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「ザ・美術骨董ショー2024」に行ってきました

今日は東京プリンスホテルで行われているザ・美術骨董ショーへ行ってきました。
昨年初めて訪れたのですが刀もちょこちょこあり楽しめたので昨年に続き今年も面白い物が無いか物色へ。


①刀関係

骨董ショーというだけあってジャンルは多岐に渡り、まさに何でも並んでるのですが、目当ては刀装具など刀に関するもの。
数はそこまで多く無かったですが一応ありました。
他の商品に混じって無造作に鐔がポンと置かれていたり、柄だけ置かれていたり、片目貫だけ販売されていたりと、大刀剣市などではあまり見られない面白さを感じます。

龍の金具の付いた大小拵。縦方向に印籠刻があり洒落ていた
江戸中期くらいの鐔だろうか
格子の窓を有した変わった鐔

とはいえ正直なところ全体的にあまり良いものがない。
重要刀装具クラスに出来が抜きんでたものは当然無いとして出来の割に安いと感じるものも特にない。
むしろ刀剣店の方が良心的な価格設定に思えるケースが多い。
目貫は金無垢のもので良さそうなものも何点かあったが、人物の絵であったりと趣味趣向から外れるため敬遠。
清水三年坂美術館旧蔵の鐔なども出ていて面白そうに感じたが町彫なので守備範囲外。

古金工ものや成木鐔は目当てであったが、1個もなかったように思う。
しかし以下のようなカフスのような鐔をモチーフにした小物類などもあり楽しめた。

また少し変わった所では、魚刀や木刀を展示しているお店もあった。

見せて頂くと、どうやら鞘から抜けるようで抜くと筒の様になっている。
抜く時にスポンという感じでかなり密閉性高く作られている。イメージとしては賞状の入る筒だろうか。
聞く所によると江戸末期以降のお医者さんなどがこうした魚刀や木刀を付帯している絵が残っているようで。
茶刀と似たような用途だったのだろうか。

鞘側


②現代アート

刀関係はこんな感じなのだが、個人的に武士をモチーフにした猫や犬などが描かれた若菜由三香さんの作品に心奪われた。

縞々左近(島左近)、大谷錆継(大谷吉継)、豊臣髭吉(豊臣秀吉)、小早川犬秋(小早川秀秋)など何とも洒落たタイトルが付けられている。
1つ買っておけば良かったと後悔中。


③根付

また今回ちょっと沼に足を入れかけたのが「根付」。
たまたま見ていたら何ともかわいらしい虎を発見。
仕草や表情などが上手く彫られているように見える。

気に入ったので値段を聞くとなんと250万円。
5万円位で買えるなら欲しいと思って見ていたのですがスミマセン。。。
しかしお店の方が親切に色々な根付を見せて下さいました。
以下は獅子の根付ですが玉が埋め込まれており、振るとカラカラ音がなる。

以下も個人的に好きな少し変わった根付で、七宝のようなものが用いられて作られています。肥後象嵌などにもこういう渦巻はありますが、何か関連性はあるのでしょうか。海外の根付のようで側面には何やら記号のような物が彫られていました。


根付は会場でもかなりの数が展示されていたものの、好みの虎をモチーフにしたものはなかなか無い。あってもどこか可愛さが足らないのと表情から訴えかけてくるものに乏しい。
根付もまた奥が深そうな、沼が深そうなジャンルに感じた。


④その他

骨董ショーというだけあって家具からガラス品、宝石、時計…などなど何でもあるのでふらふら周っているだけでも結構楽しめる。


5/5まで東京プリンスホテルにて行われていますので、こういう何か「雑多感」が好きな方はGW足を運んでみても面白いかもしれません。


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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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