを考えれば他の色も予想外に合ってくるものがあるかもしれません。
ただ金のアルマイトなどは期待薄ですね。
刀のハバキや拵えに本物の金が使われている事もあるのでそれとの比較で安っぽく見える可能性が高いと感じます。


…と、今回は製作している展示ケースについて書いてみました。
実はケースに使っている部材1点1点について思い入れがあるので、今回のようにかなり語れる自信があります。
が、ブログのPV数を見ても刀展示ケース製作系のブログは殆どの人が望んでいない事が分かるのであまり書きませんが。(悲しい)

また展示ケースの展示会などした際など、もし直接お会いする事があれば是非ケースについても色々聞いてください。
なぜその形状にしたかなど延々と語るので…。
まぁ9割以上刀の話をして終わってしまうのですが…笑

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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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