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展示会での個人蔵の出品について

次回の刀剣博物館の展示「五ヶ伝と五カ国の日本刀」の展示目録が発表されました。

宇和島伊達侯爵家伝来の在銘国永や、名物鍋島藤四郎(吉光)、在銘の正恒や年紀入りの新藤五国光、名物大島行光、芦屋正宗や蜂須賀正宗、太鼓鐘貞宗、重美の廣光などなど個人蔵の名品も多く並ぶようです。

以前開催された「珠玉の名品展」も個人蔵中心の名品(特重)が並び素晴らしかったですが、前回の「正宗十哲」展もあれだけの名品がよく一同に介したと感動しました。
近年刀剣博物館での展示が凄い事になっている気がします。

以前こうした展示会は「凄い名刀が並んでるなぁ」位の漠然とした気持ち(博物館なのでこうした品が展示されているのが当たり前か、位の気持ち)で見ていたのですが、考えてもみれば何気なく「個人蔵」と書かれている物は当然ながら個人への交渉が付きまとうはずです。
思えば数年前の山姥切国広の展示も当時は個人蔵でしたし、その個人の方が好意で貸出した事で展示が実現しています。

貸し出しを決めて下さった所有者の方がいるからこそ目の前でその刀を見る事が出来ているという事実に加えて、その所有者の方に「こういう展示をしたいから刀を貸してくれないか?」という交渉をしている方もきっと、というか必ずいるはず。

新人もしくは歴の浅い方がいきなり貸してと言って貸し出してくれるものでもなさそうですので所有者の方との長い付き合いのある方、つまり刀剣博物館の展示であれば日刀保の中でも偉い方が交渉しているような気もします。
もしくは日刀保→刀剣商→愛刀家というようなルートでしょうか。
あくまで予想なので実態は分かりません。

いずれにしても所有者の方の好意と、貸し出しを交渉する方の人脈や努力、この2つが揃って初めて展示が実現するという、考えても見れば当たり前の事実に今まで目を当ててきませんでした。

こうした名品は時代が時代なら拝む事は出来なかったでしょうし、1000円位で誰でも見れるという環境は本当に有難く嬉しいです。
感謝感謝感謝です。
感謝の気持ちを嚙み締めつつ、4/27からの「五ヶ伝と五カ国の日本刀」楽しみながら見てこようと思います。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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