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「乱映り」と「地斑映り」と「段映り」が難しい

刀を見ていて思うのですが、映りが難しい。
特に表題に挙げた乱れ映り、地斑映り、段映りの区別が個人的に難しく感じるので今回はその話についてです。

①乱れ映り

映りの中でも一番有名な映りと言っても過言では無いかもしれません。
備前伝の刀に多く現れる映りで、乱れ映りが見えれば備前という位です。
室町より前の刀に多く現れますが、それ以降の刀にも現れるものもあります。(新刀で言えば石堂派など)

以下の写真は古一文字成宗の乱れ映りです。

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以下のYuhindoさんの景光の方が分かりやすいかもしれません。
この刃文でないところで白くなっている所が乱れ映りです。

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(画像転載元:Yuhindo.com


②地斑映り

以下の澤田さんのブログに記載がありますが、平安末期から鎌倉初期にかけてよく見られる映りだそうです。
写真のような白い映りの中に指の腹で押したような黒い斑点のようなものが見えます。
雲生など雲類で多く見かける印象があります。


次は刀剣博物館の写真です。
斑点になっている部分もありますが、下と繋がって乱れ映りのように見える箇所もあります。(とはいえ指で押したようにも見えます)

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因みに下2枚は乱れ映りですが、古一文字の乱れ映りは地斑映りに似て見えないでしょうか?
この違いが私には難しいです。

・古一文字成宗の乱れ映り

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・保弘の乱れ映り

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以下のように地斑映りは鎬筋(緑線)あたりまで赤線が迫っていますが(越える事もある)、乱れ映りは鎬筋と刃の間位に留まる事が多い印象が個人的にはあり、私個人としてはそれで判断しようとしていますが自信はありません。
良い見分け方などあれば是非教えてください。
また一文字など焼きが高い刀は乱れ映りでも鎬筋(緑線)に迫るものもあります。
ですが小乱れの刃文で鎬筋あたりまで全体的に迫っている乱れ映りは見た事がない気がします。(部分的に迫るものはありますが)

・地斑映り

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・乱れ映り

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③段映り

段映りは青江派の刀に見られる映りで、下のように刃の直ぐ上に線が一筋見えると思いますが、これを段映りと呼ぶそうです。以下の写真は比較的はっきり捉える事が出来ます。

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難しいのがここからで、このように一本の筋(以下の青線部)がはっきり見えれば良いのですが、見えなかった場合。
段になっている部分が判然とせず、下のように赤線部のみを目で捉えてしまった場合、これを乱映りや地斑映りと判断してしまう事があります。(私だけかもしれませんが)

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④終わりに

全ての刀が今回挙げたようにはっきり映りが見える刀であれば良いのですが、そういった刀はあまりなく、寧ろ映りが部分的であったり、判然としない刀の方が多いのが実情と思います。
それに加えて研ぎも見え方にかなり影響してくるらしく(この辺りはまだ全く分かりませんが)、そうなってしまうともはや私には判断がかなり難しい。
…というか未だ分かりません。。
ここの区別を付けられるようになれたら嬉しいですが、まだまだ道は長そうです。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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